平成24年1月11日 新年のあいさつ

更新日:2012年3月1日

  • 日時  平成24年1月11日(水曜日)午前11時から
  • 場所  本館3階第1会議室
  • 記者数  16人

議題 

  • 新年のあいさつ

会見内容

(市長)
 新年明けましておめでとうございます。

 本日は、今年最初の定例記者会見ということで、新年のごあいさつをさせていただきたいと思いますが、その前に私の後ろにあります、新しいバックパネルについてご説明します。
 この度、新しい年を迎えましたのでバックパネルを新調したものですが、このバックパネルは、緑色(エバーグリーン)を基調としたパネルとなっています。エバーグリーンには、「常緑(じょうりょく)」つまり、一年中枯れることなく緑が映えている状態という意味がありまして、松山が笑顔の絶えない街であり続けるよう願いを込めたものです。
 また、私の公約である「一人でも多くの人を笑顔に 全国に誇れる、わがまち松山」を表現するため、松山が全国に誇る観光施設である、「道後温泉本館」「松山城」「坂の上の雲ミュージアム」「坊っちゃんスタジアム」や、まつやま農林水産物ブランド「紅まどんな」の画像をあしらったものとしています。

 さて、昨年は3月に発生した東日本大震災によって日本全体が深い悲しみに包まれました。本日で災害発生からちょうど10カ月となりますが、まだまだ復興への道のりは険しい状況にあります。
 本市では、震災直後から職員の派遣や緊急支援物資の提供などを行うほか、被災された方々の本市への受け入れや支援を行ってまいりました。
 今後におきましても、市民の皆さまのご協力を得て、被災地の自治体や住民の方々に対して、最大限の暖かい支援を継続していきたいと考えています。

 経済面におきましては、リーマンショック以降、回復の兆しが一部に見えたものの、東日本大震災の発生によって大きな痛手を受けることとなりました。震災発生以降におきましても、欧州の債務危機や歴史的な円高などによって先行きの不透明感が強く、昨年12月に発表された日銀短観では、景況感が2期ぶりに悪化するなど、景気回復までは依然厳しい道のりのようであります。

 政治面におきましては、昨年9月2日に野田内閣が発足しましたが、ねじれ国会のもと、ほぼ一年おきに国のトップが変わるという状態が長く続いております。
 東日本大震災からの復興、急激な円高、国際金融市場の不安定化などによる世界的な金融危機、TPP、税と社会保障の一体改革など、山積する重要課題を解決するためにも、国会においては、国民生活・国益を第一に考え、与野党の垣根を越えた建設的な議論をしていただきたいと思っています。

 一方、地方におきましては、少子高齢化や長引く景気の低迷による民生費の増加、新しい子ども手当に係る地方負担分の増額、さらに地方にとって貴重な財源である自動車重量税などの廃止が検討されるなど、地方の行財政を取り巻く環境はさらに厳しさを増していくことが懸念されます。
 本市におきましては、行財政改革のさらなる推進を図るとともに、私自身が市民目線、市民感覚で考えた公約の具現化を目指し、各種施策に取り組んでまいりたいと思います。

 さて、今年は松山市にとって明るい話題があります。本市の新たな観光戦略「瀬戸内・松山」構想は、旅行関係者から非常に高い評価をいただいており、本年4月から6月までの3カ月間、JR西日本エリアにおける「重点送客キャンペーン」が実施されます。
 昨年の3月に構想をまとめ、5月に正式にご提案させていただいてから、12月の決定という早期の実現は異例のことでありますし、JRの展開する松山へのキャンペーンや瀬戸内海の海上観光ルートにスポットをあてたキャンペーンは、史上初めてということであります。
 本市といたしましては、地域の観光素材の魅力付けや二次交通などの着地整備を行い、キャンペーン中の集中的な誘客はもとより、息の長い観光のレベルアップを目指してまいりたいと思います。

 また、オリンピックイヤーにふさわしく、スポーツ関連でも明るい話題があります。
 7月21日(土曜日)には、平成14年以来2回目となるプロ野球オールスターゲームが坊っちゃんスタジアムで開催されます。地方球場での2回目の開催は初めてのことでありますし、公式戦も坊っちゃんスタジアムで4試合開催されることが決まっていますので、全国的に松山の施設や野球熱が評価されている証拠と言えます。
 現在、開催に向けて、ボールカウント表示の改修やラバーフェンスの張り替えなど、スタジアムのリニューアルを行っているところであり、前回同様、しっかりとした準備をして、おもてなしの心でお迎えしたいと思っています。

 さらに、2月5日に開催される愛媛マラソンは節目となる50回目を迎え7,000人が出場しますし、松山市出身のアマチュアゴルファーの松山英樹選手は2年連続となるマスターズトーナメント出場が決まっています。
 毎年、スポーツイベントは松山を盛り上げてくれますが、本年は特にスポーツが元気と笑顔を与えてくれることが期待されます。

 最後になりますが、本年におきましても、「一人でも多くの人を笑顔に 全国に誇れるわがまち松山」の理念のもと、各般にわたる行政サービスの充実に努めるとともに、公約につきましても、可能な限り、その実現に向けて、前向きな精神と笑顔で取り組んでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(質問)
 2月に伊方原発事故を想定した県の訓練が実施され、松山市は避難者を受け入れる立場で参加するが、課題について内部で検討しているのか。

(市長)
 初めて参加しますので、訓練を実施するまでも、また、実施してからもいろいろな問題点・課題点が出てくると思います。いざというときに市民・県民の目線に立った、しっかりとした対応をするための良い機会にしたいと思っています。

(質問)
 JRのキャンペーンについて具体的に聞きたい。

(市長)
 今までは「坂の上の雲」をテーマとして、まちづくりと観光誘客を重ね合わせて実施してきましたが、NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」は昨年12月25日で完結しました。就任当初からドラマ終了後の誘客テーマについて考える必要があると思っていましたので、職員たちと一緒に考え「瀬戸内・松山」構想を打ち出しました。

 NHKの大河ドラマ「龍馬伝」で高知に観光客が増えたように、大河ドラマなどのテレビドラマで注目されて動く層が確実にいます。今年始まったNHKの大河ドラマは「平清盛」で、瀬戸内が舞台です。北海道や南九州が舞台になると、松山としては手が出しにくいですが、瀬戸内が舞台になったことは松山にとって幸運なことでした。

 広島は平和教育や宮島が大きな観光資源なので、修学旅行生が多く来ていました。そこで、松山と広島をおよそ1時間で結ぶスーパージェットを活用することによって、中島で修学旅行生にみかん狩りをしてもらったり、野外でバーベキューをするメニューが人気になり、今では修学旅行が50校まで増えています。

 こういった背景から、スーパージェットを活用することが効果的だと気付き、松山市が船舶会社さんにお願いをして、これまでにない安い料金を提示してもらい、宮島・広島・呉・松山のルートをパッケージ化し、また、呉で途中下船できることによって、「俳句」と「クルージング」を掛け合わせた「瀬戸内はいくるーず」という旅行商品を発売しました。私自身も松山の営業マンとして観光産業振興課の職員とともに、東京・名古屋・大阪など全国各地の旅行事業者、交通事業者のところに商談に行き、商品として高い評価を得ることができました。

 さらに、JR西日本さんが主体になって3カ月間実施する重点送客キャンペーンに「瀬戸内・松山」が採用されました。2年後には瀬戸内海国立公園指定80周年、道後温泉本館建築後120周年の記念の年を迎えますので、瀬戸内を生かすことが大事だという面もありました。

 シルクロードを命名したドイツの地理学者リヒトホーフェンさんは、明治元年に瀬戸内海を訪れて、「こんな広大で優美な景色は世界のどこにもない。いずれ、世界の人々に紹介され、賞賛されるであろう」という言葉を自身の旅行記で残しています。また、明治5年にはトーマス・クックグループという旅行代理店を設立した方で、近代ツーリズムの祖と呼ばれたトーマス・クックさんというイギリスの実業家も瀬戸内海に来て大変賞賛をしたそうです。このように世界にも認知されている魅力のある場所ですが、世界に目を転じてみますと「エーゲ海と○○の旅」や「地中海と○○の旅」といった旅行商品はありますが、「瀬戸内海と○○の旅」はありませんでした。それは中国ブロック、四国ブロックという行政単位で動いてきたからです。瀬戸内海は隔てる海でしかなかった。それを私たちが着目し、瀬戸内海を隔てる海からつなぐ海にしようという発想が「瀬戸内・松山」構想の起点となり、交通事業者さんや観光事業者さんに松山のことを認知していただき、大きくPRしてもらうためにトップセールスを重ねてまいりました。

 また、広島県さんと連携ができたのも大きかったと思います。広島県の湯崎知事は私と年齢も近いですし、「瀬戸内 海の道構想」を掲げていましたので、直接お会いし話しました。さらに、呉市さん、廿日市市さんとも自治体の枠を超えた連携ができたのも良かったと思います。

(質問)
 道後温泉本館の耐震工事はどのように進めていくつもりなのか。

(市長)
 地元からは「ドラマの終了後、2年はドラマの余韻があるので工事しないでください」と言われていますし、先ほど申し上げたとおり、2年後は日本で初めて国立公園に指定された瀬戸内海国立公園が80周年を迎え、さらに道後温泉本館建築後120周年を迎える年ですから、しばらくは、そのままになると思います。各自治体の観光名所で、改修工事を行うと観光客が減ったという例は多々耳にしています。松山において観光産業は非常に大きな部分を占めますので、観光客が減ることのないように魅力づくりをしたいと思っています。

 以前、道後温泉の源泉を見に行った際に感じた私個人の思いですが、「椿の湯」は松山市が運営していますので、例えば道後温泉分館といった名称にすれば道後温泉と関わりがアピールできると思いました。一般の観光客には道後温泉との関わりが分からず、「椿の湯」は民間で運営している温泉だと思うかもしれないので、もっと見直すことがあると思います。今までの経緯を見ると、もっと道後温泉とのつながりを出すべきだと思うところがありますので、できるかぎり魅力をアップして、工事中に観光客が減少するのを避けたいと思っています。

(質問)
 2年間は手を付けないでくれというのは誰に言われているのか。

(市長)
 地元からです。

(質問)
 地元とは旅館組合や商店街の組合のことなのか。

(市長)
 そうです。

(質問)
 椿の湯の名称変更は具体的に検討する予定はあるのか。

(市長)
 個人的には変えた方が良いと思っています。同じお湯を使っているのに非常にもったいないことをしているなと思います。

(質問)
 いつ頃の時期を考えているのか。

(市長)
 今の建物で何も変わらない状態で、突然、名前を変えるのもおかしいと思いますので、いろいろな整備をする中で、良い時期を見計らってということになると思います。

(質問)
 椿の湯の名称を変えるのか、それとも分館として押し出していくのか。

(市長)
 これから検討していきます。観光客は名前を見て行先を決めると思います。本館と同じお湯を使って、本当に近い場所にあるのに、もったいないなという思いを現場で強く感じましたので、いろいろな方のお声を聞きながら検討していきたいと思っています。

(質問)
 椿の湯も道後温泉であるということを色濃く出していくためなのか。

(市長)
 そうです。

(質問)
 個人的な思いではなく、市として進んでいる話ではないのか。現在の任期中に変わる可能性はあるのか。

(市長)
 個人的な思いを持っていますが、市長が思いを持っているからといって、すべてが実現されるわけではありません。任期中にできれば良いと思いますが、地元の方と一緒に考えていきたいと思っています。

(質問)
 市長の意向は地元に伝えているのか。

(市長)
 まだ伝えていません。

(質問)
 愚陀佛庵は魅力づくりの点で、どのような位置付けなのか。

(市長)
 愚陀佛庵は松山市として大事な観光資源だと思っています。復元場所については、現在、県と市の連絡会議で検討しています。昨年末の記者会見で申し上げたとおり、現場の方から私に判断を求めるところまできていません。

(質問)
 松山赤十字病院の建て替えについて見解を聞きたい。

(市長)
 今、患者さんとして通っている方からは、市内電車の便が良いので、できれば現在の場所にという声が多いと聞いています。救急医療体制といった観点から、現在の場所を含めた市内の中心地域が望ましいと思っています。

(質問)
 松山市に要望はあったのか。

(市長)
 昨年の12月5日付けで私宛てに要望書が提出されました。「誘致等のあった候補地について検討を行ったが、敷地面積が狭いなどの問題点があり、現在のところ適当な移転候補地は見当たらない。病院利用の患者及び職員からは現在地での建て替えを望む声が多く寄せられている。現在、建て替え場所の選定と並行して、建て替え計画の策定を行っている。今後、建て替え計画の実施にあたって指導・助言をお願いしたい」という内容でした。

(質問)
 要望書は病院が出したのか。

(市長)
 そうです。

(質問)
 現在の場所を含めた市内の中心地域が望ましいと言った真意を聞きたい。

(市長)
 まだはっきりとお話できる段階ではありません。

(質問)
 衣山が候補地だと聞いたことがあるが。

(市長)
 どうでしょうか、衣山は市内中心にはなると思います。

(質問)
 東温市のアクロス重信が閉鎖されることになったが、松山市として支援することがあるのか。また、その要望などが来ているのか。

(市長)
 私宛てに東温市さんから要望はきていません。スポーツで街が元気になるという事例は多々知っていますので、もったいないなという気持ちはあります。しかし、お客さんの推移を見てみると8万人から2万人に減っていました。4分の1に減っているということは、何か理由があると思いますので、難しいと思っています。

(質問)
 アクロス重信は松山市の修学旅行メニューの一部にも入っている。何か支援できないのか。

(市長)
 松山の魅力を紹介する本や旅行の資料にも、広域連携の観点から紹介していましたので、閉鎖については残念に思っています。大きな箱物を建てるようなお金が必要ではありませんが、1年だけ支援して、来年はしませんというわけにはいきません。財政が豊かであれば「はい。やりましょう」と簡単に言えますが、松山市も厳しい財政でありますので、慎重に検討していくべきだと思っています。

(質問)
 生活保護の不正受給を防ぐための対策を講じているのか。

(市長)
 これまでも、生活保護適正実施推進班が中心となり、警察と連携して生活保護の適正化に努めてきました。生活保護の不正受給に対しましては、今後とも関係機関と密に連携をとりながら厳正に対処していきます。

(質問)
 県内の広域訓練について、具体的に想定している課題を聞きたい。

(市長)
 松山市にとって原発事故を想定した訓練は初めてですから、何が出てくるか分からない状況だと思います。しかし、逆に初めての方が様々な課題を洗い出すことができるので、いざというときにしっかりとした対応ができるよう、問題点を洗い出していきたいと思っています。

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