令和5年2月10日 「令和5年3月定例市議会当初予算案等」について

更新日:2023年2月15日

※この動画は、松山市長 記者会見の冒頭(市長説明)のみを掲載しています。

  • 日時:令和5年2月10日(金曜日) 午前10時30分から
  • 場所:本館3階第1会議室
  • 記者数:15人

(http://www.city.matsuyama.ehime.jp/hodo/202302/omutsusabusuku.html)

議題

  • 令和5年3月定例市議会当初予算案等について

会見要旨

 本日3月定例会の招集告示を行いましたので、提出を予定している議案に関し令和5年度当初予算の主要事業を、新しい時代に挑む三つの柱と市民の皆さんにお約束した公約の四つの柱ごとに説明します。令和5年度の予算編成では、引き続き感染症への対策に万全を期すとともに、子育て・教育環境の充実や防災・減災対策などにしっかりと対応しながら、ピンチをチャンスへという常に前向きな姿勢で「より優しく より強い まつやま」の実現を目指し、一人でも多くの人を笑顔にできるよう挑戦を続けます。新しい時代に挑むでは、ウィズコロナを一層進めるとともに、ニューノーマルに対応しデジタル化を加速させるほか、人口減少や少子化に向けこども施策を充実するなどを力強く推し進めます。
 まず、ウィズコロナの推進です。国は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、今年5月8日(月曜日)に5類へ引き下げる方針です。一方市民の健康を守り、経済を守るため、感染症対策が重要なのは変わりありません。引き続き国や県、市医師会など関係機関と連携し、状況に応じて対策を行います。また商店街が独自に行う販売促進を支援するほか、中小企業が人材を確保するのに必要な費用に補助するなど地域経済を支えます。
 次に、デジタル化です。まちづくり協議会など地域団体がWeb会議やSNSなどを使って活動できるよう、計画から実行まで市が共に考え支える、いわゆる伴走型で地域のデジタル化を進めます。またドローンを導入し、沖合の防波堤などの確認を効率化します。65歳以上の方がイベントに参加するとポイントが貯まる高齢者いきいきチャレンジは、コロナ禍でイベントの開催が難しい状況です。そこで健康アプリを新しく導入し、これまでのイベント参加に加え、目標歩数の達成や脳トレゲーム、健診の受診などでもポイントが貯まるようにするほか、ポイントを電子マネーに交換できるようにします。さまざまな場面でデジタル化を加速させ、変化に挑みます。
 次に、こども施策の充実と公約の一つ目の柱、少子化対策と子育て環境の充実です。児童クラブでは、開所時間をニーズに応じて延長するほか、北久米小学校でクラブ室を増設し受け入れを増員するなど環境を整えます。また保育所や児童発達支援事業所では、子どもの安全を確保するため、登園記録などを管理できるシステムを導入します。加えて市立の保育所2園と幼稚園1園で、医療的ケアの必要な児童が安心して過ごせるよう看護師のケアを開始するほか、新しく保育支援員を置くなどし支援体制を強化します。その他離島では、中島や興居島のこども園にカメラとスクリーンを備え、市内の地域子育て支援センターとネットワークでつなぎ、他の地域の子育て家庭とオンラインで交流できる機会を増やします。ヤングケアラーの支援では、新しく専門の相談窓口を設けコーディネーターを配置し、学校訪問を行うなどヤングケアラーの早期発見と適切な支援につなげます。また心豊かな子どもを育成するよう、子規記念博物館に復元している愚陀佛庵や松山市指定文化財の掩体壕を生かし、人との出会いやつながり、友情や平和の大切さを学ぶ機会を提供します。そしてこれまで本市では、所得の低い世帯の中学生を対象に土曜塾を提供し、学習支援をしてきました。令和5年度から対象を広げ、経済的な理由で学習塾に通えない小学5年生と6年生に、学習を支援したり生活習慣を習得したりする場を新しくつくります。保護者への相談支援も行い、児童の学習や生活に関する相談をはじめ、しつけや親子関係の悩みにも随時応じます。5月から参加児童を募集し夏休み前の7月から開始する予定で、場所は毎週土曜日、中学校進学後も続けて土曜塾に参加しやすいよう付近の3カ所から始め、子どもが気軽に来ることができる場所にしたいと考えています。
 二つ目の柱は、交通の利便性向上とまちの賑わい創出です。JR松山駅の周辺整備では、新しく生まれ変わる駅前が便利で滞在性のある待ち合い空間になるよう、バスタプロジェクトの事業計画の策定に向け検討を進めます。市駅前広場は令和8年中の完成を目指し、令和5年度はバスなどが転回するロータリーの整備を開始するほか、中之川通りに路上駐輪場を設置します。商店街のアーケード撤去や建物のファサード整備に補助したり、歩道に照明灯を設けるなど目に見える形で整備が進みます。総合公園では動物愛護管理施設の建設を進めており、令和5年度中に完成する予定です。クラウドファンディングは、延べ680人から1,200万円の目標金額を上回る1,773万6,577円の寄付をいただきました。多くの皆さんのご協力に感謝申し上げます。動物舎は飼育スペースを広げ、また里親の希望者とマッチングするスペースを設けるなど譲渡につながりやすい環境にしていきます。啓発のスペースは、愛犬のしつけ方教室や譲渡前の講習会などイベントを開催し動物愛護を啓発するとともに、総合公園の活気や賑わいをつくります。また市民の皆さんが文化や芸術に気軽に触れられる機会を増やし、まちの賑わいを創り出すため、市駅前や中央商店街などのまちなかで演奏や合唱、ダンスなどのパフォーマンスを無料で披露するイベントに新しく補助します。坂の上の雲ミュージアムでは建築家、安藤忠雄さんから寄付を受ける、子どものための図書室「こども本の森」を令和7年度中に開設する準備を進めます。安藤さんの「未来を担う子どもたちに、本に親しんでもらいたい」との強い思いをしっかりと受け止め、子どもたちが絵本や児童書などで歴史や文化に触れ、自分自身と自然や社会との関わりを考えることで未来を切り開くためのヒントを得る場所にし、松山市の新しい宝にしたいと考えています。
 三つ目の柱は、経済の活性化と雇用環境の整備です。コロナ禍と物価高騰で資金繰りが厳しい事業者の皆さんを支援するため、松山市独自の無利子・信用保証料なしの融資を含む融資総額を引き続き過去最大の400億円で確保するほか、借換制度も継続します。また中小企業などの従業員が、ビジネスモデルの変化への対応に必要なスキルや知識を習得するための費用を補助します。さらにシステムの開発や改修ができるなど高いデジタル技術を持つ人材を育成するため、支援制度を設けます。技術を習得する講座の費用などで国の補助に上乗せするほか、国の補助の対象にならない大学生などには松山市独自で補助します。観光では、多くの外国人観光客が訪れる広島や関西圏域から誘客するため、広島、松山間の航路運賃の割り引きや関西圏域から松山への旅行商品の販売費用を支援します。道後温泉では「アート&クラフト」をテーマに「道後アート2023」を開催します。
 四つ目の柱は、安全・安心で持続可能なまちづくりです。子育て世帯の移住を促すため、引越し費用を10万円まで補助するほか、中学生以下の子どもがいる世帯には1人につき5万円を加算します。また移住を検討している子育て世帯へ積極的に情報を発信し、子育て世帯から選ばれるまちを目指します。ごみ出しが難しい高齢の方などを支援するふれあい収集は、来月の1日(水曜日)から対象を広げ、ごみ出しが難しい65歳以上の一人暮らしで要介護1以上または身体障害者手帳の等級が1級と2級の方などにし、市の全域で実施します。ごみ出しの負担を減らすほか、必要に応じて声掛けし支援が必要な方々の安全・安心につなげます。脱炭素の推進では、自発的により良い選択ができるように後押しする、いわゆるナッジを活用した食品ロスを削減する実証実験でライフスタイルの転換を促します。社会教育の拠点である公民館は、市民の皆さんの交流の場として利用されているほか、災害時の避難所としての機能もあります。素鵞公民館と道後公民館に新しくエレベーターを設け、順次その他の3階建て以上の公民館でも整備を進めます。また令和5年度中に余土支所を移転して建て替え、施設や駐車場を広くしバリアフリーにするなど、高齢の方々を含め市民の皆さんが利用しやすくします。その他今年10月28日(土曜日)から4日間、高齢者の皆さんが健康で生きがいを感じ、あらゆる世代が楽しめるねんりんピック愛顔のえひめ2023が開催され、松山市では俳句大会を含め1自治体では過去最多の10種目が行われます。愛媛県や関係団体の皆さんと連携して地域や世代を超えた交流の輪を広げます。
 その結果、令和5年度当初の一般会計の予算は総額で2,077億7千万円となり、前の年度と比べ85億7千万円、率で4.3%上回り、5年連続で過去最大の規模になりました。
 
 次に、紙おむつのサブスクサービス導入についてお知らせです。松山市では令和3年から使用済み紙おむつを持ち帰る手間をなくすため、委託園も含み全ての公立保育所などで使用済み紙おむつの処分を開始しています。さらに保護者と保育士の負担を減らせないかを考え、県内の市町では初めて4月から公立保育所などで紙おむつのサブスクサービスを導入します。希望する保護者が定額の利用料金を支払うと園内でおむつが使い放題になり、保護者がおむつ1枚1枚に名前を書き持参する手間がなくなり、保護者の負担が軽減されます。また保育士はおむつを子どもごとに管理する手間が減り、子どもたちに向き合う時間が増えます。多くの方に便利に利用いただき、これからも子育てに優しい取り組みを進めていきます。
 説明は以上です。

質疑応答

【予算編成方針】
(記者)
4期目最初の当初予算で特にこだわったことは?
(市長)
よく皆さんからそういうご質問を受けるんですけども、やはり当初予算案です、また1年間の予算になりますので、松山市役所には100を超える課があり、全般になります。またウィズコロナの状況ですからウィズコロナを一層進めていくこと、またニューノーマルに対応したデジタル化の加速であったり、人口減少や少子化に向けてこども施策の充実など新しい時代に挑んでいく、そして公約の四つの柱に沿って取り組みを力強く推し進めていきたいと考えています。
(記者)
公約は当初予算でどのぐらい着手できそうか?
(市長)
もうかなり、着手できるものはできる限り反映したと考えています。
(記者)
新しい時代に挑む三つの柱に力を入れた狙いは?
(市長)
「より優しく より強い まつやまへ」と掲げました。こども施策の充実と公約の柱の一つは大きく関連しますが、例えば児童クラブの運営を拡充したり、また児童クラブ室の施設の整備で北久米小学校を拡充したり、そして公約にも書いています、ヤングケアラーの支援体制を強化するのは新規です。またひとり親家庭の自立支援で子どもの学習支援も拡充です。これまで中学生でやっていましたけれども、小学5年生、6年生にと先ほど申し上げました、こういったところを特にやっていきたいと思っています。
(記者)
4月からこども家庭部を設け、子育て支援にかなり予算を組んだ理由と期待は?
(市長)
皆さんご存じのように国がこども家庭庁を発足させるということで、国でも重点的にやっていかれると思います。国の動向も注視しながら、松山市としてやれることはどんどんやっていきたいと思っています。そのやれることをどんどんやっていきたいっていうのが、先ほど挙げたような項目になります。これからも松山市として「より優しく」の、例えばより子育てに優しくです、松山市としてできることをどんどんやっていきたいと思っています。

【紙おむつのサブスクサービス】
(記者)
導入で期待することは?
(市長)
できるだけより優しく、利用される方に寄り添ったサービスができないかというのは、いろいろな分野で考えています。例えば松山市役所1階を総合窓口にしているように、福祉分野で言いますと高齢の方が市役所にお越しになる方もいらっしゃる、またお子さんを抱っこされた若いお父さんやお母さんもいらっしゃる、そういった中でそれは10階なんですよ、それは9階なんですよって言うんじゃなくて、私たちの方から集まっていってできているのが福祉の総合窓口であったり、おくやみ窓口であったり、そのようにできるだけ寄り添った対応ができないかと常日頃から考えています。そんな中で松山市は令和3年から公立園でおむつの処分を開始しました。私立園でも紙おむつを処分している事業者に市独自で処分の経費を助成するなど、おむつに関する保護者と保育士の負担を減らしてきました。さらに保護者の負担を軽減できることがないかを考えて、おむつのこのサブスクを導入することになりました。全国的に事業展開している複数社からヒアリングや保護者のアンケートを行い、最も保護者のニーズに合ったBABY JOB株式会社の、いわゆるマミーポコを使ったサービスを選定しました。アンケートっていうのが、0歳から1歳児の保護者対象のアンケートで、導入で重視する点が価格の安さという回答が最も多く、他より安価なこのマミーポコのサービスを選択しました。価格の安さが7割、おむつの質が2割、特になしが1割というアンケート結果から、最も安価な最もニーズに合ったサービスを展開するようになりました。
(記者)
どのように利用してほしいか?
(市長)
希望制で強制ではありませんので、多くの方に便利に利用いただいて保護者の負担が軽減される、保育士の負担が軽減される、子育てに優しいまちづくりにつながればと思っています。昔はどうしても経緯でしょうがなかったんでしょうけれど、おむつを持って帰らないといけないっていう時もあったんですよね、それで買い物に行ったりすることもありますよね。それはなかなか行きづらいな、難しいなっていうことで、名前を書いたりとかそういう手間もあって、もう大きく踏み切ったわけです。保育士はおむつが各ご家庭から持ち寄られて、それが混在するといけませんよね、ですから保育士さんの手間を負担を下げる。保育士の手間をなくすことによって、より子どもたちと向き合う時間が保育士にとっては増えます。保護者にとってもそういったところが軽減されますので、そういったことを総合的に考えてこの事業に入っています。

【新型コロナウイルス感染症】
(記者)
国で来月からマスクを外していいとなりそうだが?
(市長)
大きく三つだと考えています。幅広い機関で受診するようになりますから、幅広い医療機関で診療するための準備がまず大きく一つ。二つ目に受診控えにならないように医療費の公費負担の考え方。あと三つ目に重症化リスクが高い高齢者などを守っていくための方策など、今国では具体的な方策を検討しているところです。国の動向を注視しながら、引き続き愛媛県や関係機関と連携しながら対応していきたいと考えています。
(記者)
緩和する方針が出たらマスクを外すか?
(市長)
国の方針がどのように出るか、それをしっかり見させていただいて判断していこうと思います。

【水道事業給水条例】
(記者)
物価高騰や電気代が上がる中で水道料金を上げる理由は?
(市長)
これまで実質20年以上水道料金を上げてきませんでした。それはやはり自助努力で経営改革に取り組んできたところがあります。平成13年の4月に改定して以来、実質的な値上げは20年余り行ってこなかったところがあります。そうした中料金収入の減少が見込まれる、一方で水道施設の耐震化はしなければなりません。また老朽化対策には多額の資金が必要になり、厳しい経営状況となっています。健全経営を維持していくことは大事です。そして安全で強靭な水道を次の世代に引き継いでいかなければならないと考えています。そのためにはどうしても料金改定が必要で、エネルギー価格の高騰で電気料金の上昇など水道事業経営に影響を与える社会経済情勢の変化を考慮し提出しています。
(記者)
どのように理解を進めていくか?
(市長)
これまで例えば1月15日号の松山市の広報紙に、表裏の印刷物を入れさせていただいた、松山市の広報紙は全てのご家庭に配布していますので、その方法を使い1月15日号と2月1日号と2回配布しています。またさまざまな広報手段でご理解いただけるように努めてきました。これからもやはり皆さんにご理解いただくっていうことは大事ですので、それに努めていきたいと思っています。

【再開発】
(記者)
銀天街の再開発は準備組合が新たな計画を作り、6月に県に提出する方向である受け止めは?
(市長)
いわゆる湊町3丁目C街区地区と言いますけれども、準備組合から令和5年度の早い段階で組合設立の認可を目指すと聞いています。松山市はこれまでの支援を継続するとともに、権利者の意見を直接聞いて対応策を助言するなど事業を後押ししていきたいと考えています。
(記者)
都市計画決定から4年なぜ遅れたか?
(市長)
それは詳しく担当課からご説明したかと思います。われわれの立場からすると民間の開発にはなりますけども、できるだけ後押しをしながら進めていきたいと思っています。
(記者)
政策の進め方に問題はなかったか?
(市長)
民間さんから計画を出してこられて、それについて松山市がお話をさせていただく、この繰り返しをやってきたと思っています。
(記者)
遅れたという認識は?
(市長)
再開発事業は関わる人が多いですから、どうしても時間はかかりがちな傾向はあります。その中で丁寧な議論を積み重ねていくことが大事と思っています。

※質疑応答は内容を要約しています。

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〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7-2 本館3階

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