平成23年10月11日 「鹿島渡船・駐車場料金に関する社会実験」および「鹿島にぎわい活性化事業」の中間報告

更新日:2012年3月1日

  • 日時  平成23年10月11日(火曜日)午前11時から
  • 場所  本館3階第1会議室
  • 記者数  14人

議題 

  • 「鹿島渡船・駐車場料金に関する社会実験」および「鹿島にぎわい活性化事業」の中間報告について

会見内容

(市長)
 本日の議題、「鹿島渡船・駐車場料金に関する社会実験」および「鹿島にぎわい活性化事業」の中間報告につきまして説明をさせていただきます。
 これら取り組みにつきましては、私が市長就任時の公約に掲げております「風早レトロタウン構想」を具現化していくため、まずは、北条地域のシンボル的存在である鹿島におけるにぎわい活性化を図ることを目的といたしまして、本年7月より事業展開を行っているものであります。
 鹿島は美しい瀬戸の海と四季折々のあふれる自然に恵まれ、昭和31年5月に国立公園に指定され、また、中世に活躍した河野氏の史跡・文化が地域の方々によって、今も大切に継承されているほか、夫婦岩(めおといわ)・水晶ケ浜(すいしょうがはま)など数多くの景勝地を有し、かつては年間15万人を超える人々が訪れ、“歩けば人々の肩が触れ合う”とも言われるほどのにぎわいを見せておりました。
 しかしながら、近年の旅行ニーズの多様化などから、身近であった鹿島離れが続き、さらには、長年の風雨や台風による塩害などから島全体の土壌風化が進み、現在、落石などの危険性から周遊道の一部が通行止めとなり、絶景のポイントを訪れることができないほか、野生鹿による樹木への食害によって多くの倒木や立ち枯れた樹木が発生し、島内環境の悪化が見られるなど、さまざまな要因が絡み合い、現在では来島者が年間3万人程度にまで落ち込んでおります。

 こうした課題を抱える鹿島ではありますが、私は今年2月17日に開催しました「北条地区タウンミーティング」において、地域の方々から鹿島への思いや沢山のご意見などを頂戴いたしました。
 その中で、まだまだ鹿島の持つ魅力を生かしきれていないことや、渡船や駐車場料金の設定など、工夫・改善すべき点があるのではないかと感じました。
 そこで“鹿島に渡りやすい環境づくり”としまして、今年7月16日から今年12月末までの期間、「鹿島渡船・駐車場料金に関する社会実験」を実施することとし、渡船料金を「大人1名、往復300円から250円」、駐車場料金を「普通車1台、610円から250円」などへと引き下げたところであります。
 また、魅力活用に向けた取り組みといたしまして、周遊道の一部通行止めにより訪れることのできない景勝ポイントを、海上から楽しむことができないかと考え、毎年、7月中旬から8月末まで運行しております周遊船を土・日・祝日のみから毎日運行へと見直しを行ったものであります。

 次に、「鹿島にぎわい活性化事業」についてでありますが、これは、島内にある倒木の処理や市有施設の改修、海水浴場の砂浜整備といった基盤整備に加えまして、先ほどの社会実験と合わせ、北条地域のさまざまな団体より選出いただいた委員で構成する検討委員会を立ち上げ、鹿島の抱える課題の抽出やその解決策などを議論いただいているほか、鹿島ならではのさまざまなにぎわい創出イベントを企画・実施していただいているものであります。
 これまでに、社会実験の開始日となる7月16日には、鹿島海水浴場の海開きイベントならびにかつて“特撮ヒーロー映画”のロケ地となった鹿島をキーワードとした、懐かしのヒーロー・フィギュア展示を開催しましたほか、翌8月には、ゴミ拾いとオリエンテーションを融合した新たな野外ゲームの開催や、ご当地アイドル“ひめキュン☆フルーツ缶”による鹿島応援ミニライブ、先般、9月には、多くの地元の方々にも鹿島を訪れていただこうと、およそ20年ぶりとなる“いも炊き会”を催すなど、毎月、創意・工夫を凝らした鹿島ならではのイベントを開催していただいております。
 こうした取り組みの効果により、社会実験開始から9月末までの間で、渡船利用者数は、対前年同期比で11,561人から14,655人へとプラス3,094人、率にして26.8パーセントの増、駐車場利用台数は、対前年同期比で1,829台から2,784台へとプラス955台、率にして52.2パーセントの増となっており、途中経過ではございますが、長年、減少し続けていた流れを止め、さらには増加に転じる成果が現れております。
 さらに周遊船利用者におきましては、7月16日から8月末までの間、昨年の利用者数51名から821名へと大幅に増加しており、風光明媚な地域の宝として大切にされてきた鹿島の持つ魅力は今もなお健在であると再認識し、そして鹿島活性化に向けた手応えを感じているところであります。

 今後におきましては、社会実験実施による実績や効果、来島者アンケートの結果などを踏まえながら検証を重ね「渡船・駐車場料金」の在り方などを検討してまいりますほか、行政と地域が一体となって鹿島の抱える課題解決に積極的に取り組むことで鹿島のにぎわいを取り戻し、JR北条駅前の中心商店街の活性化、そして北条周辺部で抱える課題などについても解決に向けた研究を行い、「風早レトロタウン構想」の実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
 詳細につきましては、担当から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

(質問)
 社会実験の継続的な取り組みについてどのように考えているのか。

(市長)
 現在、アンケート調査を行っている中での中間報告となります。鹿島特別会計を大きな赤字にするわけにはいけないですから、投資という部分も含めて実態をしっかりと捉えたうえで、総合的に判断していきたいと思っています。
 北条地区のタウンミーティングでは皆さんから「あまりにも渡船料金や駐車場料金が高いのではないか」というご意見をいただきました。かつて、鹿島は大変にぎわっていました。俳優の渥美清さんが大好きだった場所でもありますし、そういった魅力や地域の宝を活かしきれていなかったことから、今回の社会実験を実施したものです。

(質問)
 この社会実験は収益を上げることを目的としているのか。

(市長)
 先週、新規・拡大事業のヒアリング調査を実施いたしました。いろいろな事業を展開していく中で、この事業は拡大をしていくのか、新規に取り組むのかという内容のヒアリングでした。中四国の中では健全であると言われている松山市の財政ですが、厳しいことには変わりありませんから、大きな赤字にするわけにはいけません。最初は投資としてある程度持ち出さないといけない部分もあると思いますが、最終的には北条全体に魅力を生み出していきたいと思っています。まずは鹿島、続いて北条駅前の通り。そして全体的に広げていこうと思っています。
 松山の観光では「瀬戸内・松山」構想を掲げています。しまなみ海道を通って松山に入ってくるときに途中に寄れる場所になりますから、そこで観光の方、また、地元の方も楽しんでいただくと松山でお金を落としていただけることが増え、地域経済が元気になります。逆に松山からしまなみ海道を通って広島方面へ行くときにも、また、お金を落としていただくことができれば、さらに地域経済が元気になりますので、社会実験を実施しました。良い流れを作って、今後に続けていこうという考えです。

(質問)
 野生の鹿が増えている問題で、他の場所に移すことはできないのか。

(市長)
 鹿島の鹿が増えすぎているいう問題は以前から言われていましたので、たとえば、まとまって何頭かを、どこかの動物園が引き受けてくれないかと常々考えていました。しかし、鹿を引き取りますよという動物園がない状況でしたので、この方法は諦めざるをえませんでした。そこで、適正な頭数にするための方法について、現在、いろいろと検討しています。

(質問)
 鹿による被害は具体的にどのようなものがあるのか。

(市長)
 できるだけ現場・現地を大事にしたいという思いから、鹿島に何度か足を運んで実際に見てきましたが、まず、植物を食べてしまい、そして植物がなくなると、木の皮を食べてしまいます。鹿島に行かれた方はお分かりかと思いますが、木の皮が剥げているところが散見できます。さらに、植物がなくなることで土が乾き、崩れやすくなってしまっているという状況です。本当はきれいな自然の中で皆さんにお楽しみいただきたいのですが、私が行ったときにはシダ植物だけが残っている状況でした。緑が茂っている状態にならないのは難しいところです。
 また、アンケートの中では、鹿のふんが気になるという方もいらっしゃいます。

(質問)
 市が主体となってイベントを開催する構想はあるのか。

(市長)
 ケースバイケースだと思います。委託をすることによって、大変魅力のあるイベントをしていただけるんでしたら、委託でお願いしたいと思います。

(質問)
 現時点で何か考えているイベントがあるのか。

(市長)
 市が主体的に関わることによって、いいものができるのであれば、もちろん市でやろうと思います。今回のイベントでお客さまに来ていただけることは分りましたので、これからも毎月、継続してやっていきます。さらに、レストハウスの整備です。ハード面がちょっと弱い部分がありますのでその点を整備し、来年の夏には鹿島が良くなったねと言っていただけるようにしたい思っています。

(質問)
 レストハウスに関しては市も関わるのか。

(市長)
 はい。

(質問)
 予算化するのか。

(市長)
 はい。

(質問)
 鹿島の活性化において鹿はどのような位置付けなのか。

(市長)
 人間の勝手で駆除したくありません。鹿島という名前からも、鹿はつきものですから、生息してもらうべきものだと思いますが、ちょっと増えすぎてしまったなと感じています。
 確か、石鎚山と広島の厳島神社を結んだら、そのちょうど線上に鹿島があると聞いたことがありますので、不思議なご縁や神聖な部分もあるのかなと感じています。

(質問)
 閉鎖されている周遊道について何か決めていることがあるのか。

(市長)
 かつては一周できていて、水晶ケ浜や石門などの良いところを数多く見ていただけていましたので、整備したいという思いはあります。しかし、落石の心配のないようにしようと思ったら莫大な費用がかかってしまいますので、非常に悩ましいところだと思っています。 
 そういった中で、島内からは見えない鹿島のきれいなところを見てもらうために周遊船の運航について考えたわけです。なんとか工事するのであれば、コストミニマムで、かつ安全な方法がないか常に考えています。また、島全体は行けないにしても、ブロックで分けて工事をして、皆さんに楽しんでいただくとか、何か良い手立てがないか考えています。
 誤解していただきたくないのは、決して私が北条出身だからというわけではありません。松山の重要な観光拠点であるしまなみ海道の中間地点でありますので、休憩していただく途中の場所としても非常にふさわしい場所だと思いますし、かつてにぎわったところを生かし、例えば中島が島博で元気になったように、北条も元気にしたいと考えています。

(質問)
 愚陀佛庵建設地について最終決定までのスケジュールはどうなっているのか。

(市長)
 愚陀佛庵につきましては、新たなご提案がありましたので、そのことについてまず、ご説明させていただきます。
 道後地区が自らの手によって上人坂を文化ゾーンとして活性化し、誘客策を講じるということは素晴らしいことだと考えています。県・市の事務レベルで選定基準である費用、維持管理体制、周辺の環境や交通アクセスなどを元に復元地を検討しています。最終的に復元場所がどこになろうとも、土地の寄附や無償貸与など、今回ご提案いただいた道後地区の努力には大変感謝しています。道後地区は本市の重要な観光拠点でありまして、今後とも道後地区の活性化に向けた取り組みについては、何らかの協力をしていきたいと思っています。
 今後の見通しにつきましては、現段階ではどのような影響があるかは分かりませんが、要望書の内容を精査するとともに、県市連絡会議で協議をした後、選定基準に基づいて復元地を決定することになると思います。

(質問)
 年内に決まるのか。

(市長)
 以前、申し上げた状況から変わりありません。

(質問)
 道後地区からの新しい提案について感想を聞きたい。

(市長)
 土地の寄附、無償貸与など、今回の道後地区の努力には本当に感謝しています。

(質問)
 情報漏えい事件について、内部調査結果の報告を受けた感想を聞きたい。また、職員の処分についてどのように考えているのか。

(市長)
 まず、内部調査についてですが、市民の皆さまには、まず、お詫びの気持ち、同時に山田被告に対しては裏切られた悔しい思い、怒りの気持ちで一杯です。一生懸命仕事をしている職員がいる中で、彼の行った行為によりまして、大きなマイナスとなっています。
 所属長には、日ごろから職員をチェックすることが課せられています。例えば、金遣いは荒くないか、頻繁に欠勤、離席をするというような項目を所属長がチェックしていますが、今回は見抜けなかったということになります。
 処分につきましては、できるだけ早期に処分をしたいと思っています。9月10日の逮捕案件で起訴されたことを受け、先日裁判所に接見等禁止の一部解除申請を出しましたが、認められませんでしたので、現時点では接見できていません。今後、引き続き接見が認められるよう、改めて接見等禁止の一部解除申請を行うなど、検討しているところです。接見が認められ、本人から事実確認をしたうえで、厳正な処分を行いたいと考えています。

(質問)
 次の段階に進むのはいつごろになるのか。

(市長)
 できるだけ早急にしたいと思っています。

(質問)
 一人あたり数分程度の聞き取り調査は、内部調査として適正だと思っているのか。

(市長)
 ヒアリング時間は一人何分と決めているわけでありません。結果として、数分になったものです。長期休職者が2人いましたが、10月6日にヒアリングを終了し「外部及び内部から金入り設計書等及び工事関係情報の提供を求められたり、渡したことはない。」との報告を受けました。
 また、昨年度以前に関係部署にいた職員のヒアリングにつきましては、金入り設計書等の情報漏えいが常態化しているという報道をもとに、現職場体制をベースに調査を行ったものでありまして、捜査の進展を見て過去にもやっていたということがあるのならば、過去にさかのぼっての調査に取り組みたいと思います。

(質問)
 第三者による調査は考えているのか。

(市長)
 内部調査においては、別ルートから流出した事実を確認できなかったので、現在のところ、第三者機関を設置する考えはありません。
 現在、警察などが捜査中でありまして、事実関係が明らかになった時点で検討したいと考えています。第三者機関を設置したからといって、捜査権があるわけではありませんので、特別に何か変わるわけではありません。権限を持つ警察がしっかりと捜査してくれると思っています。

(質問)
 職員が正直に言える環境となるよう、第三者である弁護士などが間に入って聞き取り調査をすべきではないか。

(市長)
 現在、警察が捜査中でありますので、事実関係が明らかになった時点で検討したいと思います。

(質問)
 聞き取り調査に実効性があると思うのか。

(市長)
 先ほど申し上げたとおりです。

(質問)
 事実関係とはどういった事実なのか。

(市長)
 捜査の進展を見て、過去にもやっていたという事実が判明したら、また、考えたいと思っています。

(質問)
 過去というのは別のことなのか。

(市長)
 捜査の進展を見てということになります。

(質問)
 市としては、内部調査によって他には不正がなかったと判断しているのか。

(市長)
 私たちの調査では、「別ルートから流出した事実は確認できなかった」という見解になります。

(質問)
 絶対にないとは言い切れないのか。

(市長)
 われわれには捜査権がありませんから。

(質問)
 中止していた入札の再開について状況を聞きたい。

(市長)
 まず、積算のことから申し上げます。
 入札の中止によりまして、市民サービスや建設業者の経営にも多大な影響が懸念されます。積算業務につきましては、セキュリティの整備、また、設計書類などの管理体制に問題がありましたので改善するよう指示し、体制が整いましたことから10月3日から再開しています。
 そして、入札の再開につきましては、発注工事について工事期間の設定が厳しい案件もあります。発注要件が整い次第、早急に対応してまいりたいと考えており、具体的には10月の中旬頃を考えています。

(質問)
 入札制度の完成度に対する市長の認識が違っていたということなのか。

(市長)
 大きな仕組みは、良いものができてきたと思っていました。書類の管理体制やパスワードなどの細かな部分で問題がありましたので、改善するよう指示しました。

(質問)
 当初、そういった制度上の穴があったことは、市長に報告されてなかったということなのか。

(市長)
 はい。当然、できているものだと思っていました。

(質問)
 施錠やパスワードの管理体制について、今まで職員から提案がなかったのか。また、提案がなかったのであれば、原因は何だと考えているのか。

(市長)
 施錠やパスワードの管理体制などの細かな事務については、なかなか話す機会がありません。市役所の仕事は非常に幅広い分野にわたっています。小学校、中学校、競輪場、児童館、クリーンセンター、上下水道など多岐にわたります。各部長等責任者に権限移譲して業務を行っています。私の認識としては、施錠やパスワードの管理などは当然できているものと思っていましたが、今回、報告を受け問題がありましたので直ちに改善を指示しました。

(質問)
 当然できているべきことが、できていなかったことについてどう思っているのか。

(市長)
 昨年の11月30日に初登庁してから職員の仕事ぶりを見てきましたが、本当に真面目に少数で仕事をしています。データ的に見ても松山市役所の職員は少数で頑張っています。しかし、モラルのことと同時にパーフェクトな制度はないから、穴があったら埋めていくのが私の役目だと思っています。

(質問)
 全職員に対して市長講話を実施した効果を聞きたい。

(市長)
 300人から400人の職員を集めて、1時間の話をいたしました。「市民の皆さんを第一に考えて仕事をしてください」「市民の皆さんの笑顔のことを考えて仕事をしてください」といった仕事をする上での心がけや、各課のたくさんの前向きな取り組みも含めて、1時間にわたって話をしました。以前は市民と最前線で接する職員であるのに、うつむいて庁内を行き来する職員が多くいました。そこで、「しっかりとした仕事をしているんだったら、顔を上げて歩けばいいじゃないですか」「職員が市民の皆さんと最前線で接するところですから、来庁された方には、いらっしゃいませ、こんにちは、そういう声をかけて歩いたらいいじゃないですか」といったことを話して、すごく良い雰囲気ができるようになったと感じていました。

(質問)
 総合評価入札方式について、現在、中核市を中心に調査中と聞いているが、制度を変更するのか。

(市長)
 議会から、総合評価等の入札の透明性・公平性の確保について要望をいただいています。現在、松山市と同規模の中核市などに対する調査を行っており、その調査結果などを検証し、改善策を講じて再開したいと考えております。

(質問)
 今月中の入札再開にも反映させるということなのか。

(市長)
 今回、入札中止を行いました総合評価方式の入札につきましては、告示から落札の決定までに約1カ月半を要します。工事期間の確保に支障をきたすことも考えられますので、一般競争入札で実施したいと考えています。

(質問)
 総合評価方式での入札再開時期はまだ決めていないということなのか。

(市長)
 はい。

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