大般若経 600巻
更新日:2012年3月1日
「大般若経 」について
文化財の区分
松山市指定有形文化財(典籍)
指定(登録)年月日
昭和43年10月 指定
所在地及び所有者(管理者)
松山市二神 安養寺
解説
紙本、大般若波羅密多経600巻である。そのうち奥書のあるものをみると、最も古いものでは久安3年(1147年)があり、元徳 2年(1330年)、貞和2年(1346年)、延文6年(1361年)、永享3年(1431年)、永享6年 (1434年)がそれに続き、寛永13年(1636年)に書写したものに及んでいる。
久安3年(1147年)の分は、愛媛県下で最も古い写経として注目すべきであるが、この経巻の由緒については、他に史料がなく不詳である。元徳2年(1330年)の「大願主二神島住人沙弥法善」や、貞和2年(1346年)の「於二神嶋八幡宮御前修覆了 大願主法善」などの記述からは、法善すなわち二神吉種が願主となって経巻を施入したこと、更に吉種がこの島の領主の地位にあり、この時期にはすでに二神島八幡宮が建立されていたことが明らかで、この八幡宮の別当職を安養寺が留保していたと考えられている。
大般若経は、二神島の歴史や二神氏の動静を知る上で貴重な典籍のひとつである。
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