脇差 銘 豫州松山住長国 香坂猪之助 1口
更新日:2012年3月1日
「脇差 銘 豫州松山住長国 香坂猪之助」について
文化財の区分
愛媛県指定有形文化財(工芸品)
指定(登録)年月日
昭和39年3月27日 指定
所在地
松山市南高井町 個人蔵
解説
初代松山城主・加藤嘉明の抱工、三好藤四郎長国の作で、作風は次のとおりである。
長さ 35.8cm 反り1.3cm
形状 片切刃造り、反り高め
地鉄 小板目肌よく詰み
彫、(表)異例の2本樋かき流す(裏)棒樋添樋
刃文 のたれ沸よくつき、金筋、砂流し交る
長国は、山城の名匠・長谷部国信十世の孫で、芸州広島の刀匠・常慶を父として生まれた。はじめ三好宗左衛門安広と言ったが、のち藤四郎長国と改めた。幼くして父に死別し、伯父・播磨守輝廣に養われて鍛刀の技を練り、加藤嘉明の抱工となって松山に住した。
寛永4年(1627年)、嘉明の転封に伴って奥州会津に移り、三好を三吉(善)と改め、寛永9年(1632年)に58歳で彼の地に没したと言われる。
長国の作は、世に会津藤四郎と呼ばれて古刀の名匠・山城の粟田口藤四郎と対照される。この脇差の所持者銘の香坂猪之助は嘉明の家臣と考えられ、作刀の年代は、その作風が師・輝廣に酷似していることから、寛永元年(1624年)銘の脇差よりやや若い時代の作と思われる。
お問い合わせ
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