『明治28年』130周年記念 第71回特別企画展「子規の『明治二十八年』―激動の一年―」を開催します
更新日:2025年7月9日
発表内容
従軍直前の子規
目的
1895(明治28)年は、子規が従来の文学活動を集大成して過去と決別し、命の危機を乗り越えて俳句革新に乗り出した年で、子規の人生はこの年、一大転機を迎えました。
明治28年1月、子規は日清戦争に従軍が内定し、4月に広島から中国の遼東半島の戦場へ渡航しました。戦地の不衛生な環境で病状を悪化させ、帰国の船中で大喀血し、神戸病院に入院します。子規は危篤状態から奇跡的に回復し、再生の喜びを噛みしめ「余命をかけて文学史に正岡の名を残そう」と強く決意します。
その後、子規は8月25日に松山に帰郷します。親友の夏目漱石の下宿「愚陀佛庵」に52日間寄寓して、俳句結社「松風会」の俳人を指導します。
また、『海南新聞』の俳句欄刷新に着手し、俳論「俳諧大要」を執筆して、『日本』と『海南新聞』に連載しました。
こうした松山での俳句革新を漱石の友情が後押ししました。10月19日、子規は三津浜の港を発ち、奈良を旅して東京の根岸の子規庵に帰ります。
帰京し自らの余命の短さを自覚した子規は、12月上旬、高浜虚子に文学事業の後継者になるよう依頼し、断られます。子規は覚悟を決め、たとえ一人でも文学事業をやり抜く決心をします。この明治28年に子規が蒔いた俳句革新の種は、翌年以降、高浜虚子と河東碧梧桐の成長と日本派の台頭、子規庵句会の定着、明治30年1月の俳誌『ほとゝぎす』創刊など、豊かに実を結びました。
特別企画展は、『明治28年』130周年を記念し、国の内外を忙しく飛び回りながら、前半生を集大成し、後半生を踏み出す決意を固めた、子規の激動の一年を振り返り、命がけで取り組んだ俳句革新やそれを支えた仲間との絆を、新しい視点で問い直します。
会期
令和7年8月2日(土曜日)から9月23日(火曜日・祝日)まで
【開館時間】午前9時から午後6時まで 展示室入場は午後5時30分まで
【休館日】 8月5日(火曜日)、19日(火曜日)、26日(火曜日)
9月2日(火曜日)、9日(火曜日)、16日(火曜日)
会場
松山市立子規記念博物館 3階 特別展示室
観覧料
個人500円、団体400円、65歳以上250円、高校生以下無料
関連イベント
●記念講演
【講師】青木 亮人(あおき まこと)氏(愛媛大学教育学部教授)
【演題】人生の挫折と俳句の革命―明治28年前後の正岡子規の偉業について―
【日時】令和7年9月14日(日曜日) 午後2時から午後3時30分まで
【会場】1階視聴覚室 ※入場無料です
●総館長の関連講座
【演題】「子規・「海南新聞」9月1日の俳句革新」
【日時】令和7年8月24日(日曜日) 午後2時から午後3時30分まで
【場所】1階視聴覚室 ※入場無料です
●学芸員のギャラリートーク
【日時】令和7年8月9日(土曜日)、9月20日(土曜日) 午前10時から50分程度
【場所】3階特別展示室 ※聴講に特別企画展の観覧券が必要です
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お問い合わせ
子規記念博物館
松山市道後公園1-30
館長:大石 和可子
担当執行リーダー:平岡 瑛二
電話:089-931-5566
E-mail:sikihaku@city.matsuyama.ehime.jp
