鉄釉獅子 1対

更新日:2022年2月21日

「鉄釉獅子 1対」について

文化財の区分

愛媛県指定有形文化財(工芸品)

指定(登録)年月日

令和4年2月15日 指定

所在地及び所有者(管理者)

松山市東野4丁目 東山神社

解説

 鉄釉が施された陶製の獅子。松山市東野4丁目の東山神社に奉納された「阿吽」細工物1対で、高さ26センチメートルを測る。二匹の獅子の背中に「奉寄進獅子二疋之内/元禄十丑二月廿四日波賀氏/藤原伴明」の刻銘がある。
 東野は松山藩初代藩主松平定行が隠居所である「東野別墅」を設けた土地であり、桑名から招いた陶工瀬戸助に瀬戸助焼を焼かせたと『松山往来』(明和年間(1764~1788年)成立)は伝える。また、元禄15(1702)年に雲海が記した『玉の石』において、「東野焼茶碗」が紹介されている。
 なお、銘にある「波賀氏」については、宝永元(1704)年成立の『懐中使覧松山役録』に寄合大小姓、十五石、波賀清太夫の記録が残されている。波賀清太夫は、赤穂浪士10名を松山藩が預かった際の記録『吉良上野介殿浅野内匠頭殿一条聞書』の著者として知られる。「波賀氏」と清太夫の関連は明らかではないが、藩士の名が松山藩のお庭焼である東野焼に残されたと解することもできる。
 以上本件は、江戸時代の優れた陶芸技術によるもので、東野焼である可能性がある点や紀年銘資料であることから伊予陶磁史上貴重な資料である。また、奉納年や寄進者の名前も明確な歴史資料としても重要である。

 

お問い合わせ

文化財課(文化財保護担当)

〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階

電話:089-948-6603

E-mail:kybunka@city.matsuyama.ehime.jp

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