刀剣製作技術

更新日:2022年2月21日

「刀剣製作技術」について

文化財の区分

愛媛県指定無形文化財(工芸技術)

指定(登録)年月日

令和4年2月15日 指定

保持者

玉岡 俊行

解説

 日本刀は武器であるとともに美術品で、多くの職人による美と技の結晶の工芸品である。刀剣は刀身と拵につける鐔などの刀装具から構成され、刀身を製作する刀鍛冶と刀身を研磨する研師、刀装具の鐔などの飾り金具を製作する鐔師、鞘や柄を製作する鞘師、柄巻師、塗師、はばきを製作する白銀師など、複数の刀職による分業制により製作される。
 江戸時代の刀鍛冶である長国は寛永初年に加藤嘉明の抱え工となり、松山藩に転封した藩主に従い松山に移住した。長国作の県指定有形文化財の脇差は二口あり、「豫洲松山住長国」と刻されている。享保年間には松山藩の名工として幕府へ推薦された刀匠の和泉大掾藤原国輝が活躍した。藩主松平定喬が大山祇神社に奉納するために製作させた太刀銘国輝は、県指定有形文化財に指定されている。
 またかつて松山市には、刀匠高橋貞次(金市)が刀剣製作技術の第一号として昭和30年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
 鐔製作技術は、刀剣製作の重要な位置を占める工芸技術である。江戸時代に京都を中心に装飾性が発達し、地方色あふれる独自の彫金の装飾技法も加えて製作されてきた。鑿や槌を用いて、金属素地を彫りこんで加飾する布目象嵌を主体とした彫金による鐔製作は芸術上価値が高い。江戸時代には、松山において「伊予正阿弥」派の金工師が活躍し、「豫州松山住正阿弥」の銘のある鐔が制作された。僧曇海が元禄15年(1702)に著した道後温泉観光案内記「玉の石」にも名物の一つとして「正あみの鐔」、近世の地誌『予章雑記』にも名物のなかに「正阿弥鐔」がとりあげられている。藩主松平定喬が大山祇神社に奉納した県指定文化財の黒漆葵五星文蒔絵飾太刀拵の鐔には「正阿弥盛国」の銘があり、美術工芸品的な価値も高い。
 現在、公益財団法人日本美術刀剣保存協会の彫金部門で無鑑査の松山市在住の玉岡俊行氏により、彫金の「象嵌、透かし」技法を駆使した高度な技術により鐔製作が行われている。毎年、鐔を製作し、公募展に出品し、刀剣文化の保存と継承に努めている。 
 
 

お問い合わせ

文化財課(文化財保護担当)

〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階

電話:089-948-6603

E-mail:kybunka@city.matsuyama.ehime.jp

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