Hib感染症の定期予防接種
更新日:2025年5月15日
疾病の概要
Hib感染症の概要
Hib感染症は、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenza type b)という細菌によって発生する病気で、そのほとんどが5歳未満で発生し、特に乳幼児で発生に注意が必要です。
主に気道の分泌物により感染を起こし、症状がないまま菌を保有(保菌)して日常生活を送っている子どもも多くいます。この菌が何らかのきっかけで進展すると、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎等の重篤な疾患を引き起こすことがあり、これらを起こした方のうち3~6%が亡くなってしまうといわれています。また、特に髄膜炎の場合は、生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すといわれています。
ワクチンについて
使用するワクチン
現在、わが国で接種されているHibワクチンは、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)です。
Hibワクチンの抗原は、莢膜多糖であり、B細胞が未熟な乳幼児では免疫原性が低いため、破傷風トキソイド(キャリア蛋白)との結合体がワクチンとして使用されます。
Hibワクチンについては、単味のHibワクチンまたは五種混合ワクチンが使用できます。
五種混合ワクチンは、百日せき・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオワクチンの各ワクチンとHibワクチンを混合したワクチンであり、2024年4月から定期接種での使用が可能となりました。
※※※ 「五種混合ワクチン」については、こちらの「五種混合の定期予防接種(松山市ホームページ)」をご確認ください。 ※※※
効果とその持続
期待できる効果
Hibによる髄膜炎や髄膜炎以外の侵襲性感染症を減少する効果が期待できます。
Hibワクチンは我が国を含め世界の多くの国々で現在使用されており、その結果、Hibによる髄膜炎症例は激減しています。
米国CDCによれば、1990年代からHibワクチンを定期的に使用したことにより、5歳未満の子どものHib感染症は99%減小し、10万人に1人より小さい発生率になったと報告されています。
また、我が国においても、2008-2010年とHibワクチン定期接種化後の2014年を比較すると、インフルエンザ菌髄膜炎の5歳未満人口10万人あたり罹患率が、7.7から0.0に100%減少し、インフルエンザ菌による髄膜炎以外の侵襲性感染症の罹患率が5.1から0.5に90%減少しました。
効果の持続について
ワクチンの効果の持続期間は、集団免疫効果や自然ブースター効果などのため正確に求めることは難しいですが、Hib単味ワクチンの知見として、6年後までは予防効果が高く保たれるという報告や、8年間持続するという報告があり、これらのデータから、0歳~1歳時に接種した場合、少なくともヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)感染症のリスクが高い5歳未満までは効果が持続することが期待されます。
定期予防接種について(対象者、回数、受け方、必要なもの)
対象者
松山市に住民登録があり、生後2か月以上60か月(5歳)に至るまで(5歳の誕生日の前日まで)の方。
接種回数(「単味のHibワクチン」で実施する場合)
- 初回接種として、生後2か月以上7か月未満の方に対して、4週間から8週間(医師が必要と認めた場合は3週間)の間隔で3回皮下に接種する(1回につき接種量は0.5mL)。
- 追加接種として、3回目の接種後おおむね1年の間隔で1回皮下に接種する(接種量は0.5mL)。
注意事項(接種開始年齢により、接種回数が異なります)
単味のHibワクチンを用いて接種する場合、接種開始が生後7か月以降となった際は、以下のように接種回数を減らす方法により接種を行うこととなります。
- 接種開始年齢が、生後7か月以上12か月未満の場合
- 初回接種:通常、2回、4~8週間の間隔で皮下に注射します(1回につき0.5mL)。ただし医師が必要と認めた場合には3週間の間隔で接種することができます。
- 追加接種:通常、初回接種後おおむね1年の間隔をおいて、1回皮下に注射します(0.5mL)。
- 接種開始年齢が、1歳以上5歳未満の場合
- 1回皮下に注射します(0.5mL)。
予防接種の受け方
予防接種は、接種実施医療機関で受けます。体調の良い時に接種をしてください。
接種時に必要なもの
- 予防接種手帳
- 母子健康手帳
松山市の「定期接種」の「接種実施医療機関一覧」
松山市の「定期接種」の「接種実施医療機関一覧」については、こちらをご確認ください。
任意接種について
上記「(定期接種の)接種対象者」ではない方が、「任意接種(予防接種法に基づく定期接種以外にワクチンを接種すること) 」を希望される場合は、必ず、事前に医療機関へ連絡し、任意接種について確認してから、医療機関へ行ってください。
予約等が必要です。お日にちに余裕をもって、連絡やスケジュール等を組んでください。
松山市ホームページ
お問い合わせ
保健予防課 予防接種担当
〒790-0813 愛媛県松山市萱町六丁目30-5 松山市保健所 1階
電話:089-911-1858
