令和3年度 市県民税の税制改正
更新日:2020年11月27日
給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替
給与所得控除及び公的年金等控除の控除額を一律10万円引き下げ、基礎控除の控除額を10万円引き上げます。
※給与所得と公的年金雑所得の双方を有する方については、所得金額調整控除の対象となります
給与所得控除の改正
1.給与所得控除が一律10万円引き下げられます。
2.給与所得控除の上限額が適用される給与収入の金額が850万円、その上限額が195万円にそれぞれ引き下げられます。なお、子育て世帯等には負担が生じないよう、措置が講じられます(所得金額調整控除)。
給与等の収入金額 | 給与所得控除 | |
---|---|---|
改正後 | 改正前 | |
162万5千円以下 | 55万円 | 65万円 |
162万5千円超180万円以下 | その収入金額×40%ー10万円 | その収入金額×40% |
180万円超360万円以下 | その収入金額×30%+8万円 | その収入金額×30%+18万円 |
360万円超660万円以下 | その収入金額×20%+44万円 | その収入金額×20%+54万円 |
660万円超850万円以下 | その収入金額×10%+110万円 | その収入金額×10%+120万円 |
850万円超1,000万円以下 | 195万円 | |
1,000万円超 | 220万円 |
公的年金等控除の改正
1.公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。
2.公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額の上限が、195万5,000円となります。
3.公的年金等に係る雑所得以外の所得の合計額が1,000万円を超え2,000万円以下である場合は一律10万円が、2,000万円を超える場合は一律20万円が、それぞれ1及び2の公的年金等控除額から引き下げられます。
公的年金等 の収入金額 (A) |
公的年金等控除額 | |||
---|---|---|---|---|
改正後 | 改正前 | |||
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||||
1,000万円以下 |
1,000万円超 2,000万円以下 |
2,000万円超 | 区分なし | |
130万円以下 | 60万円 | 50万円 | 40万円 | 70万円 |
130万円超 410万円以下 |
(A)×25%+ 27万5千円 |
(A)×25%+ 17万5千円 |
(A)×25%+ 7万5千円 |
(A)×25%+ 37万5千円 |
410万円超 770万円以下 |
(A)×15%+ 68万5千円 |
(A)×15%+ 58万5千円 |
(A)×15%+ 48万5千円 |
(A)×15%+ 78万5千円 |
770万円超 1,000万円以下 |
(A)×5%+ 145万5千円 |
(A)×5%+ 135万5千円 |
(A)×5%+ 125万5千円 |
(A)×5%+ 155万5千円 |
1,000万円超 | 195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 |
公的年金等 の収入金額 (A) |
公的年金等控除額 | |||
---|---|---|---|---|
改正後 | 改正前 | |||
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 | ||||
1,000万円以下 |
1,000万円超 2,000万円以下 |
2,000万円超 | 区分なし | |
330万円以下 | 110万円 | 100万円 | 90万円 | 120万円 |
330万円超 410万円以下 |
(A)×25%+ 27万5千円 |
(A)×25%+ 17万5千円 |
(A)×25%+ 7万5千円 |
(A)×25%+ 37万5千円 |
410万円超 770万円以下 |
(A)×15%+ 68万5千円 |
(A)×15%+ 58万5千円 |
(A)×15%+ 48万5千円 |
(A)×15%+ 78万5千円 |
770万円超 1,000万円以下 |
(A)×5%+ 145万5千円 |
(A)×5%+ 135万5千円 |
(A)×5%+ 125万5千円 |
(A)×5%+ 155万5千円 |
1,000万円超 | 195万5千円 | 185万5千円 | 175万5千円 |
基礎控除の改正
1.基礎控除額が一律10万円引き上げられます。
2.納税義務者の合計所得金額が2,400万円を超える場合は、その合計所得金額に応じて控除額が逓減し、2,500万円を超えると適用がなくなります。
所得割の納税義務者の前年の合計所得金額 | 基礎控除額 | |
---|---|---|
改正後 | 改正前 | |
2,400万円以下 | 43万円 | 33万円 (所得制限なし) |
2,400万円超2,450万円以下 | 29万円 | |
2,450万円超2,500万円以下 | 15万円 | |
2,500万円超 | 適用なし |
調整控除の改正
前年の合計所得金額が2,500万円を超える納税義務者については調整控除の適用はなくなります。
所得金額調整控除の創設
下記に該当する場合は、給与所得から所得金額調整控除額が控除されます。
1.給与等の金額が850万円を超え、下記のアからウのいずれかに該当する場合
ア.特別障害者に該当する
イ.年齢23歳未満の扶養親族を有する
ウ.特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する
所得金額調整控除額=(給与等の収入※(1)-850万円)×10%
※(1)1,000万円を超える場合は1,000万円
2.給与所得と公的年金雑所得の両方があり、その合計金額が10万円を超える場合
所得金額調整控除額=(給与所得※(2)+公的年金雑所得※(2))-10万円
※(2)10万円を超える場合は10万円
非課税基準、扶養親族等の合計所得金額要件等の改正
所得控除等の合計所得金額の要件が見直されます。
要件等 | 改正後 | 改正前 | |
---|---|---|---|
同一生計配偶者及び扶養親族の前年の合計所得金額要件 | 48万円以下 | 38万円以下 | |
配偶者特別控除の対象となる配偶者の前年の合計所得要件 | 48万円超133万円以下 | 38万円超123万円以下 | |
勤労学生の前年の合計所得金額要件 | 75万円以下 | 65万円以下 | |
家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保証額 | 55万円 | 65万円 | |
ひとり親及び寡婦に係る生計を一にする子の前年の総所得金額等要件 | 48万円以下 | 38万円以下 | |
雑損控除に係る親族の前年の総所得金額等要件 | 48万円以下 | 38万円以下 | |
障害者、未成年者、ひとり親及び寡婦に対する個人市民税・県民税の非課税措置の前年の合計所得金額要件 | 135万円以下 | 125万円以下 | |
均等割の非課税限度額の前年の合計所得金額 (非課税となる方) |
同一生計配偶者及び 扶養親族がない方 |
31万5千円+10万円 | 31万5千円 |
同一生計配偶者又は 扶養親族がある方 |
31万5千円×(同一生計配偶者+扶養 親族+本人)+10万円+18万9千円 |
31万5千円×(同一生計配偶者+扶養 親族+本人)+18万9千円 |
|
所得割の非課税限度額の 前年の総所得金額等 (均等割のみ課税される方) ※非課税者を除く |
同一生計配偶者及び 扶養親族がない方 |
35万円+10万円 | 35万円 |
同一生計配偶者又は 扶養親族がある方 |
35万円×(同一生計配偶者+扶養 親族+本人)+10万円+32万円 |
35万円×(同一生計配偶者+扶養 親族+本人)+32万円 |
ひとり親控除の創設、寡婦(夫)控除の見直し
婚姻歴や性別にかかわらず、生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者(合計所得金額500万円以下)は、「ひとり親控除」を適用します。
上記以外の寡婦については、引き続き寡婦控除を適用することとし、子以外の扶養親族を持つ寡婦についても、男性の寡夫と同様の所得制限(合計所得金額500万円以下)を設けます。
また、ひとり親についても、寡婦と同様に前年の合計所得金額が135万円以下である場合は、住民税が非課税となります。
改正後 | 改正前 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
配偶関係 | 死別 | 離別 | 未婚 | 死別 | 離別 | 未婚 | |||||
合計所得金額 | 500万円以下 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | 500万円以下 | 500万円超 | ||||
扶養親族 | 有 | 子 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 26万円 | 30万円 | 26万円 | - | - |
子以外 | 26万円 | 26万円 | - | 26万円 | 26万円 | 26万円 | 26万円 | - | - | ||
無 | 26万円 | - | - | 26万円 | - | - | - | - | - |
改正後 | 改正前 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
配偶関係 | 死別 | 離別 | 未婚 | 死別 | 離別 | 未婚 | ||
合計所得金額 | 500万円以下 | 500万円以下 | ||||||
扶養親族 | 有 | 子 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | - |
子以外 | - | - | - | - | - | - | ||
無 | - | - | - | - | - | - |
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における特別措置
新型コロナウイルス感染症及びその感染防止のための措置が納税者等に及ぼす影響の緩和を図るため、市・県民税についても下記の税制上の措置が実施されました。
住宅ローン控除の適用要件の弾力化
【1】住宅ローン減税特例措置の入居期限要件
住宅ローン控除の控除期間13年間の特別措置について、新型コロナウイルス感染症の影響により入居期限(令和2年12月31日)までに入居できなかった場合でも、次に掲げる要件を満たす場合、令和3年12月31日までに入居すれば特例対象とします。
〈適用要件〉
1.一定の期間までに契約を行っていること。
- 注文住宅を新築する場合:令和2年9月末
- 分譲住宅・既存住宅を取得する場合、増改築等をする場合:令和2年11月末
2.新型コロナウイルス感染症の影響によって、注文住宅、分譲住宅、既存住宅または増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと。
【2】既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の入居期限要件
既存住宅を取得した際の住宅ローン減税の入居期限要件(取得の日から6ヵ月以内)について、取得後に行った増改築工事等が新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響で遅れ入居が遅れた場合でも、以下の両方の要件を満たしていれば、入居期限を「増改築等完了の日から6ヵ月以内」とします。
〈適用要件〉
1.以下のいずれか遅い日までに増改築等の契約が行われていること。
- 既存住宅取得の日から5ヵ月後まで
- 関連税制法の施行の日(令和2年4月30日)から2ヵ月後まで
※施行の日より前に契約が行われている場合でも構いません。
2.取得した既存住宅に行った増改築等について、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響によって、増改築等後の住宅への入居が遅れたこと。
※詳しくは、国土交通省(外部サイト)のホームページをご確認ください。
チケット払戻請求書権の放棄した観客などへの寄附金控除適用
政府の自粛要請を踏まえて中止・延期・規模の縮小が行われた文化芸術・スポーツイベントについて、チケットの払戻請求を行わなかった(払戻請求権を放棄した)場合に、その金額分を寄附とみなし、寄附金控除を受けることができます。
〈対象イベントとなる要件〉
文化庁やスポーツ庁に指定を受けた以下のすべての要件を満たすもの
- 文化芸術またはスポーツに関するもの
- 令和2年2月1日から令和3年1月31日までに開催されたまたは開催する予定であったもの
- 不特定かつ多数の者を対象とするもの
- 日本国内で開催されたまたは開催する予定であったもの
- 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、現に中止・延期・規模縮小されたもの
- 中止等の場合には、入場料金・参加料金等の払い戻し規約等のあるものまたは現に払い戻しを行っているもの
※松山市は、文化庁及びスポーツ庁が指定したすべてのイベントについて、寄附金控除の対象としています。指定イベントは、文化庁(外部サイト)及びスポーツ庁(外部サイト)のホームページをご覧ください。
〈控除額〉
(寄附金の合計額-2,000円)×10%
※控除対象となるチケット料金は、年間で最大20万円です。
※寄附金の合計額は
- 控除対象となるチケット料金と他の寄附金の金額の合計額
- 総所得金額等の合計額×30%
いずれか少ない金額です。
〈手続きの流れ〉
- 対象イベントの主催者に払戻しを受けないことを連絡します。
- 主催者から「指定行事証明書」及び「払戻請求権放棄証明書」の交付を受けます。
- 証明書記載の日付をご確認いただき、対象となる年度の確定申告及び市・県民税の申告を行います。