野原櫓と乾櫓
更新日:2022年2月1日
野原櫓 (重要文化財)
本丸の北西にある野原櫓
野原櫓は乾櫓とともに本丸北西を防備するとともに、その東にあった小筒櫓(跡)と本丸の北側を防衛する重要な櫓であり、日本で唯一現存する望楼型二重櫓で、天守の原型といわれています。
野原櫓(騎馬櫓)は、1階の天井の梁(はり)を通じて2階を支える構造となっています。これは「現存12天守」の犬山城と同じ初期の望楼型(ぼうろうがた)と言われる建築手法です。黒船来航の前年に再建された松山城の天守は層塔型(そうとうがた)といわれる天守台(柱を受ける土台)の精度が要求される建築技術となっており、城郭の作事(建築)の技法が進化していく過程を本物で見ることができるのも松山城の魅力です。
乾櫓 (重要文化財)
本丸の西にある乾櫓
乾櫓は築城当初の二重の隅櫓で、本丸の乾(北西)の隅にある鈍角の石垣の上に鈍角の櫓が建っています。乾門・同東続櫓とともに搦手(裏側)を防衛する重要な構えです。
弾丸が壁を貫けないように壁の中に小石や瓦を詰めて厚くする、太鼓壁構造となっています。