釣島灯台 1基2棟

更新日:2024年1月19日

釣島灯台(つるしまとうだい)」について

文化財の区分

重要文化財(建造物)

指定(登録)年月日

令和6年1月19日 指定

所在地及び所有者(管理者)

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。松山市泊町(外部サイト) 国(海上保安庁)、松山市

解説

  • 文化財の名称及び員数並びに構造形式
    (つる)(しま)灯台(とうだい)     
     灯台(とうだい)  1基 石造及び金属製、建築面積46.12平方メートル、高さ9.9m
     旧官舎(きゅうかんしゃ) 1棟 石造 建築面積170.54平方メートル、桟瓦葺
     旧倉庫(きゅうそうこ) 1棟 石造 建築面積55.69平方メートル、桟瓦葺
     附 石垣(いしがき)      2所 北方折曲り延長75.3m、石階段を含む、南方折曲り延長70.4m
        旧日(きゅうひ)時計(どけい)  1基 
        断簡類(だんかんるい) 200点 
        地図    1枚 

  • 所在地
    愛媛県(えひめけん)松山市(まつやまし)泊町(とまりちょう)1433番1、2

  • 所有者
    釣島灯台       国(海上保安庁)
    旧官舎及び旧倉庫 松山市

2.特徴
 釣島は、伊予灘と安芸灘の境界、釣島水道に浮かぶ周囲2.6km、標高152mの小島である。釣島灯台は、島の北西、海抜51.8mの東西北に開けた高台に位置し釣島水道を一望できる。
 慶応4(1868)年6月に来日したイギリス人土木技師リチャード・ヘンリー・ブラントンは、江戸幕府と英仏米蘭との間に結ばれた「改税約書」に基づく灯台の建設に続き、灯台建設予定地の調査に着手した。工事は工部省を主体としブラントンの指導監督により行われ、起工は明治4(1871)年4月、竣工は同6年6月で、初点灯は同6年6月15日である。建設後は、灯器の交換や付属舎仕切壁の撤去などの改変が行われたが、全体として旧状を良好に保ち現在も航路標識として機能している。 
 灯台敷地は、花崗岩切石布積み石垣により南北2段に区画され、南側後背は、角閃安山岩割石乱積み石垣により区画される。南側下段に灯台が建ち、北側上段に旧官舎と旧倉庫が立地する。この配置は、明治12(1879)年3月付の地図と一致しており当時から原位置を保っていることが明らかである。
 釣島灯台は、石造灯塔の上に鉄製灯室と銅製2重丸屋根の灯籠が載り、灯塔一階の北側に陸屋根の石造扇形付属舎が付属する構造で、全体を白色塗装で仕上げる。海面から灯火までの高さは58.2m、光達距離は白光20.5海里、赤光18.5海里を図る。灯塔は外径4.5m、厚さ約1mの花崗岩切石積みで構築する。灯籠は、鉄製胴壁上に載る直径3.2mの円筒部と銅製ドーム屋根からなり、円筒部には三角格子状の骨子にガラスを嵌める。胴壁内部中央にはチャンスブラザーズ社1872年製造の鉄製灯器台を設置する。胴壁外部には当初の鉄製手摺が残る。付属舎は外径11.2m、壁厚は0.61mで、半円形の両端南面に両開き戸、3か所に鎧戸付2連上げ下げガラス窓を備え、北面窓の西隣に暖炉を設え、当初のイギリス製焚口金物が残されている。
 旧官舎及び旧倉庫は、昭和38(1963)年の無人化後は荒廃していたが、平成7(1995)年1月13日、松山市が土地と共に国有財産払下げを受け取得、5月30日からは解体格納工事に着手、6月29日付で松山市指定有形文化財(建造物)に指定した。解体後は、復原工事を行い平成9(1997)年10月31日に竣工した。 旧官舎は、建築面積170.54平方メートル、高さ7mの石造、平屋建、寄棟造桟瓦葺で、北面して立つ。正面背面共に中央に玄関と石段を配する。花崗岩切石布積の躯体にクィーンポストトラスの寄棟洋式小屋組を載せる。内部は、玄関をつなぐ中央を廊下とし、西に二区画6室、東に三区画6室を配置し、天井及び壁は漆喰塗、各部屋には床巾木、開口部に額縁を廻し、窓廻り羽目板張り。額縁、巾木、扉、窓枠等の木部化粧部分は全て木目塗を施す。四隅の4部屋には暖炉と物置を備えており、暖炉には当初のイギリス製焚口金物が残されている。旧官舎の壁面からは、漆喰壁の下張として袋張りされていた文書が発見された。文書は修復整理した結果、200点を数えた。下張文書はその内容から、日誌125点、備品台帳39点、その他雑記36点に分類することができる。日誌は、明治5年9月1日から明治9年12月1日までのものが存在しており、天候・出来事・船の動向・お雇い外国人と官吏の動向などが記載されている。備品台帳は、外国人官吏が居住した明治9年までに灯台と官舎に置かれていた備品を復元することが可能である。その他雑記としては、名簿やメモ、公文書の草案などが含まれる。
 旧官舎の東側には、建築面積55.69平方メートル、高さ3.8m、石造、平屋建、寄棟造・一部片流桟瓦葺の旧倉庫が建つ。旧倉庫は、南北14.6m、東西が北側で4.4m、南側で7mの逆L字形の平面形で、南北に4室、折れて西側に3室を連ね、倉庫・炊事場・浴室・便所を配し、花崗岩切石布積の躯体に和小屋を組む。内装は、各部屋に床巾木、開口部に額縁を廻し、木部の額縁、幅木、扉等の化粧部分は全て淡黄色のペンキ塗りで仕上げる。
 釣島灯台は、瀬戸内海の西の入口に当たる要衝、釣島水道を今も見守り続けており、日本における灯台技術の礎を築いたリチャード・ヘンリー・ブラントンが立地選定から建設まで主導した最初期の洋式灯台として近代海上交通史上、価値が高い。また、灯台と同時に整備された旧官舎及び旧倉庫が、石垣と共に当初の姿を原位置で保存している点が極めて重要なだけでなく、下張文書から建築工事の様相や外国人吏員等の生活、勤務実態等が明らかであり、最初期の灯台運営の在り方を伝える建造物として貴重である。

海上保安庁によるVR画像

 海上保安庁のホームページで灯台や旧官舎の内・外観や景色をVR画像で鑑賞できます。
 ・外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。海上保安庁灯台Oneタップビュー(外部サイト)

お問い合わせ

文化財課(文化財保護担当)

〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階

電話:089-948-6603

E-mail:kybunka@city.matsuyama.ehime.jp

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