松山城紫竹門　1棟

重要文化財（建造物）

昭和10年5月13日　指定

松山市丸之内（外部サイト）　松山市
連絡先：松山城総合事務所（電話番号089-921-4873）

　この門は、本丸上の大手と搦手(からめて)を仕切る門で、本壇上の小天守の南真下に北面して建つ、一門一戸の脇戸付高麗門である。軒は一重、軒裏化粧顕し、屋根は本瓦葺である。両翼にそれぞれ紫竹門東塀及び同西塀が接続する。北を正面とし、門の構えは搦手に備えられているが、これを出た直後の小天守の石垣下には土壇があり、紫竹が植えられていた。この竹の茂みに隠れて、逆に本丸広場方面を観察する仕組みも持つのでこの名がある。このため扉は横板張りの上下を堅格子(たてごうし)としてあり、築城時の弾力的な兵力運用の配慮が偲ばれる。
　扉上部は格子欄間である。慶長期の建物との見方もあったが、古文書の建物寸法と現況寸法とに差異があること、木肌の風化度も他の慶長期の建物と比較して新しいことなどから、天守が焼失した天明4年（1784年）の落雷で焼失し、嘉永年間（1848年～1854年）の再建と見るべきであろう。この門を過ぎて左折すると、搦手の本丸入口の乾門(いぬいもん)に達する。