俳都松山宣言
更新日:2015年12月22日
第17回俳句甲子園記念シンポジウム「俳都松山宣言~17音が世界を変える~」
俳句の基本音数は17音。松山の夏の風物詩「俳句甲子園」が第17回大会という節目を迎えた事を記念し開催したシンポジウムにおいて、俳都松山宣言を発表しました。
俳都松山宣言
約150年前に松山に生まれた正岡子規。彼が興した俳句革新運動は、様々な個性に彩られた子規山脈を築き、今や俳句は、日本の誇る最短詩として世界の人々を魅了しています。そして、この松山の地から起こった俳句甲子園は、現代の若者たちに俳句の多様性を示し、新たな教育的価値を創造し、若き俳人を生み出し続けています。
俳句に親しみ、俳句を楽しみ、俳句を愛するまちとしての誇りと、俳句の可能性を広めゆく俳都としての意識を新たにした今日、私たちはここに胸を張って「俳都松山」を名乗ります。広く豊かな裾野が育ってこそ、高く美しい山が生まれるのだという信念を掲げ、俳句を楽しみ尽くす好奇心をエネルギーとした正岡子規の革新精神を受け継ぎ、世界へ向かって、百年後の未来へ向かって、俳句の風を絶やさず起こし続けることをここに宣言いたします。
平成26年8月25日
松山市長 野志克仁
シンポジウムの内容
第1部 基調講演「世界から見た俳句の魅力」
日本文学に通じ、俳人として松山とも縁あるラーシュ・ヴァリエ駐日スウェーデン大使(平成26年8月31日退任)から「世界から見た俳句の魅力」と題した基調講演をいただきました。スウェーデン俳句の季節感や俳壇の現状などにユーモアを交えた講演は、観客の笑い声と大きな拍手の中終了しました。今回の来松が最後の公務となった大使に、松山市長から、大使の句集「冬の月」中の「飛魚の潮のしぶきよ船窓へ」を扇にしたためた記念品が贈呈されました。
第2部 パネルディスカッション「俳句の風」
第2部では年齢、経歴の違うパネリスト 高野ムツオ氏、岸本尚毅氏、神野紗希氏 3名が登壇しました。俳句との出会いや俳句甲子園に対する考えや、俳都・松山に対する期待が、夏井いつき氏の進行によってそれぞれの口から語られました。
特別エキシビション「俳句対局」
ディスカッションの後には、松山で生まれた新しい俳句の楽しみ方「俳句対局」のエキシビションマッチが行われました。対局は別室において行われ、解説の家藤を加えた壇上の5名と参加者約500名は講堂にて観戦し、対局の様子は、将棋や囲碁のテレビ放送の様に、講堂内に生中継されました。対局者2名が持ち時間6分間で、各々3句を交互に出していくたび、観客からは驚きの声があがりました。
講堂ではパネリスト達が、対局者の俳句を採点。対局終了後に早速点数をあけると、観客からはため息、歓声、笑い声が起きました。俳句を楽しむ新たな試みは、大好評のうちに終了しました。
フィナーレ 「俳都松山宣言」の発表
シンポジウムの締めくくりとして、これまでとこれからの松山の俳句に対する関わり方を宣言する「俳都松山宣言」が松山市長(夏井いつき氏代読)より発表されました。
パネルディスカッションにおいて高野ムツオ氏より「松山は歴史文化からしても俳句の中心地であることは間違いない。だからといってリーダーシップやイニシアティブを掲げて姿勢を強くしていってほしくない。俳句って素晴らしいんだよっていうことを、たくさんの人に知ってもらうこと、楽しんでもらうことを、広めていってほしい。」というエールをいただきました。
このエールと宣言文を胸に抱え、松山市はこれからも俳句甲子園や俳句対局など、俳句の魅力を伝える活動を継続的に実施していきたいと考えています。
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