文教消防委員会『学校生活における子どもの安全確保について』
更新日:2020年2月6日
調査期間
平成30・令和元年度
テーマ選定の経緯
平成13年大阪府池田市でおきた大阪教育大学附属池田小学校事件や、平成30年におきた大阪北部地震における大阪府高槻市での小学校ブロック塀倒壊事故、新潟市小学校2年生女児殺害事件など、全国で子どもが犠牲となる痛ましい事件、事故が相次いで発生しています。
そこで、これらの事例を教訓として、二度と同じような事件・事故を起こさせないよう、登下校時を含めた学校生活における子どもの安全確保策についての調査研究を行うことが必要と考え、当委員会の閉会中の調査研究テーマを「学校生活における子どもの安全確保について」と決定しました。
市への主な提言事項
関係部局と連携した通学路にある民間所有のブロック塀の安全対策
(1)地域住民の協力を得ながら、引き続き関係者が連携して定期的に通学路のブロック塀を点検し、安全性を確認すること。
(2)ブロック塀の安全点検や適正な維持管理を、所有者に引き続きはたらきかけること。インターネットを通じて情報を得ることが困難な所有者への対策として、口頭による注意喚起、周知啓発に取り組むこと。
(3)市として国の補助制度を積極的に活用した民間所有の危険なブロック塀の安全対策に取り組むこと。
通学路の危険箇所の情報を集約したマップの作成
子どもが事件、事故に巻き込まれる危険性が高い箇所、例えば人通りが少なく死角となる場所や、交通違反・事故が多い箇所の情報を集約したマップを作成すること。
地域や企業と連携した子どもの見守り
(1)登下校の見守り活動の担い手の高齢化や、担い手不足が課題となっていることから、意欲や関心のある担い手の掘り起こしに取り組むこと。
(2)新たな見守りの担い手として、登下校の時間帯に通学路上で業務をおこなっている民間企業に、業務をしながら日常こどもの見守りに関わっていただく、見守り協定を結ぶこと。
(3)学校の危機管理マニュアルの作成等において、見守り員との連携、情報共有を図ること。
防犯教育と不審者対策の充実
(1)自らが適切に危険を予測し、回避する行動をとれる子どもの育成を図るため、防犯教育の一層の充実に取り組むこと。
(2)校舎内に侵入した不審者への対応方法の学びや、教職員一人ひとりの安全意識の高揚を図る訓練に引き続き取り組むこと。
学校への携帯電話の持ち込みの検討
文部科学省の平成21年の通知も踏まえ、松山市は小・中学校への携帯電話の持ち込みは原則禁止とし、保護者の申請によって例外的に認めている。
携帯電話の学校への持ち込みについては、子どもの健康面への影響、SNSによるいじめや歩きスマホによる事故の危険性、学校での携帯電話の管理方法、教育活動への影響、携帯電話を持っていない子どもとその家庭への影響等、様々な課題が認識されるものの、登下校時の不審者対策や、有事の際の子どもと保護者間の安否確認及び避難・帰宅先の情報共有の円滑化、教員による連絡業務の負担軽減が図られることから、保護者が携帯電話を持たせたい時には、学校への持ち込みを可能とすることについて、携帯電話の適切な使い方や保管方法等に関するルールとあわせて、改めて検討すること。