軽度者に対する福祉用具貸与(例外給付)

更新日:2023年1月27日

「福祉用具サービス計画作成ガイドライン」(平成26年3月策定)の活用

本ガイドラインを積極的にご活用いただき、福祉用具に関するサービスのより一層の質の向上を図るよう努めてください。
詳しくはこちらをご覧ください。

あらまし

軽度者(※)の福祉用具貸与については、その状態像から使用が想定しにくいため、車いすや特殊寝台などは保険給付の対象外となっています。
 ただし、その判断は、要介護・要支援認定の認定調査票(基本調査)の直近の結果、または貸与を受ける者が、下表の厚生労働大臣が定める特定の状態像(※)であると医師が判断し、その医師の判断(医学的な所見)を踏まえて行われたサービス担当者会議等を経た適切なケアマネジメントが行われていることを保険者(松山市)が事前に確認している場合に限り例外給付が認められます。つまり、必要性が認められる一定の状態にある被保険者については、例外的に保険給付の対象として福祉用具貸与が認められています。
※要介護1、要支援1・2の被保険者。ただし、自動排泄処理装置については要介護2・3の被保険者も含む。

※厚生労働大臣が定める特定の状態像

特定の状態像
  状態像
(1) 疾病その他の原因により、状態が変動しやすく、日によって又は時間帯によって、頻繁に第95号告示第25号のイに該当する者
  • パーキンソン病の治療薬によるON・OFF現象
(2) 疾病その他の原因により、状態が急速に悪化し、短期間のうちに第95号告示第25号のイに該当するに至ることが確実に見込まれる者
  • がん末期の急速な状態変化
(3) 疾病その他の原因により、身体への重大な危険性又は症状の重篤化の回避等医学的判断から第95号告示第25号のイに該当すると判断できる者
  • ぜんそく発作等による呼吸不全
  • 心疾患による心不全
  • 嚥下障害による誤嚥性肺炎の回避

例外給付可否の判断基準

第95号告示第25号のイに定める状態像の者と例外給付可否の判断基準

福祉用具の種目

第95号告示第25号の

イに定める状態像の者

例外給付可否の判断基準

基本調査結果が

下記に該当すれば給付可

(この場合、松山市への事前確認は不要)

基本調査結果で

判断できない場合

車いす・

車いす付属品

※次のいずれかに該当する者

(1) 日常的に歩行が困難な者

基本調査1-7

「3.できない」

(2) 日常生活範囲において移動の支援が特に必要と認められる者

主治医から得た情報及び福祉用具専門相談員等の参加するサービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより指定居宅介護支援事業者が給付可能と判断すれば可

特殊寝台・

特殊寝台付属品

※次のいずれかに該当する者

(1) 日常的に起き上がりが困難な者

基本調査1-4

「3.できない」

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

(2) 日常的に寝返りが困難な者

基本調査1-3

「3.できない」

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

床ずれ防止用具・体位変換器

日常的に寝返りが困難な者

基本調査1-3

「3.できない」

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

認知症老人徘徊感知機器

※次のいずれにも該当する者

(1) 意思の伝達、介護者への反応、記憶又は理解に支障がある者

基本調査3-1

「1.意見を他者に伝達できる」以外

又は、

基本調査3-2~3-7のいずれか

「2.できない」

又は、

基本調査3-8~4-15のいずれか

「1.ない」以外

又は

主治医意見書に認知症の症状がある旨の記載

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

(2) 移動において全介助を必要としない者

基本調査2-2

「4.全介助」以外

移動用リフト

(つり具の部分を除く)

※次のいずれかに該当する者

(1) 日常的に立ち上がりが困難な者

基本調査1-8

「3.できない」

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

(2) 移乗が一部介助又は全介助を必要とする者

基本調査2-1

「3.一部介助」

 又は

「4.全介助」

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

(3) 生活環境において段差の解消が必要と認められる者

主治医から得た情報及び福祉用具専門相談員等の参加するサービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより指定居宅介護支援事業者が給付可能と判断すれば可

自動排泄処理装置(尿のみを吸引するものを除く)

※次のいずれにも該当する者

(1) 排便が全介助を必要とする者

基本調査2-6

「4.全介助」

松山市へ事前確認を行い、

承認を得れば給付可

(2) 移乗が全介助を必要とする者

基本調査2-1

「4.全介助」

松山市への事前確認の方法(松山市の取り扱い)

事前確認を行える者

  • ケアプランを作成した地域包括支援センターの職員
  • 介護予防支援を委託されている居宅介護支援事業所のケアマネジャー
  • 居宅介護支援事業所のケアマネジャー

確認方法と承認の有効期間

  • 原則、介護保険課の窓口に提出してください。松山市の確認後、承認する場合は受付印を押して返却します。
  • 例外給付の有効期間は、松山市が承認する日から認定の有効期間満了日までです。
    ※遡及はできません

    (翌月以降に貸与を予定している場合は、貸与開始月の初日から適用となります)

事前確認が必要なタイミング

事前確認が必要なタイミング
事例 時期

軽度者に該当する方が保険給付対象外の福祉用具貸与を利用しようとするとき

  • 原則、福祉用具貸与を開始する前に事前確認の承認を得ておく必要があります

貸与継続のとき

  • 原則、認定更新期間が終了する前日までに事前確認の承認を得ておく必要があります
要介護認定又は要支援認定が申請中のとき
  • 申請済であれば、認定前でも事前確認が可能です。
    ※要介護認定又は要支援認定の結果が判定された後に提出する場合、承認の有効期間の開始日は、松山市が承認する日以降となりますので、ご注意ください

貸与種目の追加・変更するとき

  • 原則、福祉用具貸与を開始する前に事前確認の承認を得ておく必要があります
  • 特殊寝台付属品のみの追加・変更の場合は事前確認不要です。但し、前提として特殊寝台本体について事前確認の上、松山市の承認を得ている必要があります。※車いす付属品についても同様の取り扱いとします。

既に車いす、特殊寝台を使用している場合で、これらについて介護保険の給付を受けていないが、車いす付属品、特殊寝台付属品のみの貸与をしようとするとき
※詳しくは、介護保険事業者向けQ&Aをご参照ください

  • 原則、福祉用具貸与(この場合、車いす付属品、特殊寝台付属品のみ)を開始する前に事前確認の承認を得ておく必要があります
既に事前承認を得ている特殊寝台を3モーター以上のものに変更しようとするとき
  • 原則、福祉用具貸与を開始する前に事前確認の承認を得ておく必要があります

但し、次の場合はやむを得ない場合として確認の届出日自体を遡及して取り扱いますので、届出時にお申し出ください。但し、3.の場合は、事前にご相談ください。

  1. 閉庁日(土日・祝祭日)付の届出は、翌開庁日に提出されれば直前の開庁日まで遡及して取り扱います
  2. 転入してすぐに保険給付対象外の福祉用具貸与を開始した場合は、転入手続後、速やかにご提出いただければ、転入日まで遡及して取り扱います
  3. その他やむを得ない事情がある場合

※ 認定有効期間の途中で居宅介護支援事業所(地域包括支援センター)の変更が生じた場合は、事業所間の確実な引継ぎを行ってください。 事業所の変更が生じた日が属する認定の有効期間中は、前居宅介護支援事業所(地域包括支援センター)が提出した確認申請を変更後の事業所が行ったものとみなします。ただし、必ず事業所間で「軽度者の例外給付による福祉用具貸与を利用している」ことについて、十分に情報を共有(関係書類の写し等を入手する等)し、また、実際にサービスを提供する福祉用具貸与事業所とも十分連携をとるなど適切な措置をとってください。

事前確認に必要な書類

事前確認に必要な書類

必要書類

(※いずれもコピーで可)

書類の例

松山市の

主な確認点

(1)

特定の状態像の(1)から(3)までのいずれかに該当する旨が、医師の医学的な所見に基づき判断されていることがわかる書類

※次のいずれか一つ

  • 主治医意見書
  • 医師の診断書
  • 医師の所見・必要とされる福祉用具の種類・医師の署名等が記載された書面
  • 居宅サービス計画第4表「サービス担当者会議の要点」や介護予防支援経過記録に、介護支援専門員が聴取した医師の所見を記載したもの
  • 特定の状態像の(1)から(3)までの状態
  • 疾病その他の原因
  • 医師の病院名、氏名(医師の所見を聴取した場合は聴取年月日)
  • 貸与品目及び付属品等
    特殊寝台については、確認事項に「モーター数」を追加しています。 3モーター以上を使用の場合は、必要な理由を必ずお尋ねしますが,1~2モーターの場合も必要な理由やモーターの使用状況等をお尋ねする場合があります。
  • その他の記録内容
  • 福祉用具貸与計画書の内容
    ※原則、署名・捺印欄は必須ではありませんが(空白のままで可) 、承認の後、必ず『被保険者本人による自署』又は『代理人(家族等)の署名・捺印』により、同意が必要です。

(2)

サービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより福祉用具貸与が特に必要である旨が判断されていることがわかる書類

※要介護・要支援認定結果に応じて、いずれか一つ

  • 居宅サービス計画第4表「サービス担当者会議の要点」
  • 介護予防支援経過記録

(3)

福祉用具貸与事業所が作成した

福祉用具サービス計画書

※平成25年4月1日届出分から必要


(4)

課題整理総括表(松山)
※ 令和2年4月1日の福祉用具貸与分から必要

 

よくあるご質問(Q&A)

Q&A
タイトル 質問 回答
事前確認の時期について 事前確認はいつまでに提出したらよいのですか。

 原則、貸与開始前に提出してください。
 末期がん患者の急な退院等により早急な対応が必要な場合で、事前確認が間に合わない場合は、貸与前に必ず介護保険課にご連絡ください。
 なお、認定が遅れたため、更新(変更)前の要介護認定の有効期間の満了直前または満了後(経過後)に新たに軽度者に該当するに至った場合などで届出に必要な書類を準備する期間が十分に確保できない事情が生じた際にも、速やかに介護保険課にご連絡ください。
 こうした事前の連絡もなく松山市による事前確認の承認が遅れた場合は、承認日より前の貸与について全額自己負担となりますので、注意してください。

承認の有効期間について 一度手続きをすれば、ずっと貸与を受けることが出来ますか。

 承認の有効期間は、認定期間を基準としています。
認定が変わるたびに改めて手続きが必要ですので、再手続きをしないまま貸与を受けることは出来ません。

医師の医学的な所見について

主治医意見書を記入した医師と、福祉用具が必要な状態(疾患)を診察している医師が違います。どうしたらよいのですか。

 福祉用具を必要としている状態を判断できる医師の意見であれば主治医意見書を記入した医師でなくてもかまいません。状況に応じて判断してください。

医師の医学的な所見について

医師から必要な情報を得られません。どうしたらよいですか。  例外給付が特に必要であると判断されるには、医師の医学的な所見が不可欠であるため、情報の不足があった場合には例外給付の対象となりません。

自動排泄処理装置について

自動排泄処理装置について教えてください。

 平成24年3月31日までは「特殊尿器」として福祉用具購入対象でしたが、平成24年4月改正以降は、「自動排泄処理装置」として本体部分が貸与対象、交換可能部品については購入対象に変更されました。
 自動排泄処理装置(尿のみを吸引するものを除く)の貸与に関しては、原則として要介護4または要介護5の者のみ対象です。したがって、自動排泄処理装置(尿のみを吸引するものを除く)については、要介護3以下の場合は、軽度者の例外給付としての取り扱いが必要です。

介護保険事業者向けQ&A

各事業者の方々からよくいただくご質問等を掲載しておりますので、日々の円滑な業務にご活用ください。

 なお、修正等が生じた場合は、適宜、回答内容を更新しますが、最新及び詳細については外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。厚生労働省(介護・高齢者福祉)(外部サイト)外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。福祉・保健・医療情報 - WAM NET(ワムネット)(外部サイト)でご確認ください。

介護保険事業者向けQ&A
タイトル 質問 回答
【福祉用具貸与】 介護保険の給付を受けずに車いす、特殊寝台を使用している者が、車いす付属品、特殊寝台付属品のみの貸与を受けた場合でも、介護保険の給付対象となるか。

既に車いす、特殊寝台を使用している場合には、これらについて介護保険の給付を受けているか否かにかかわらず、車いす付属品、特殊寝台付属品のみの貸与について保険給付を受けることは可能です。ただし、付属品のみの貸与であっても例外給付の対象となりますので、ご注意下さい。
(WAM-NET Q&A)

【福祉用具貸与】

車いすの付属品であるクッションだけをレンタルしてもよいか。

車いす付属品とは、車いすと一体的に使用されるものに限られ、付属品のみでは介護報酬は算定できません。また、一体的に使用されるものとは、車いすと付属品のクッションを併せてレンタルする場合のほか、車いすをレンタルでなく既に所有している場合も含みます。なお、入浴用リフトのクッションとして、車いす付属品のクッションをレンタルする場合は、一体的に使用しているとはいえずレンタルの介護報酬は算定できません。

介護保険事業者向け算定及び請求に関する留意点

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お問い合わせ

介護保険課 介護給付担当
〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7-2 別館2階
電話:089-948-6885・6924  FAX:089-934-0815
E-mail:kaigo@city.matsuyama.ehime.jp

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