都市企業委員会『水道事業における震災対策の取り組みについて』
更新日:2016年2月4日
調査期間
平成26年度・27年度
テーマ選定の経緯
将来、発生が危惧されている南海トラフ巨大地震等に対して、かけがえのない市民の生命と財産を守り、事前防災・減災を実現していくためには、社会インフラの老朽化対策や耐震化を推し進める必要があります。
特に、水道はライフラインとして、災害時には飲料水としてだけではなく命を守るさまざまな活動に必要であり、その水量を確保しなければなりません。
しかし、本市の基幹管路の耐震適合率は全国平均を下回っており、大規模災害時には広域的な断水が発生する危険性があることから、基幹管路の耐震化事業を少しでも前倒しすること、また、非常時にも救急医療機関や避難場所で確実に給水できる体制を確立することが最重要課題であると考えられます。
そこで、当委員会では、閉会中の調査研究テーマを「水道事業における震災対策の取り組みについて」とし、地震などの災害に強い水道の構築(ハード面)、国の支援制度、災害時の対応能力の向上(ソフト面)、応急給水拠点における新たな給水方法の4分野について、現状や課題を把握するとともに、その課題解決に向けた水道事業における震災対策について調査研究を行いました。
市への主な提言事項
地震などの災害に強い水道の構築(ハード面)について
- 浄水場から配水池を経由して救急医療機関等の重要施設に至る水道管路の耐震化については、早期完成に向けて再度検討し見直しを行うこと。
国の支援制度について
- 国の補助要件の緩和等による財政支援が実現するよう、中核市市長会などを通じて積極的に国に要望すること。
- 耐震化事業の実施に伴う市民負担の増加を可能な限り軽減できるよう、更なる経営改善に努めること。
- 耐震化事業の実施状況や水道料金に及ぼす影響については、分かりやすく市民へ周知・啓発し水道行政への市民理解を深めていくこと。
災害時の対応能力の向上(ソフト面)について
- 大規模災害に備えた各家庭での自助の取り組みとして、家族分の飲料水1人1日3リットルを3日分以上は備蓄しておくという意識付けを図っていくこと。
応急給水拠点における新たな給水方法について
- 避難所等の応急給水拠点までの水道管路の耐震化計画を早急に策定すること。
- 緊急時の効果的な給水活動が行えるよう関係機関と協議する中で、避難所となる小中学校の理解・協力を得ながら、早期に応急給水拠点の整備を進めていくこと。