環境企業委員会『水道事業における脱炭素の取組について』
更新日:2026年2月5日
調査期間
令和6・7年度
テーマ選定の経緯
国では、2030年度において温室効果ガスを2013年度比で46%の削減を図るとともに、2050年度までに「脱炭素社会の実現」を目指すという、国際的にも極めて高い水準の目標が示されている。
このような近年の状況、さらには、地球温暖化が気候変動に及ぼす影響などを踏まえれば、地球上のかけがえのない「水」を扱い、公益性が極めて高い事業を担う水道事業の役割として、脱炭素に向けた取組を推進していく必要がある。
そこで、当委員会の閉会中の調査研究テーマを「水道事業における脱炭素の取組について」と決定し、調査研究を進めていくこととなった。
市への主な提言事項
1 脱炭素化に向けた取組の実施について
水道施設における電力消費の大部分は、取水・導水・送水を行う各過程で使用されるポンプ設備等の稼働によるものであり、これまで公営企業局では、これらのポンプを高効率なものに更新することや、庁舎のLED照明への交換などにより電力使用量の削減に努めているが、今後も水道施設にこれらの省エネルギー設備を積極的に導入し、さらなる取組を推進していくことが重要であると考える。
また、水道施設の特性を利用した太陽光発電や小水力発電などの再生可能エネルギーの活用によって生み出された電力を、自らの施設に利用していくこと(自家消費)が有効となる。こうした自家消費では、温室効果ガスの排出抑制に加えて、施設にかかる電気代の一定の削減効果が見込まれる。
よって、太陽光発電については、これまで、かきつばた浄水場と高井神田浄水場に設けているが、今後、設置場所の条件などの課題を整理し、設置拡大を目指すとともに、小水力発電においても費用対効果などを踏まえ、導入の可否について検討する必要がある。
なお、こうした取組を推進するためには、市民の理解や協力を得ることが重要であることから、効果的な周知啓発に努めていただきたい。
以上のことから脱炭素化に向けた取組の実施については、次のように提言する。
(1)省エネルギー設備の推進
令和6年度末時点で、LED化率6%となっている照明設備については「施設照明LED化改修計画」に沿って、令和12年度までにLED化率100%を目指すこと。
また、ポンプ設備の高効率モーターへの取替えやインバータ制御の採用については、機器の耐用年数を踏まえ、更新時期に併せて、効果の検証も行いながら積極的に導入を図ること。
(2)再生可能エネルギー設備の導入
再生可能エネルギー設備については、施設の構造や改築計画も踏まえながら設置可能な候補地を洗い出し、技術的な課題や費用対効果の検証を行い、導入の可否について検討すること。
(3)市民への周知・啓発
脱炭素化に向けた取組について、市民に対して、効果的な周知・啓発に努めること。
2 官民連携手法の活用や有利な財源の確保について
再生可能エネルギー設備を導入する際には、従来、事業体自らが発電設備を建設し、運用と維持管理についても事業体が行っていく方法が取られていたが、近年ではこの方法に加えて、自らが所有する公共の敷地や施設などに、民間事業者が再エネ設備を建設し管理する方法(PPA方式)がある。今後、本市が導入するに当たっては先進都市の導入事例などを研究し、本市にとって最適な導入方法を検討する必要がある。
また、再生可能エネルギー設備の建設には多額の初期投資が必要であり、事業実施者にとって、このコストは大きな負担となるため、有利な財源確保が不可欠である。このため、国土交通省や環境省などの各省庁が設けている導入を支援する制度を有効に活用することが求められる。
以上のことから、官民連携手法の活用や有利な財源の確保については、次のように提言する。
(1)導入方法の検討
他都市の事例を調査・研究し、これまでの自前施工に加え、官民連携によるPPA事業の活用も検討すること。
(2)有利な財源の確保
費用対効果の検討のため、国の補助事業の有効活用や他の事業など、さらなる情報収集等に努めること。

