木村家住宅主屋
更新日:2021年5月12日
「木村家住宅主屋」について
正面外観
1階座敷
文化財の区分
登録有形文化財(建造物)
指定(登録)年月日
平成31年3月29日 登録
所在地及び所有者(管理者)
松山市三津一丁目(外部サイト) 個人所有
解説
木村家住宅主屋は、明治14年(1881年)、藤内庄兵衛により廻船業と船道具の店として建築された。明治23年(1890年)藤内家より木村家に売却され、店舗兼用住宅として利用された。大正期に2代当主木村又三郎により1階土間周りの改築が行われたほかは大きな改変は受けていない。なお、老朽化に伴い、平成29年(2017年)に屋根が本瓦から桟瓦に葺き替えられたほか、内部の土壁、壁紙の改修と外部の腐朽材取替、古色塗が行われた。
平面は、南側に通り土間が裏側まで通り、北側に店・中の間・座敷の3部屋が並ぶ一般的な町屋の形式である。大正初期に通り土間の端部出入り口右に女中部屋、中の間と座敷の土間側に事務室と茶の間を設ける改築を行っている。
2階へは中の間の箱階段から上がるが、通り側につし(物置)、中央に中の間と寝間、東側に座敷となっている。座敷は、遠方からの商用客の宿泊に使われたと伝えられ、床の間、欄間付書院、地袋・違い棚をもつ床脇、上部に一間幅の神棚が設けられる。つしは小屋組を登り梁とし、収納として高い空間を取る工夫が見られる。
切妻造桟瓦葺平入で、1階は板張、2階は立ちが高く、木軸を現しにした真壁造りであり、ともに出格子窓とする明治期らしい正面外観は湊町三津の歴史的景観に寄与している。
