太山寺本堂 1棟

更新日:2021年4月27日

太山寺本堂(たいさんじほんどう)」について

太山寺本堂 1棟

文化財の区分

国宝(建造物)

指定(登録)年月日

昭和31年6月28日 指定

所在地及び所有者(管理者)

概要

 太山寺は真言宗智山派、四国八十八か所52番札所である。寺伝によると、その沿革は遠く飛鳥時代用明天皇(585年~587年)の代にさかのぼり、朝廷の尊崇も厚かったという。

 本堂の建物は、昭和27年(1952年)の解体修理によって、嘉元3年(1305年)の再建と判断されたが、内陣の床下からは焼土が発見され、その以前に火災によって焼け落ちた事実も判明した。当時、架構の面で五間堂から格段の発展を遂げた七間堂が出現するが、その全国的にも稀少な遺構の一つで、桁行(正面)7間、梁間9間、一重、入母屋造、二軒(ふたのき)、本瓦葺である。その9間梁行に大きく妻壁を置いての入母屋造は雄大な屋根の広がりを見せ、密教本堂としては全国屈指の規模を誇る。 柱・梁などの木組みは大きく、豪放な規模を持つとともに、和様を基本にしながら、虹梁とその挿肘木には大仏様(だいぶつよう)の手法が併用されるなど、折衷様(せっちゅうよう)としての表現力にも優れている。またこの頃になって初めて現れた「六枝掛(ろくしが)け」(図2参照)という、斗きょうと垂木(たるき)の割り付けから柱間隔が決められてゆく技法も明らかに認められる。さらにその内陣が土壇となっているのは、当時の密教本堂としては珍しく、正面柱間の中備(なかぞなえ)に置かれた蟇股(かえるまた)は、鎌倉時代の力強い作風を示す代表作と評価されている。

 この建物の柱間寸法は2通りに分類されるが、1尺=0.3485mという尺度を当てはめると、それぞれ6.0、7.0尺に該当する(図3参照)。さらに6尺の柱間には12本の垂木が、7尺の柱間には14本の垂木が割り付けられる。この現象は先の「六枝掛(ろくしが)け」という枝割(しわり)制が出現した結果、従属的に1尺=0.3485mという独特の尺度が生じたもので、この技法を研究・説明するためには好個の材料である。

お問い合わせ

文化財課(文化財保護担当)

〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階

電話:089-948-6603

E-mail:kybunka@city.matsuyama.ehime.jp

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