平成23年12月27日 今年1年を振り返って

更新日:2012年3月1日

  • 日時  平成23年12月27日(火曜日)午前11時から
  • 場所  本館3階第1会議室
  • 記者数  15人

議題 

  • 今年一年を振り返って

会見内容

(市長)
 平成23年も残すところ、今日を入れて後5日となりました。
報道関係の皆さまには、この1年、大変お世話になりました。
 さて、今年を振り返ってみますと、まず何より忘れられないのが、3月11日に発生した「東日本大震災」でございます。
 被災地を訪問させていただいた際は、目の前の惨状に絶句し、改めて自然災害の恐ろしさを知らされるとともに、備えの重要性を痛感いたしました。原発事故も加わった、この国難ともいえる災害に対し、本市では、震災直後から被災地支援本部を設置し、緊急消防援助隊や保健師などの職員派遣による人的支援を行うとともに、支援物資や義援金に加え、「財団法人 台北市 松山慈祐宮(じゆうぐう)」などからいただいた義援金を活用し、学校給食運搬車などの提供による物的支援を行うほか、本市へ避難されている方々へも、訪問相談チームがお訪ねしたり、相談を受ける窓口を市民相談課に設置するなど物心両面からの支援を行っているところでございまして、今後とも、引き続き、最大限の温かい手を差し伸べていきたいと考えております。
 また、「東日本大震災」を受け、本市での災害に対する備えについても、さらなる強化を図るため、異例ではございましたが、年度途中で「危機管理担当部」を新設し、「災害対策本部室」を市庁舎内に常設するなどの体制を整えました。

 一方、今年は、ドイツで開催された女子ワールドカップサッカーで日本代表が見事に優勝を飾るなど、未曽有の震災により、国内に暗いムードが漂う中、国民を勇気づける明るい話題もありました。
 先日、今年の世相を表す漢字に『絆』が選ばれましたが、今年は、「東日本大震災」などの災害により、家族や仲間、地域とのつながりの大切さを、また、「なでしこジャパン」の健闘により、チームワークの大切さを、国民が改めて認識した年であったと思います。

 さて、ここで国政に目を転じてみますと、法案審議に時間を要していることはもとより、国民生活に大きな影響を及ぼす社会保障と税の一体改革などの協議がなかなか進まないなど、相変わらずの「ねじれ状態」にございます。
 地方は、厳しい財政状況の中、徹底した行財政改革に取り組みながら、行政サービスの向上に努めているところでありますが、地域主権改革がスローダウンし、真の分権型社会はいつ到来するのか、また、子ども手当制度の見直しなどによる地方財政措置がどうなるのかなど、政局による影響が推し測れないことから、今後の行財政運営に不安を抱かずにはいられないところでありますので、国に対しましては、今後とも、真に国民や地方が望む政策の決定や実行について強く声をあげていきたいと思っております。
 また、経済情勢につきましては、依然としてリーマン・ショックの後遺症から抜け出せないうちに、震災による供給ショックなどにより追い打ちをかけられました。今ようやく震災の打撃からは立ち直ろうとしておりますが、歴史的な円高を記録し、高止まりしていることや、欧州危機などの景気を下振れさせる大きなリスクが、まだなお存在しております。
 また、こうした情勢を受け、雇用面におきましても、完全失業率が高止まりしていて、国民は厳しい生活を余儀なくされているところです。国におきましては、円高への総合的対応策を閣議決定し、リスクに強靭な経済の構築を目指しているところではありますが、日銀が発表した12月の短観におきまして、景況感が半年ぶりにマイナスとなるなど、現時点においては、景気回復の実感はなく、国民生活の不安はなかなか払拭されない状況にございます。

 こうした状況の中、私は、この1年、大好きな松山のために、「一人でも多くの人を笑顔に」という思いで、何事にも前向きに、そして全力で取り組んでまいりました。「現地・現場を大切にする」、「市民目線で物事を判断する」というスタンスのもと、各分野にわたる行政サービスの推進はもとより、市民の皆さんとのお約束である公約の実現について徹底的に取り組んできたところでございます。

 まず、いち早く「タウンミーティング」の開催に着手し、今年は15地区において、地域の魅力や課題などに関し、地域の皆さんから生の声をお聞きしました。職員にとっては机の上で職務を行うことの方が、はるかに楽でありますが、地域の方々と率直な意見交換を行い、共通認識を深めた上で、課題解決などを図っていくことが、市民参画による市政推進には不可欠であると思いますので、今後におきましても、行政サービス向上のため、地域の皆さんとしっかりと向き合い、ともに考えながら進めていきたいと思っております。

 次に、「小中学生スクールミーティング」も新たにスタートいたしました。
 近年は、子どもが集まって遊ぶなどの機会が減少していることから、コミュニケーション能力が育ちにくくなっています。まさに言葉は「生きる力」でありますので、次代を担う子どもたちが、その力を身に付けることができるよう、取り組んでいきたいと思っております。

 また、幼稚園・保育所の園庭の芝生化にも取り組みました。芝生化は、コミュニケーション能力の向上のみならず、運動能力の向上にもつながります。整備に際しては、職員や園児だけでなく、保護者や地元の皆さんにも参加していただき、地域全体で子どもを育む環境づくりに取り組みました。芝生の上で、子どもたちが裸足で、眼をキラキラと輝かせ、こぼれんばかりの笑顔で駆け回っている姿が見られたことで、私自身、子どもたちから元気を与えられました。

 次に、松山を全国に積極的にPRするため、トップセールスを鋭意行ってまいりました。
 まず、松山ならではのまつやま農林水産物ブランドについて、私自身が生産地に足を運び、生産者から直接、生産上の苦労や工夫を聴いた上で、東京の大田市場をはじめ、各地に出向き、卸売業者などに商品の良さを直にお伝えすることで販路の開拓・拡大に取り組んでまいりました。
 その結果、「紅まどんな」につきまして、販売元への注文が殺到しているなど、着実な成果を実感しているところであります。

 また、観光PRにつきましても、5月には大阪で旅行業者など約200人を前に、松山旅行商品のプレゼンテーションを行うなど、交通事業者や旅行会社の代表者に民間と同様、商談としてのセールスを実施してまいりました。
 宮島・呉・松山を航路で結ぶ「瀬戸内はいくるーず」の新たな商品化や、JRが展開する「重点送客キャンペーン」の誘致に成功するなど、観光誘客に向けた取り組みが確実に進展を見せておりますので、今後の観光交流人口の拡大に期待を寄せているところであります。

 さらには、台湾・台北市とお互いに訪問を重ねる中で、11月には台北市において、松山秋まつりの神輿による鉢合わせを披露したほか、道後温泉と新北投(しんぺいとう)温泉との間で民間レベルの交流協定が締結されるなど、信頼感や親密感が高まってきておりますので、今後、市民交流、観光誘客のさらなる促進が図られるものと思っております。

 また、土地の産物を知ってもらい人を招く「地産知招」として、城山公園において「えひめ・まつやま産業まつり」を開催いたしました。開催期間中は、約10万人の方々にご来場いただきましたので、大盛況のもと、市民の皆さんに地元産品への愛着を深めていただけたものと思っております。
 そのほか、子宮頸がんなどのワクチン接種を県内でいち早く実施するとともに、個別妊婦歯科健康診査の全額助成を開始し、さらには、9月から入院費の無料化を小学校3年生まで拡大したところであります。

 一方、今年は、職員が逮捕・起訴されるなど、不祥事も発生いたしました。
 大変残念で悔しく思うとともに、市民の皆さまに誠に申し訳なく思っております。改善すべきところは改善を図ることはもちろん、倫理意識の徹底に取り組み、職員とともに気を引き締めて職務を遂行してまいりたいと思っております。
 以上、1年を振り返ってみました。

 さて、来年は、2月に、参加者が5,000名から7,000名に拡大をされ、第50回大会として開催される「愛媛マラソン」をはじめ、7月には、地方球場では初となる2回目の「プロ野球オールスターゲーム」が開催されることとなっておりますので、こうしたイベントの盛大な開催により、まちに活気を与えることに加え、観光誘客や、まつやま農林水産物ブランドのトップセールスに引き続き取り組むことで、地域経済の活性化を図っていきたいと考えております。
 また、中心市街地の空き店舗を活用した保育サービスの提供をはじめとする交流スペースが誕生するなど、市民生活に密着した事業も形を見せ始めます。

 財政事情が厳しい中ではありますが、「一人でも多くの人を笑顔に、全国に誇れるわがまち松山」を目指して、こうした事業をはじめ、各般にわたる施策に積極的に取り組み、まちづくりを推進していきたいと考えております。
 また、市民の皆さんとのお約束である公約の実現に向けましても、全力で取り組んでいきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

(質問)
 愚陀佛庵の復元場所について、12月中に県と市で協議すると聞いていたが状況を知りたい。

(市長)
 できるだけ早く協議したいと思っていましたが、遅れている状況です。今、県と市の事務方で調整していますので、私の判断を求められる状況になっていません。

(質問)
 想定外のことが起こるなど、遅れる要素があるのか。

(市長)
 ありません。

(質問)
 道後からの提案を受けた再検証などによって遅れているのか。

(市長)
 法的規制の有無、安全性の確保、交通アクセス、周辺環境、責任ある維持管理体制の構築など、色々な視点で考えなければなりません。今、県と市で進めているところです。

(質問)
 県と市の協議開始及び復元場所の決定についてスケジュールを知りたい。

(市長)
 今のところ未定です。

(質問)
 来年度予算への反映はできるのか。

(市長)
 当初予算案に計上するためには、年内に復元の場所、事業主体、復元の手法などを決める必要がありましたが、現時点で事務局である愛媛県から会議開催の連絡がありませんので、年内の決定は困難だと思っています。

(質問)
 来年度予算への反映は難しくなったということなのか。

(市長)
 はい。現段階で確定的なことは申し上げられませんが、スケジュール的には非常に厳しいと感じています。

(質問)
 雇用情勢を改善するためには企業誘致が大切になるが、この一年間の実績と来年に向けた方針を聞きたい。

(市長)
 今年は、300人規模のパソナテックさんの事務センター誘致、そしてIT企業のSkyさんの誘致等がありました。市内企業の拡大も大事なことだと思いますので、関東へ移転する可能性のあった企業が市内で拡大移転していただけたことも良かったと思っています。今、発表する段階にありませんが、担当課が交渉している案件が多々ありますので、担当課と私で意見交換を重ねながら、誘致の成立に向けて頑張っているところです。トップセールスは大きく企業誘致、観光、地元産品の三種類ありますが、来年もしっかりやっていきたいと思っています。

(質問)
 来年、新しい企業誘致の話があるのか。

(市長)
 今、交渉している段階なので、応援していただきたいと思います。

(質問)
 1月に伊方原発が3機とも止まることが懸念されている。市として追加的な節電対策を考えているのか。

(市長)
 今、夏にしていたエレベーターの1台停止等色々やっています。市役所には、自らが節電に努め、市民の方が節電の意識を持っていただくための意識づけを行う役目があると思います。

(質問)
 愚陀佛庵の復元場所は現時点でどこが有力なのか。

(市長)
 県と市の事務方で協議した結果、判断を求められる状態になって私のところにくると思いますので、その時に判断をさせていただきたいと思います。

(質問)
 以前の見通しから変わって、現在は白紙の状態ということなのか。

(市長)
 私のところにきた時点で、判断させていただきたいと思います。

(質問)
 愚陀佛庵は松山市にとってどのような位置付けになるのか。

(市長)
 愚陀佛庵、一草庵、庚申庵で「三庵めぐり」をしてきましたので、大事な観光資源だと思っています。

(質問)
 増大する生活保護費について、来年度の対策を聞きたい。

(市長)
 現在、適正化プログラムを実施していますが、今後も適正化に向けてあらゆる手段を考えるよう、生活保護担当課に指示したところです。

(質問)
 来年度予算編成の方針を聞きたい。

(市長)
 徹底的に公約にこだわっていきたいと思っています。公約には、タウンミーティングのように、すぐに取り組み成果がでるものもあれば、風早レトロタウン構想、中島地区を中心とした愛ランド里島構想、三津の朝市の活性化、花園町通りの歩いて楽しいまちづくりのように成果がでるまで何年か要する公約もあります。このような公約は、市民の皆さんと一緒になって計画を練り、取り組むことが大事だと思いますので、市民の皆さんの声をいただきながら、公約実現をより加速化させていくための予算にしたいと思っています。

(質問)
 年末年始のスケジュールを知りたい。

(市長)
 今年は去年に比べると休みがありますが、家で色々な計画を練ったり、構想を立てるといった年末年始になると思っています。日々スケジュールに追われる中では、なかなか発想が湧きにくく、まとまった時間がとれた時に色々な発想が浮かんできます。
 1月1日は年賀はがき配達出発式、また、新春城山登山マラソンがあります。

(質問)
 県外に旅行に行ったりしないのか。

(市長)
 県外に出ると新たな発想が湧きますので、良いのかもしれませんが、出張時に県外の良いところは見ています。家族での旅行はとても無理だと思います。

(質問)
 連休はとれないのか。

(市長)
 連休をとるより、仕事です。

(質問)
 愛媛マラソンは来年開催されるが。

(市長)
 第50回という記念大会でありますので、この機会に国際交流という側面を出せたらと思いまして、松山の友好都市である韓国の平澤市(ぴょんてくし)の市長さんとランナーの方々をお迎えすることになっています。当日は、平澤(ぴょんてく)市長さんをおもてなしさせていただきたいと思っています。マラソンについては、新春城山登山マラソン、ファミリーコース2.5キロに出場し、一生懸命走りたいと思っています。

(質問)
 愛媛マラソンに出場しないのか。

(市長)
 過去に挑戦された前市長の中村時広知事は「野志さんは身長が高く体重が重い分、私よりも膝や足首、腰にくる負担が絶対に大きいと思うから、軽々やるもんじゃないよ。」とおっしゃいました。また、出場後、微熱が続くなど、調子が悪い状態が1カ月続いたと聞いています。これでは仕事に影響してしまいますので、十分な鍛錬ができた場合は考えるかもしれませんが、なかなかそのような時間がないのが現状です。

(質問)
 花園町通りの開発の具体的な進め方は決まっているのか。

(市長)
 これまでロープウェー街や道後温泉周辺を整備しましたが、街が変わる話になると、地元の方はどうしても不安感を持たれますので、しっかりと説明することが大事だと思います。今、こうしたいなという構想を持っていますが、いろいろな調査や社会実験を行いますので、それらを踏まえて、より良いものにしていきたいと思っています。

 まちづくりはコスト面など、10年20年先を見越して行うものだと思っています。松山はコンパクトシティですから、将来に向けて歩いて楽しいまちづくりをしていこうと思っています。国民一人ひとりが3000歩、歩数を増やせば、医療費が2700億円減少するという国のデータがありますし、東京に比べると、松山の方々はあまり歩かないので、歩いていただこうという意味も含めています。将来、良かったなと言っていただけるような事業にしていきたいと思っています。

(質問)
 NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」が終了したが、坂の上の雲ミュージアムの今後のあり方について聞きたい。

(市長)
 「坂の上の雲」は明治期の日本が貧しかった時代に、苦しい上り坂の上にある一朶の雲、目標に向かってみんなで手を携えて上っていこうというのが、私の感じる「坂の上の雲」の理念です。今、厳しい状況を迎えている日本にも共通する理念だと思っていますので、そういった理念を感じていただける施設になればと思っています。

 また、今年、愛知県犬山市の明治村さんと観光交流調印をさせていただきました。明治村さんにも「坂の上の雲」縁の展示物がありますので、今後、さまざまな連携をしていきたいと思っています。

(質問)
 子規記念博物館は子規の研究機関的な要素もあると思うが、坂の上の雲ミュージアムは違うのか。

(市長)
 子規博と同様に、坂の上の雲ミュージアムにも専門の学芸員がいますので、様々な研究をしています。

(質問)
 「瀬戸内はいくるーず」について、市内施設と大和ミュージアムなど市外の施設の共通入場券販売やイベントなど連携は考えていないのか。

(市長)
 お客さまのニーズを見ながら、できることはやっていきたいと思います。

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