船の絵馬
更新日:2012年3月1日
「船の絵馬」について
文化財の区分
松山市指定有形文化財(絵画)
指定(登録)年月日
昭和43年10月 指定
所在地及び所有者(管理者)
松山市中島粟井 桑名神社
解説
桑名神社には、神戸商船大学海事参考館に資料として寄贈した船の絵馬5枚を含めて、40数枚の絵馬が保存されている。桑名神社の船の絵馬は文化・文政・享保など江戸時代の絵馬が主で、大阪・兵庫・備後・安芸・土佐・豊後などの問屋から奉納された絵馬が数多くある。
桑名神社がある中島粟井は、室町時代に海運業が興り、安永9年(1780年)に粟井村が天領となり、大洲藩預かりとなって以降は「御預所」「御用」などの幟旗を立てて瀬戸内海を航行できるようになったこともあり、幕末には土佐・宿毛の炭を大量に仕入れ、大阪に運んで売り捌き、莫大な利益を得ていたという。付近の大泊の湾には、40隻もの千石船が碇泊していたとも伝えられている。
桑名神社の船の絵馬は、忽那水軍や倭寇交易の名残りを伝えるものとも考えられ、中島諸島における海運界の往時を偲ぶばかりでなく、瀬戸内海の交通・交易研究にも欠かせない貴重品である。
お問い合わせ
文化財課(文化財保護担当)
〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階
電話:089-948-6603
