令和4年7月26日 「令和3年度松山市財政事情の公表」についてほか
更新日:2022年7月27日
※この動画は、松山市長 記者会見の冒頭(市長説明)のみを掲載しています。
- 日時:令和4年7月26日(火曜日) 午前11時30分から
- 場所:本館3階第1会議室
- 記者数:15人
議題
- 令和3年度松山市財政事情の公表について
- 令和3年度松山市公営企業の業務状況の公表について
会見要旨
それでは本日の議題、令和3年度松山市財政事情の公表について説明します。令和3年度の一般会計は、新型コロナウイルス感染症への対策に全力で取り組んだことなどを反映し、歳入、歳出ともに令和2年度に次いで過去2番目の大きさになりました。
歳入は総額で前の年度と比べ16億5,471万円、7.8%減の2,310億6,756万円です。収入が減った主なものは国の特別定額給付金の終了などで、国庫支出金が前の年度から271億8,168万円減少しました。一方、収入が増えた主なものは地方交付税が48億9,000万円増加しました。これは国の税収が増え地方交付税が追加交付されたことや、基準財政収入額が減ったため収入の不足を補う地方交付税が増えたのが要因です。
次に、歳出は総額で204億6,464万円、8.3%減の2,262億9,864万円です。概要は感染拡大の防止では、市の医師会や市内の医療機関と連携し、希望する全ての皆さんが安心してワクチン接種ができる体制を確保しました。また愛媛県と連携し、感染状況の把握や検査などを迅速に進めたほか、福祉施設の自主検査に補助するなど感染拡大の防止に全力で取り組みました。
ウィズ・コロナ地域経済対策では、愛媛県の要請に応じて営業時間を短縮した飲食店に県と連携して協力金を給付しました。申請から早ければ1週間程度で給付したほか、申請に必要な書類をできるだけ減らすなど事業者の皆さんに寄り添った対応で経営と雇用の継続を後押ししました。また新しい取引先を開拓したり、ほかの事業へ転換したりするなど厳しい経営環境でも知恵や工夫で懸命に努力されている事業者の皆さんを何とか支援したいとの強い思いから、愛媛県と連携し松山市独自の上乗せを含む応援金を給付しました。さらに松山市独自で、個人事業主やフリーランスなどの方々に最大100万円を無利子、無担保で融資するなど、営業時間短縮の要請や外出の自粛で影響を受けている事業者の皆さんを支援しました。そのほかコロナ禍に対応するため、業務をデジタル化したりテレワークを導入したりする事業者を支援しました。
市民生活の支援と新しい生活様式への対応では、LINEを使って子育てやひとり親、DVなどの相談を24時間365日受け付ける「こども・子育て・DVらいん相談@まつやま」を開設しました。また感染症の影響が長期化する中で、引き続き厳しい状況にある所得の低い子育て世帯に児童1人当たり5万円を給付する国の子育て世帯生活支援特別給付金を速やかに給付しました。加えて18歳以下の児童1人当たり10万円を給付する国の子育て世帯への臨時特別給付金をいち早く対象の世帯にお届けしたほか、養育者のいない子どもや所得制限の超過で国の給付金の対象にならなかった世帯にも松山市独自で同様に給付しました。
次に、感染症への対策以外では、保育ニーズの高い西部地区にある生石保育園に臨時の園舎を設けたり、待機児童の多くを占める1歳児、2歳児を定員以上に受け入れた場合に助成をしたりするなど官民一体になって受け皿を拡大し、今年の4月1日には待機児童ゼロを達成しました。防災・減災対策では、最新の防災情報やハザード情報を盛り込んだエリア別の総合防災マップを作成しました。個別に作成していた洪水、土砂災害、高潮など複数のハザード情報を盛り込み、1冊で自宅周辺の災害リスクが確認できるようにしました。また災害に備えて自分や家族がいつ、どのような行動をとるかをあらかじめ決めておくマイ・タイムラインシートを新しい防災マップと合わせて全戸に配布しました。市駅前広場の整備では、整備後の交通への影響やにぎわいの創出を検証するため社会実験を行いました。そのほかにも、市民の皆さんとお約束した公約を実現するためそれぞれの分野で積極的に施策を進めました。
その結果、歳入総額と歳出総額の差引額から翌年度へ繰り越す財源を差し引いた一般会計の実質収支は32億2,310万円で、64年連続で黒字を確保しました。また令和3年度の単年度収支に財政調整基金への積立額を加え、財政調整基金からの取崩額を差し引いた実質単年度収支は7億4,798万円のマイナスになりました。これは新型コロナウイルス感染症対策や垣生の学校給食共同調理場の整備、小学校、中学校の大規模改修などの費用に財政調整基金を活用したことや、社会保障関係経費が増えたためと考えています。市債残高は、市立の小学校、中学校の施設マネジメントのための教育債や災害復旧債が増えたものの、将来への負担を減らすため借り入れを抑制し、特別会計と企業会計を合わせた市全体で前の年度から73億5,292万円、2.3%減少し、過去20年で最少となっています。
次に、健全な財政運営へのガイドラインに関し二つの指標を報告します。まず財政調整基金比率は、前の年度から0.8ポイント減り16.3%になったものの、目標値である標準財政規模の10%以上を確保しています。次に経常収支比率は、地方交付税や地方消費税交付金が増えた影響などで87.7%と前の年度から2.2ポイント改善しました。このように令和3年度決算でも財政運営の健全性は確保できており、財政状況が直ちに悪化する懸念はないと考えています。今後の財政運営では、感染拡大の防止を引き続き徹底するとともに、物価高騰などに対応した施策を推し進めながら健全な財政状況を堅持していきたいと考えています。
次に、公営企業の業務状況についてです。まず水道事業会計の経営状況は、水道料金収入の減少や水道施設の耐震化に関する費用の増加など年々厳しさを増している中、公営企業局独自の判断基準である単年度実質収支は上下水道部門の組織統合で業務体制を効率化するなどで7,387万円の黒字になりました。次に令和3年度の主な事業は、基幹管路や老朽化した硬質塩化ビニル管など約23キロメートルの水道管を耐震化したほか、避難所になる小学校8校に応急給水栓を設けるなど災害に強い水道づくりを進めています。
次に、下水道事業についてです。単年度収支は7年連続で黒字となり、過去の赤字の積み上げである累積欠損金が解消されました。下水道事業は国の方針で、平成4年度からの10年間で約2,000億円の集中的な投資を行った結果、下水道の普及率は大きく伸びたもののその財源で企業債を活用したため企業債残高も増加しました。その後経営健全化の一つで借入を抑制し、企業債残高は15年連続で減少、令和3年度末で約1,152億円になり、最も多かった平成18年度末に比べ約344億円減少しています。次に主な事業は、下水道普及率を上げるため汚水管の整備を進めるとともに、震災対策では緊急輸送路などに埋設している汚水管を耐震化し、浸水対策では山西地区及び和泉・古川地区の雨水管を整備しました。また老朽化対策で西部浄化センターの電気・機械設備などを改築しました。上下水道は、市民生活や都市活動を支える大切なライフラインです。災害への備えや老朽施設の更新を着実に行い、計画的に企業債残高の削減に努めるなど持続可能な事業運営に取り組んでいきます。
説明は以上です。
質疑応答
【松山市急患医療センター】
(記者)
具体的な混雑状況は?
(医事薬事課長)
休日診療所は17日、18日の連休で、17日が207人、18日は213人の受診があり、受診に3時間から4時間ぐらいかかり、駐車場もあふれ出たと聞いています。
(記者)
拡大で期待することは?
(市長)
先ほど申し上げましたように、分散ということで、市の医師会さんとも引き続き連携しながらできる手をいろいろと講じていきたいと思っています。
(記者)
先週ぐらいから利用者が増え始め、急きょ行うのか?
(医事薬事課長)
徐々に増えていたのですけれど、17日、18日の連休から急激に増えてきたところです。
(記者)
どれくらいの割合で?
(医事薬事課長)
大体、倍とかそれぐらいの感じです。
(記者)
どういった方に利用してもらいたいか?
(市長)
どういった方にというか、やはり皆さん病院に来るわけですから、恐らく体調に不安を感じている方だと思います。こういうことをすることによって、説明で申し上げたように、やはり分散をすることが大事だと思いますので、これからも市医師会さんと引き続き連携しながら、できることをさまざま打っていきたいと思います。
【松山市公営企業の財政状況】
(記者)
水道料金の値上げは、今後どのような方針か?
(市長)
令和4年度以降は、水道施設の耐震化を進めるのに減価償却費などの費用が増えて、財政状況が非常に厳しくなると見込んでいます。将来にわたって安定して水道事業を経営していくことが大事と考えています。ですので前の議会では、いったん見送りのようになりますけれども、時期も含めてさまざま検討していきたいと思っています。
(記者)
具体的な時期は?
(市長)
人口減少のこともありますし、また施設は老朽化していきます。その老朽化対策、耐震化対策というのもしっかりと進めなくてはいけませんので、財政状況としては厳しい状況という認識も持っている、さまざま時期も含めて検討していきたいところです。
(記者)
議会では、引き上げ自体やむなしという意見は多いけれども、説明が足りないので、という意見が多かった。周知の仕方を含め検討していることは?
(経営管理課長)
後ほど答えます。
(記者)
時期の検討は、引き上げの時期か、議会にかける時期か、両方か?
(市長)
そうですね。皆さんご存じのように、新たな市議会議員選挙がありまして、新たな議員さんも選出をされましたので、その方々にも理解していただかなくてはならないと思っています。そういったことも含めて、議会にお諮りをさせていただく、いろいろと総合的に考えた中で、議会にお諮りをする時期についても総合的に検討していくよう考えています。
(記者)
水道料金の値上げを来年4月という方針は変わらないか?
(市長)
いえ、もう今の私の気持ちとしては先ほど申し上げたことが全てということになります。
(記者)
そのままの時期の可能性も、延びる可能性もある?
(市長)
確かに厳しい認識を持っているのは先ほど申し上げたとおりです。人口は減少していくわけですし、また耐震化をしていく必要ももちろんありますし、老朽化していることへの、老朽化対策も必要だと思います。そういった中で、やはり財政状況は厳しいという認識を持っています。後になればなるほど、例えば値上げの幅が大きくなるんだったら、それはそれでやはり考えないといけないところがあると思いますし、そういったことも含めて総合的に検討していければと思っています。
(記者)
値上げの幅も含めて白紙の状態か?
(市長)
白紙というと、白紙という言葉はちょっと当たらないのではないかと思っています。今までさまざま議員さんとも話してきているわけですし、白紙というのはちょっと言葉が当たらないかと思います。
(記者)
どこまでを継続し、何が新しい?
(市長)
ものすごくいろいろな要件があります。水道料金の値上げに関しては、ものすごく多くの項目がありますから、線引きしてここまでです、みたいな言い方はなかなか難しいですね。ですので、総合的に検討させていただくと申し上げました。
【松山空襲犠牲者名簿】
(記者)
松山市戦災遺族会という民間団体が松山空襲の犠牲者の名簿を作成され、市に寄贈されて、今市の資料展でも閲覧できるのですが、長年にわたる調査の結果で、松山空襲で543人が亡くなり、そのうち461人は松山大空襲によるものではないかという貴重な成果を導き出されている。松山市はこれまで、大空襲で死者が251人、行方不明者8人という数字を使っているが、かなり数字に開きがある。今後松山空襲の犠牲者数について市が使用する数字を見直す考えは?
(市長)
まず、戦災遺族会さんへの気持ちとしては、ご遺族への聞き取りであったり、関係文献を調べたり、また寺院ですとか神社への調査など多岐にわたる調査を行われ、そして名簿を作成してこられた。この戦災遺族会の方々に敬意を表したいと思います。そして今回、松山市戦災遺族会さんが解散すると伺っていますので、今後市としてどのようなことができるのかを協議させていただきたいと思っています。
(記者)
例えば解散されると(名簿への)追加申請があった場合に対応できないのを市で担当するのも含めてか?
(市長)
まず、今日まで開催されています平和資料展、コミュニティセンターでこの名簿が閲覧できます。こういった名簿はやはり有効に活用させていただきたいと思っています。そして今回、遺族会さんが解散されるということで、お話をさせていただいてということになろうかと思いますが、もう解散されて全く活動をされなくなるのかどうか、われわれ松山市と連携させていただいて一緒に活動することができるのか、そのあたりもやはり大事なところではないかと思っています。ですので、できるだけ早く協議をさせていただきたい、お話をさせていただきたいと思っています。
(記者)
戦災遺族会と市側で?
(市長)
そうです。まず、担当の市民部で。
(記者)
戦災遺族会としては民間の力で作った名簿なので、市で、行政の力できちんと精査してほしい、できれば再度調査や確認をしてほしいということだが?
(市長)
ちょっとお伝えをさせていただくと、松山市戦災復興誌というのがあります。昭和44年、松山市が数年にわたって資料を収集して、調査を経て編さんされ、調査年としては最も新しく、警察官の立ち合いのもとに手続きを踏んで作成したもので、信憑性が高いと松山市はこれまで判断しています。調査ももちろん、関係団体などにも話を聞いていると認識しています。警察官立ち合いのもとと申し上げましたけれども、検査証明書というんですか、松山市戦災復興誌記載の犠牲者数は、警察官立ち合いのもと、検査証明書を発行するなどの手続きを踏んだもので、信憑性が高いと判断しています。そういったことからこれまで再調査はしてきませんでした。今回戦災遺族会さんが解散されるということもあり、しっかりと市として何ができるのかをお話させていただきたいと思います。
(記者)
以前、松山空襲の犠牲者数の再調査は今のところ市でする予定はないと言われている。その時と少しニュアンスが変わったか?
(市長)
ニュアンスは人の受け取りだと思いますので、それはお任せしたいと思います。私としては遺族会の方々が聞き取りをされて、また文献を調べられて、そして寺院であったり、神社に行かれて調査をされた、これはやはり大事なことと思っています。ですので、敬意を表したいと申し上げさせていただきましたし、市として何ができるのかという観点で協議をさせていただきたいと思っています。
(記者)
数字の251人も変えて使う可能性の検討は?
(市長)
これからと言いましょうか、まだお話をさせていただいてさまざまという意味です。
(記者)
それも含めてか?
(市長)
今回遺族会さんが解散されるということですので、お話をさせていただきたいと思います。松山空港の近くに掩体壕があります。掩体壕、市民の方から寄贈を受けて、そして松山市で保存をさせていただいて、平和学習に活用させていただいています。やはり戦争というものはしてはならない、平和は大事なんだっていうのをこれからも訴え続けていきたいと思っていますので、市としてどういうことができるのか、そういう観点で戦災遺族会の方々とお話させていただいたらと思っています。
【マイナビオールスターゲーム2022】
(記者)
明日、第2戦が松山で開催される期待感と、感染急拡大で注意は?
(市長)
やはり感染対策をしっかり行って実施することが大事だと思います。試合の主催者、プロ野球12球団、日本野球機構ということになりますが、日本野球機構では新型コロナウイルス感染拡大防止のために、場内の各所に消毒液を設置して、小まめな手指消毒ですとかマスクの正しい着用、大声での歓声や声援などの自粛を周知、徹底するなど感染防止策をして開催されると伺っています。またイベントの主催者、愛・野球博実行委員会では、県と松山市の職員が感染対策を啓発するプラカードを掲出するなど、感染対策やまた熱中症対策をしっかりと行いながら実施する予定となっています。
ありがたいことに愛媛県さん、また関係20市町さんにご協力いただいて、今回坊っちゃんスタジアムで3度目のオールスターができることになりました。ここはやはり感染対策をしっかりと行って開催されることが大事になりますので、感染対策をしっかりとしながら実施ができたらと思います。
【選挙】
(記者)
知事選と市長選の投票日が11月20日でダブル選が決まった。受け止めと、さまざま声を受けている中で考えは?
(市長)
日程は選挙管理委員会さんが決められるものです。次に、これまで出馬要請をいただいた時に、その場でもお話をさせていただいていますけれども、今コロナのことがありますから、コロナウイルスから市民の皆さんの健康を守る、また経済を守るということに全力を挙げています。また任期中、最後の最後まで皆さんとのお約束である公約の実現に全力を尽くすというのはやはり大事なことだと思っています。今そういったことに全力を尽くしておりまして、ありがたいことに出馬要請を続けて頂けています。しっかりと受け止めながら、熟慮をさせていただきたいと思います。
※質疑応答は内容を要約しています。
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