十六日桜
更新日:2021年5月6日
「十六日桜」について
文化財の区分
松山市指定天然記念物
指定(登録)年月日
昭和45年5月18日 指定
所在地及び所有者(管理者)
松山市御幸1丁目(外部サイト) 天徳寺ほか
解説
御幸1丁目の天徳寺境内と桜ヶ谷の吉平屋敷跡とにあり、ヤマザクラの早咲きの品種で、旧正月16日ごろに開花するというので、この名がある。
この桜については、伝承が種々残されているが、老翁がもう花を見ることもあるまいと嘆いたことから、これに感応した桜が早く咲くようになったというもの、長く病床にあった父が桜の花を見たいと願うので、子の吉平が庭の桜に祈ったところ、寒中の1月にもかかわらず、16日に花が咲いた。この奇跡によって老父は以後長寿を保ったというもの、の2種に大別される。小泉八雲が著書『Kwaidan』の中で、正岡子規の「うそのよな 十六日桜 咲きにけり」を引用し、『文藝倶楽部』第7巻2号に掲載された前者の伝承を元に英訳再話したことでも有名。
十六日桜の古いものは戦前山越の龍穏寺にあったが、戦災で焼け枯死した。現在、前記2ヵ所のものは、龍穏寺からの株分けが元であるといわれているが、花期も遅く、十六日桜の形質を保ったものではなく、実生による変異品種のようである。
お問い合わせ
文化財課(文化財保護担当)
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