平成24年3月27日 「愛ランド里島構想」について ほか

更新日:2012年4月9日

  • 日時  平成24年3月27日(火曜日)午前11時から
  • 場所  本館3階第1会議室
  • 記者数  13人

議題 

  • 「愛ランド里島構想」について
  • 「風早レトロタウン構想」の中間報告および鹿島に関する社会実験について

会見内容

(市長)
 それでは、本日の議題について説明をさせていただきます。
 私は、公約の一つに、これまで掘り起こしてきた地域の宝を磨くことにより、一人でも多くの人に笑顔になっていただくという「誇れる地域の宝を磨き笑顔に」を掲げています。
 この地域の宝を磨くという公約の実現に向けたさまざまな取り組みの中で特に大きな動きを期待している新たな構想や計画について市民の皆さんに分かりやすいメッセージとして発信していくため、その頭文字をとって、「たからみがき」と表現したまちづくりを進めているところですが、本日は、この「たからみがき」というキーワードのうち、「ラ」が意味する「愛ランド里島構想」の策定が完了したこと、並びに、「か」が意味する「風早レトロタウン構想」の中間報告と鹿島に関する社会実験などがまとまりましたので発表させていただきます。

 まず、「愛ランド里島構想」についてですが、本市島しょ部は、過疎化・高齢化が急速に進んでいて、島を取り巻く環境は、極めて厳しい状況となっています。
 そこで、このような状況を打開し、島しょ部の持続的な発展と活性化を図ることを目的に、この度、本構想を策定したところです。構想の策定にあたり、通常、「離島」は「離れた島」と書きますが、私は、人々が愛する懐かしい「ふるさと」をイメージして、「里(さと)の島(しま)」と書いて「里(り)島(とう)」と呼ぶことにしました。
 また、本構想策定への想いとして、島に住む人々が、地域に愛着と誇りを持ち続けるとともに、島を訪れる人にとっては、心が癒される第二のふるさととして、住んでみたいと思えるような島を、島びとと一体となって創り上げていくんだという、島の将来への強い想いを込めたものとしました。
 本構想の特徴についてですが、島びとが輝けば、地域が輝くことから、目指す将来像を「島びとが活き活きと輝く笑顔あふれる里の島」とし、その将来像の実現に向けて、産業、環境、地域、教育や文化、福祉の5つの分野ごとに立てた、基本政策の下、19の政策と38の施策を体系化しています。

 さらに、重点的に取り組む事業として、「島びとが輝くまちづくり重点プロジェクト」を掲げ、一つ目の柱には、「暮らしやすい島」をめざす取り組みとして、運賃負担の軽減などにより、海上交通の利便性を向上させることや、島びとが安全で安心して暮らせる島づくりを行うこと、島の明日を担う地域リーダーの育成や、アンテナショップ開設などによる特産物の販売促進や販路拡大の項目を、二つ目の柱には、「市民の第二のふるさと」をめざす取り組みとして、滞在型交流施設の整備などによる定住の促進や、「里島ツーリズム」を活用した交流人口の拡大、島しょ部全体をブランドとして定着させる「里島ブランド」の確立や、地域活性化及び雇用創出につなげるため、廃校などの未利用施設の活用の項目を掲げており、めざす将来像の実現に向け、積極的に取り組んでいくことにしました。
 また、本構想の実現に向け、平成24年度に、具体的な事業内容や目標などを記載した「実施計画」を、取りまとめることとしていますが、スピード感を持って、積極的に取り組んでいく必要があることから、島民との意見交換会で特に要望の強い、島で暮らす方々が病気や人工透析で通院する場合や、妊婦健診を受診する目的で定期船を利用した場合の船賃補助制度を平成24年度に創設することにしました。
 また、島しょ部への定住を促進させるための対策として、農園と居住機能を備えた施設を島しょ部に整備することについてすでに検討を始めており、24年度は、全国を対象にニーズ調査や島しょ部への受け入れ態勢の構築を図ることにしています。
 さらに、「明日を担う人材の育成」として、島づくり人材養成大学などへの派遣や、地域の活性化につながる研修会の開催などに取り組んでいきたいと考えています。

 次に、「風早レトロタウン構想」の中間報告についてですが、古くから「風早」と呼ばれている北条地域は、善応寺(ぜんのうじ)や櫂練りなど中世の有力豪族である河野氏ゆかりの歴史・文化的資源をはじめ、高縄山や美しい海岸線などの豊かな自然、さらに中心部には、昭和のイメージに繋がる、かつて賑わいを見せていた鹿島や早坂暁氏の「花へんろ」など、魅力ある地域資源に恵まれています。

 こうした、かけがえのない宝を地域の皆さんとともに磨きながら、北条地域の活性化を図ることを目的に風早レトロタウン構想の策定を進め、このたび、構想の全体ビジョンや重要な役割を担う鹿島とJR北条駅がある中核エリアの活性化方針などを示した中間報告書をとりまとめました。
 構想の策定にあたりましては、「風早レトロタウン構想検討準備委員会」の中で、まちづくり協議会や商工関係者、学識経験者の方々から前向きなご意見をいただくとともに、アンケート調査結果なども踏まえながら取り組みを進めました。その概要は、昭和の時代のように人と人が触れ合い、にぎわう地域を目指すべく「昭和の賑わいを求めて」を構想のテーマとして位置づけ、かつての輝きを失いつつある地域の宝を甦らせる「再生」、先人から受け継がれてきた地域の宝を次世代に引き継ぐ「継承」、地域に根差した歴史・風土などを生かして新しい宝を生み出す「創造」という3つの視点のもと、北条地域全体の持続的な発展を目指すことにしています。
 また、昭和のイメージにつながる地域資源が点在する中核エリアでは、昭和をキーワードにした活性化を図り、その中でも、鹿島については、風光明媚な鹿島が持つ本来の魅力を取り戻し、かつてのにぎわいを再生したいとの思いを込めアルファベットのアール・イーで表した「Re(リ)鹿島」、駅前通り周辺は、新たな魅力を生み出し、訪れるためのきっかけづくりが必要であることを表した「期待をカタチに」、さらに、効果的なにぎわいづくりを行うためには、双方を一体的に取り組むことが重要でありますので、中核エリア全体として、「ここからひとつに」をスローガンとして掲げ、地域と行政が一体となって多種多様な施策を展開しながら、地域全体への波及効果を目指します。
 今後は、この中間報告書をもとに周辺地域を含めた具体的な施策などについて地域の方々との協議を深め、また、市民意見公募手続き、いわゆるパブリックコメントの手法も活用しながら、活性化に向けた熱い思いが共有できるような構想にしていきたいと考えています。

 最後に、風早レトロタウン構想におきましても重要な位置づけをしている鹿島の「渡船・駐車場料金に関する社会実験」の新たな取り組みについてご説明いたします。
 昨年の7月16日から12月末までの約半年間にわたって実施しました「鹿島渡船・駐車場料金に関する社会実験」では、地元の方々の機運の高まりはもとより、鹿島を訪れていただく足掛かりになったと考えています。実績としましては、お手元にお配りしています資料の通り、前年同時期と比べ、渡船利用者では約6,000人、率にして37パーセントの増加、駐車場利用台数では、約2,000台、率にして78パーセント増加していて、年間来島者数におきましても、合併直後の平成17年度以降では最も多い約3万8,000人程度にまで回復する見込みとなるなど、一定の成果をあげることができました。
 こうした成果を踏まえ、より適正な料金体系を確立し、鹿島に渡りやすい環境づくりを進めるため、渡船基本料金をさらに引き下げるほか、高齢者割引や年間パスポートによる特別割引制度を加え、改めて来月の4月1日から一年間の新たな社会実験を実施することにいたしました。
 今後とも、このような社会実験をはじめとしたさまざまな施策を展開しながら、鹿島のさらなるにぎわいづくりに取り組んでいきます。
 以上で説明を終わりますが、「愛ランド里島構想」につきましては、担当から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

(質問)
 島の産物の生産促進や販路拡大に向けて具体的な考えを聞きたい。

(市長)
 確か、平成13年度は、みかんと伊予柑の占める生産割合が95パーセント、せとかやカラマンダリン、紅まどんなといった、いわゆる有望品種が5パーセントでした。今では、みかんと伊予柑が75パーセント、有望品種が25パーセントまで上がってきました。愛媛県の計画では、65パーセント対35パーセントぐらいになるのが一番良い状態であるとのことなので、もう少し有望品種を増やしていければと思っています。
 先日の記者会見でも申し上げましたように、今、農業指導センターを中心にやっていますが、アボカドや普通のかんきつ生産から移行しやすいライムの生産は、松山市が日本一です。さらに、ブルーベリーも国内で松山市が5本の指くらいに入る生産量です。これは、かんきつ類と比べて軽いですから、農業をされる方にとって、収穫の負担が少なく済みますし、健康志向ということもあって、これから有望だと思っています。 
 アボカド日本一、ライム日本一、ブルーベリーも屈指のものになり、農業者の方が希望を持って農業ができるようにしていきたいと思っています。

(質問)
 里島ブランドはまつやま農林水産物ブランドなどと比べると、市外に認知されにくいと思うが見解を聞きたい。

(市長)
 松山市役所の中では、企業誘致や農林水産物ブランドの販路拡大などを各部署で行っていましたが、司令塔の必要性を感じたため、就任直後の昨年4月に、都市ブランド戦略課を作りました。
 団塊の世代など、もともと田舎出身の都会で働いている方は、老後は松山が住みやすいという書籍も出ていますが、老後、松山に住みたいなと思ってもらえるような、都市ブランドを目指しています。興居島も老後を過ごすには、とても良い場所ではないかと思っています。ある意味入門編といいましょうか、ちょっと都市部に行きたいと思ったら、15分程度船に乗ったら行けるわけですから、興居島は大きな可能性があると思います。もっと本格的に農業をやりたいという方には、中島もお勧めだと思います。
 農業の振興や定住促進、観光などさまざまな面で、興居島や中島の良さが伝わるようなブランド作りができるのではないかと思っています。

(質問)
 新たな社会実験による来島者数の目標を聞きたい。

(市長)
 昨年の社会実験で、合併直後の数字としては最高となる見込みですから、その前年の16年度の実績の3万9,011人を超える4万人を一つの目標にしています。

(質問)
 4万人の目標を達成するために、どのようなことを実施しようと思っているのか。

(市長)
 まだ、具体的なところまでは申し上げられませんが、全体的な方向性としての鹿島の将来像については、鹿島特有の自然や景観を生かした観光、そして、キャンプ場や海水浴場を生かしたレジャースポーツ、また、地域の住民が憩える場所として多面的な活用方法を考えています。鹿島の魅力を生かすための周遊道の改修策の時期はまだ未定ですが、例えば山頂の展望台から見渡していただいたら、夫婦岩や瀬戸内の多島美、高縄山、風早平野の街並み、そして美しい海岸線、こういう風光明媚な景色を今も楽しむことができます。車の往来がありませんから、キャンプ場や海水浴場、小さい子どもさんたちが安心して遊ぶことができると思いますし、また、お年寄りの方は、ゆっくりと散策ができる場所だと思います。こういった今ある魅力を引き出しながら、他の類似施設との差別化を図って、アピールしていくことでにぎわいを取り戻していこうと思っています。

(質問)
 年代などのターゲットはあるのか。

(市長)
 本当に幅広い年代の方が楽しめるところだと思います。

(質問)
 北条には市内と市外どちらから来てほしいのか。また、昭和の面影を求めて来ても、現状ではがっかりされると思うが、考えを聞きたい。

(市長)
 まだ、取り組みは始まったばかりですから、これからしっかりとやってまいります。松山だけでなく、今治の方からも来ていただくことを想定していますし、愛媛県内の方だけではありません。議会でも申し上げましたが、これから、自転車のイベントなどによって、しまなみ海道がますます注目されていくと思います。松山市中心部から今治、しまなみ海道は大体50キロくらいでしょうか、松山中心部と北条の距離は20キロですから、ほぼ中間地点にあたるところに北条、鹿島があります。しまなみ海道に来られる県外や海外の方々が松山に来られるとき、また、松山からしまなみ海道に行く時の中間地点として、大事な場所だと思っています。

(質問)
 愛ランド里島構想は10年間という長い期間となっているが、市長自身が手掛けるのか。

(市長)
 4年間という任期がありますので、市民の皆さんから認めていただいけるのであれば、もちろん手掛けたいと思っています。期間については、やはり、10年くらいのスパンは必要だと思います。

(質問)
 なぜ、10年間という長い期間が必要となるのか。

(市長)
 短い期間でできるものではないと思っていますし、課題も多岐にわたるので、10年くらいの期間は必要だと思っています。 
(質問)
 三津の朝市活性化について、新施設オープン予定時期が示されたが、市長の思いを聞きたい。

(市長)
 県外から来られた観光客の方、また、松山市内にお住いの方で、県外から来た観光客の方やお知り合いを案内する方の声で、松山城と道後温泉は連れて行こうと思うけれども、その次がないというお話をよく聞きます。
「たからみがき」のまちづくりと言っていますとおり、すでに見つかっている宝である瀬戸内の幸は、食べていただくと「これは美味しいですね」と言ってくださる方が大半です。この瀬戸内の幸を生かすことが大事だと思っています。もちろん地元の方や市場関係の方としっかりとお話をしたうえで、できるだけ早くということで、施設オープン予定時期を決めました。三津の朝市の活性化を一つの起爆材にして、三津浜全体に広げていければと思っています。

(質問)
 観光施設として柱にしたいと思っているのか。

(市長)
 はい。

(質問)
 三津の朝市は1年限りの開催としてスタートし、なし崩し的に継続したことについて、どのような問題点があったと感じているのか。

(市長)
 朝市の解放について、一部、ご理解をいただけていない方もいるというのは聞いています。さまざまな意見はあると思います。

(質問)
 大阪維新の会の維新塾が始まったが感想を聞きたい。

(市長)
 非常に多い人数が集まったと思っています。皆さま方の関心の高さがあの数につながったのだろうと思っています。

(質問)
 国政選挙を見据えた今後の動きはどのようになると思っているのか。

(市長)
 地域第一、政策中心で仕事をしますと、本当に動きやすいので、この動きが市民の皆さまの賛同を得て、広がっていけばと思っています。

(質問)
 多くの人の賛同を得たのは、どのような社会情勢が影響していると思っているのか。

(市長)
 今、国会で物事がなかなか決まらない状況を、国民の皆さんは冷静に見ていらっしゃいますので、何とかしてくれという思いが影響しているのではないでしょうか。

(質問)
 松山維新の会でも、国政を変えるというような動きが出てくる可能について聞きたい。

(市長)
 まだ、選挙まで日があるでしょうし、そこまでの段階ではないだろうと思っています。

(質問)
 松山からも政治を変える動きがあると思っているのか。

(市長)
 どうでしょうか。

(質問)
 先ほどの「市民の皆さまの賛同を得て」というのは、松山市民のことなのか。

(市長)
 大阪府や大阪市でもありますし、そういう意味で国民でしょうか。松山市民ではないです。

(質問)
 道後温泉本館の改修について、スケジュールなどについて聞きたい。

(市長)
 どこかのタイミングで耐震化工事をスタートさせなければなりません。これまで申し上げているとおり、道後温泉本館が工事に入ったときに、観光客数が大きく減ることは、できるだけ避けたいので、新たな魅力をつくらなければならないと思っています。

(質問)
 第3の外湯構想を地元が市に提出するそうだが、見解を聞きたい。

(市長)
 まだ新聞の記事を見ただけなので、現時点ではコメントは差し控えたいと思います。
道後温泉誇れるまちづくり推進協議会の皆さんが、自分たちのこととして議論されることは、大いに歓迎します。地元で道後をこうしたいという思いが出てくるということはすごく大事なことだと思います。行政が主体になるよりも、民間はこうしたいんだという思いを出していただき、大いに議論していただくのは良いことだと思っています。

(質問)
 協議会から構想が提出されたら、市としてはどのようにするのか。

(市長)
 よく、見させていただいてから判断することになると思います。

(質問)
 建設ありきでも、建設しないことありきでもないということなのか。

(市長)
 そうです。内容を見てからです。

(質問)

 「椿の湯」の名称変更について、方向性は決まっているのか。

(市長)

 「道後温泉別館椿の湯」や「道後温泉分館椿の湯」といった方が良いのではないかと思っていますが、地元の方のご意見もありますので、話し合いをしてからになると思います。
(質問)
 具体的に、いつごろまでに変えたいと思っているのか。

(市長)
 まだ、イメージできていないです。

(質問)
 震災がれきの受入れについて、松山市としての課題を聞きたい。

(市長)
 松山市においては、災害廃棄物が放射性物質によって汚染されていないことを前提に協力するという方針をすでに公表しています。被災地における災害廃棄物の処理は、復旧・復興の大前提だと思っています。広域処理の必要性は十分に認識しています。現状においては、災害廃棄物の受入れについて、市民からの放射性物質の拡散を懸念する意見が多く寄せられておりまして、市民の不安を解消して理解を得ることは困難な状況にあります。今後、国が国民の不安払拭のための説明会を各地域で開催するなど積極的に環境を整えるとともに、県下の市町が共通認識を持ってこの問題に対処できるよう、県が受入れについての方向性を示すなど、市民の安全・安心が担保された場合には、市民のご理解を得たうえで、本市でも安全性を十分に確認して、広域処理の窓口である愛媛県と連携を図りながら対応していきたいと思います。

(質問)
 維新の会の関連で、国政を変えようという動きが松山に波及することへの期待や展望について聞きたい。

(市長)
 今、国会で物事が決まらないということが良くないと思っていますので、とにかく国民のために仕事をしてくださいというのが、私の基本軸であり、そのような状態になってほしいと思っています。

(質問)
 維新塾で学んだ人にも国民のための仕事をしてほしいと思っているのか。

(市長)
 はい。

お問い合わせ

シティプロモーション推進課

〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7-2 本館5階

電話:089-948-6705

E-mail:city-promo@city.matsuyama.ehime.jp

本文ここまで