八束家住宅主屋
更新日:2021年5月12日
「八束家住宅主屋 」について
主屋南面(右手が茶室入口)
一室洋館東面
文化財の区分
国登録文化財(建造物)
指定(登録)年月日
平成27年8月4日 登録
所在地及び所有者(管理者)
松山市持田三丁目242-1(外部サイト) 個人所有
解説
八束家住宅主屋は、昭和11年の建築で、本格的な茶室と「一室洋館」を持つ木造住宅である。別棟としては、南に待合、北西に蔵が附属する。
主屋は全体として数寄屋風の仕上げで、東面する玄関はかけ込み天井とし、下地窓を設ける。玄関奥には、8畳の居間、座敷が並び、奥行4尺5寸の縁を通し、庭に面する。この縁は畳を横向きに敷き並べ、残りの1尺5寸を縁甲板張りにしており独特である。その他、欄間や書院の障子などに個性的なデザインが採用されていることもこの建物の特徴である。
玄関の北側には、10畳の洋室を持つ。この洋室は建築当初から計画的に組み入れられたもので、内装や外装、屋根も他の部分と異なり洋風の材料を使用するほか、天井も高く取っている。同時期の周辺の住宅にもこのような「一室洋館」を持つものが多く、大正ロマンの名残として流行したものと思われる。
また、玄関に南側には、4畳半台目でにじり口を持ち、3畳のコマを備える茶室が設けられているが、茶室部分の屋根は銅版葺きで、腰は杉皮張りにするなど、本格的な茶室を意識した作りとなっている。
お問い合わせ
文化財課(文化財保護担当)
〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階
電話:089-948-6603