市民福祉委員会『こどもの権利について』
更新日:2026年2月5日
調査期間
令和6・7年度
テーマ選定の経緯
平成6年に日本が子どもの権利条約に批准して以降、令和4年6月に「こども基本法」が制定され、こども施策を総合的に推進することを目的に、こども施策の基本理念や地方公共団体の責務等が定められた。その後、「こども家庭庁」の発足を経て、こども施策に関する基本的な方針等を定めた「こども大綱」が令和5年12月に閣議決定され、目指す社会の在り方として、こどもまんなか社会が掲げられた。
そのような中、本市では、令和7年3月に新たに策定した「松山市こども計画」において本市でのこども施策を定め、全てのこども・若者の権利が守られ、健やかに成長、自立できるよう社会全体で総合的にこども、若者、子育て家庭を支援する環境の整備を進めている。
こうした国や本市の動向を踏まえ、こどもの権利保障をさらに充実させるためには、特に、こどもの声を聞き、それを施策に生かす取組や仕組みについて詳細な調査が必要であると考える。このため、閉会中の調査研究テーマを「こどもの権利について」と決定し、こどもの声を尊重し、具体的に政策に反映させる仕組みづくり等を提案することで、こどものウェルビーイングを重視した「こどもまんなか社会」の実現を目指すため、調査研究を行うこととした。
市への主な提言事項
1 理解促進
社会全体でこどもの権利への理解を深めるためには、こどもは生まれながらにして意見表明権をはじめとする様々な権利を有し、権利の主体であることをこども自身や大人へ普及・啓発することが必要である。
- 子どもの権利条約が国連で採択された日やこどもまんなか児童福祉週間などの機会を捉え、幅広くこどもの権利について普及・啓発を行うこと。
- こどもの権利について、幼稚園、保育園、小・中学校等を通じて啓発するなど、幼児期から権利について学ぶことができるようにすること。
- こどもや保護者の利用が多い児童館等の施設の活用や、まちかど講座の内容の充実など、こどもだけでなく大人に対してもこどもの権利について普及・啓発を図ること。
2 意見表明と施策への反映
市政全般においてこどもの意見を聴き、それを施策や計画に反映させるためには、全庁的にこどもの意見を聴くことができる仕組みを整え、その機会を確保するための取組を進めることが必要である。
- こどもの声や生活実態について継続的に調査を行い、得られたデータを各種施策の立案に活用すること。
- 市民意見公募手続き(パブリックコメント)は、こどもがそのまま活用するには難しい面もあるため、こどもの意見表明・参加の機会を確保する仕組みを整え、全庁横断的組織体制を強化・充実させること。
- こどもに関する施策の策定や改正に当たっては、声を上げにくいこどもにも十分配慮するなどこどもアドボカシーの理念を尊重しつつ、こどもが安心して意見や考えを表明できるような意見聴取の機会を確保すること。
- こどもへの市政情報の提供とともに、こどもから聴いた意見の反映状況のフィードバックを行うことを目的とした「こども広報」を発行すること。
3 保障・救済
近年、児童虐待の相談対応件数やいじめの認知件数等が増加傾向にあるなど、こどもの権利が十分に保障されていない現状がある。こどもの権利を保障し最善の利益を守っていくためには、安心して相談ができ、調査・勧告・改善提言の権限を持つ行政から独立した第三者機関の設置が必要である。
- こどもオンブズパーソン等を設置し、こどもに寄り添い、こどもの意見を尊重して問題の解決にあたることができる体制を構築すること。
4 居場所づくり
全てのこどもが安心して自分らしく過ごすことができ、自分の思いを自由に話すことができる居場所は、こどもの権利を保障する基盤となるものであり、行政と地域社会が連携し、地域の中でこどもが受け止められ、支えられる環境を整えることが必要である。
- 新規・既存の公共施設及び民間施設などの地域資源を活用しながら、発達段階に応じて、こどもたちが安心して過ごすことができる居場所の拡充を図ること。特に、中高生に特化した居場所の整備及び寄り添い支援を行う人材の確保については早急に取組むこと。
- 物理的な場所以外にも、オンライン空間を活用した居場所づくりを進め、こどもが居場所を選択できる環境を整えること。
- こどもたちがより安心できる環境を整えるため、こどもの居場所を運営する団体が連携する仕組みづくりを進めること。
- 災害時を想定し、こどもの居場所において、こどもたちの心のケアに配慮した支援体制を構築すること。

