平成25年1月7日 新年のあいさつ

更新日:2013年1月16日

  • 日時 平成25年1月7日(月曜日)午前10時30分から
  • 場所 本館3階第1会議室
  • 記者数 16人

議題

  • 新年のあいさつ

会見内容

 新年明けましておめでとうございます。
 本日は、今年最初の定例記者会見をかね、皆様方に新年のごあいさつをさせていただきたいと思います。
 昨年、大晦日のNHK紅白歌合戦では、「松山うたこころ大使」五木ひろしさんの松山市二番町を舞台にした『夜明けのブルース』の熱唱、また、AKB48の「松山~」のバックコーラスをご覧になり、多くの方が、胸を熱くされたのではないでしょうか。この歌を通して、ふるさと松山が全国に発信され、松山に行ってみたいと思われる方が一人でも多く生まれるのではないかと期待を膨らませているところです。
 さて、昨年暮れには、「危機管理突破内閣」と銘打った新政権が発足し、「日本経済再生」と「デフレ脱却」を前面に掲げ、市場が株価上昇で迎えるなど、今年は景気が回復していくのではとの期待が高まっております。
 一方で、今年の7月には、参議院選挙が予定されており、与野党や第三極の動きが活発化していくことが予想されますが、経済再生や原発問題を含めた復興加速、外交の立て直しなど、山積する難問はいずれも待ったなしとなっていますので、国民の政治に対する信頼を1日も早く取り戻していただきたいと思います。
 このような中、地方におきましては、少子高齢化や長引く景気の低迷による民生費の増加など、地方の行財政を取り巻く環境は、さらに厳しさを増していくことが懸念されます。 
 特に生活保護費は過去最多を更新し続けており、もはや一地方公共団体の自助努力では対処できない状況です。
 本市におきましては、今後も徹底した行財政改革を推進することはもちろん、最小の経費で最大の効果を上げられるように、これまで以上に徹底したコスト意識と時代の変化に対応できる経営感覚を取り入れた効率的な行政運営に努めていきたいと思います。

 さて、今年は市内南北2ケ所に「地域相談支援センター」を設置し、これまでの身体・知的・精神の3障がいに加え、一つの窓口で発達障害や高次脳機能障がい、難病、虐待に関する相談にも応じられる総合的相談支援体制がスタートするとともに、業務系システム最適化計画に合わせ導入を目指してきたコンビニエンスストアでの保険料や市税などの納入について、4月からまず介護保険料の取り扱いを開始し、その後、保育料や市税などについてもシステム構築が終了次第、順次、導入することにしており、市民サービスの充実をさらに進めてまいります。
 本市の基幹産業の一つである観光産業におきましては、広島地域と連携した新たな観光戦略、「瀬戸内・松山」構想を掲げ、昨年、JRによる「重点送客キャンペーン」を実現させるなど、多くの成果を上げてまいりました。
 現在、松山市、広島市、呉市、廿日市市の自治体4市に加えて、船舶会社2社、鉄道事業者2社にも参画いただいた、「瀬戸内・松山ツーリズム推進会議」という広域エリアにおける官民連携による組織が発足し、商品開発力と営業力を磨きながら、「瀬戸内・松山ツーリズム」の旅行市場への定着と、さらなる観光客の誘致に向けて、積極的に取り組んでいるところです。
 すでに今年は、近畿日本ツーリストと日本旅行によって商品名『日本の旅 き・ら・り』、来年はJTBによって商品名『日本の旬』で、それぞれの年の4月から9月までの半年間にわたり、大型誘客キャンペーンを展開していただけることが決定しています。
 そして、来年の2014年は、瀬戸内海が全国で初めて国立公園に指定されてから80周年、道後温泉本館が建設されてから120周年、四国八十八ケ所霊場が開創されて1200年という三つの節目にあたります。
 まさに偶然に偶然が重なったといえるこのチャンスを最大限に活かし、市内外からの新たな誘客に挑戦したいと思います。

 また、今年は、初代道後湯之町町長として、道後温泉本館の改築に尽力された「伊佐庭如矢」さんに対しまして、さまざまな角度から顕彰を行います。
 「伊佐庭如矢」さんは、一つには、道後温泉本館の改築を、当時としては珍しい三層楼の形とし、屋根裏のトラス工法の採用や、振鷺閣にギヤマンというという赤いガラスを使用するなど、洋風建築の技術を取り入れ、町を二分するほどの賛否がある中、英断を下されたと聞いています。
 二つ目は松山城の公園化です。
 当時、明治政府により廃城令が出され、松山城も取り壊しの危機にありましたが、嘆願書を起草し、松山城の公園化を訴え、何とか認められ、この功績により、全国で現存の12天守の一つとして我々の時代に引き継がれたことは、大いに感謝すべきことだと感じています。
 三つ目は、道後鉄道の開設です。
 道後温泉の改築を進める一方で、多くの観光客や入浴客を道後温泉に引き入れるために、一番町~道後間と道後~(現在の古町駅北付近にあたる)三津口間を結ぶ道後鉄道の開設にご尽力されました。
 四つ目は、道後公園の整備です。
 当時放置され、荒廃していた道後公園を回遊式の庭園にし、散策や催しを楽しめる公園に整備しました。
 また、松山のお土産の一つとして「坊っちゃん団子」が有名ですが、この元となった「湯ざらし団子」は如矢さんの考案と言われています。
 このように、100年先を見据えた道後温泉を活かしたまちづくりをされた人物ですが、意外にも市民の皆さんに、あまり知られていないのが現状です。
 そこで、これらの偉業を紹介することで、地域の魅力を再認識するとともに、道後温泉の活性化につなげていきたいと考えています。
 そして、120年前に100年後のふるさとを見据えてまちづくりを行われた如矢さんの精神に畏敬の念を表しつつ、1200年前から「お遍路さん」をはじめとした「おもてなしの心」を継承してきたすばらしい先人の方々に見習い、私自身も、この大好きな松山のために微力ながら不断の努力を惜しまない覚悟であります。

 最後になりますが、本年におきましても、これまで同様「一人でも多くの人を笑顔に全国に誇れるわがまち松山」の理念のもと、各般にわたる行政サービスの充実に努めるとともに、公約につきましても、可能な限り、その実現に向けて、前向きな精神でもって笑顔で取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(質問)
 今年の参院選挙においても、衆院選挙と同じように特定の政党を応援するのか。
(市長)
 「特定の政党」という言い方をされましたが、個人的に個人を支援したと認識しています。前回の記者会見でも申し上げましたが、池本さんは2年前の市長選挙のとき、選挙対策本部長という一番大変な立場で私を支えてくれました。その池本さんが衆議院選挙にチャレンジするということで手を上げられました。私としては「私は知りません」ということでは、人として筋が通らないと思い、応援させていただきました。さまざまなご意見があることは覚悟の上でのことです。
 来たる参議院選挙については、まだ、候補者の顔ぶれがそろっていないので、どのような対応となるのか分かりません。

(質問)
 衆議院選挙において応援した人と同じ政党で、違う候補者が出馬した場合は応援するのか。
(市長)
 候補者が決まっていないので、今の段階では何とも言えません。

(質問)
 1月4日の年賀交歓会では、自民党の国会議員が全員欠席したが、どう受け止めているのか。
(市長)
 お二人はご予定があったと伺っています。「知事と市長がこき下ろした」とのコメントを報道で知りましたが、これについては真意が伝わっていないと思っています。
 衆議院選挙では、市長を2年させていただいて感じたことについて一貫して申し上げてきました。
 まず、3年前に多くの政党が国会議員の定数削減を約束しながら、それが実現していないこと。二つ目は、国は国がするべき仕事に集中して、地域のことは地域に任せてもらえれば、重複行政が解消でき、もっと地域の声が反映されるということ、この二つのことについて申し上げてきましたので、こき下したということは全くありません。

(質問)
 村上議員からは謝罪を求める言葉が出ているが。
(市長)
 真意が伝わっていないと思っています。

(質問)
 話し合いの場を持つ予定はあるのか。
(市長)
 今のところ予定はありませんが、いろいろと考えたいと思っています。

(質問)
 今後、当初予算の陳情など、政権与党となった自民党と話す機会が出てくるが、やりにくさを感じないのか。
(市長)
 市長は市民の皆さまのためにしっかり働くこと、国会議員は当然国民のために働くこと、その目的は同じですから、大丈夫だと思っています。

(質問)
 自民党市議との知事陳情など、自民党が政権を取ったことによって、これまでの2年間と違った行動になることはあるのか。
(市長)
 まだ先のことですから、これから考えたいと思います。

(質問)
 個人的には、自民党支部との関係はあまり良くないと考えているが、今回の衆院選の結果を受けて何か変えていこうと思うことはあるのか。
(市長)
 市民の皆さんにご迷惑を掛けることがないよう、いろいろと考えたいと思います。

(質問)
 知事が年賀交歓会で実現してほしいと言っていた、銀天街L字地区の開発について状況を聞きたい。
(市長)
 報道されたことは、大きな方向性としては間違っていませんが、具体的なことを発表できる段階ではありません。
 これからの松山市の在り方を考えますと、中心商店街の活性化は大事な柱になりますので、以前から、さまざまな取り組みを実施してきているところです。

(質問)
 市として積極的な誘致を行わないのか。
(市長)
 高度経済成長期のような税収が期待できない時代では、大きな道路を郊外に伸ばしていくことはできません。また、少子高齢化社会を考えても、これからはコンパクトシティを推進していく必要があります。このような観点から中心商店街の活性化は非常に重要となりますので、担当の産業経済部、地域経済課には常々指示を出しているところです。いかなることも取り組んでいきます。

(質問)
 「いかなることも」ということは、L字地区に関しては具体的な誘致について自身が動いていくということなのか。
(市長)
 「いかなる」という表現は適切ではありませんでした。できる限りのことを取り組んでいきます。ただ、民地の開発になりますので、地元住民の皆さんの意向が大事なポイントになると思います。

(質問)
 様子を見ながら考えるということなのか。
(市長)
 デベロッパー(開発業者)は松山だけでなく、全国を相手にしています。全国的に収益性の高いところを探していますから、かなりシビアな交渉となります。皆さんが期待しているのはよく分かりますし、期待に応えたい気持ちも強いのですが、事前には言いづらいところがあるため、抽象的な言い方になってしまいます。発表できる段階になったら、できるだけ早くお知らせしたいと思います。

(質問)
 大街道の旧ラフォーレが空き店舗になっている件について、市長自身はどのようにしたいと思っているのか。
(市長)
 一番町の電車通りに面し、街の目立つところですから、中心商店街活性化にとって大事な場所になります。皆さんの期待も大きいですから、できるだけ早くオープンできるよう、担当者には指示を出しています。ただ、市の土地に市の建物を造るのではなく、民間事業者のことになるため難しい側面もあります。

(質問)
 観光面については、道後温泉本館の代替施設等決めるべきことがあるが、どのように取り組んでいくのか。
 また、国の基準見直しによって、興居島が離島指定となることが報道されたが、今後、離島振興についてどのように取り組むのか。
(市長)
 まず、道後温泉については、審議会の一次答申を1月中には頂けます。この一次答申を頂くことで、本館修復に向けた第一歩を踏み出せることになりますので、具体的に検討していきたいと思っています。また、道後の皆さまが期間をかけて考えられたご提案についても、棚上げということではなく、しっかりと意見を交わしていきたいと思っています。道後は松山の観光にとって大事なところですから、英知を結集していきたいと思っています。
 次に興居島の離島振興の件についてですが、離島振興法が改正されたタイミングでの見直しは、本市としても各種事業を進めやすくなりますので、基本的には歓迎したいと思っています。
 指定された場合、国庫補助事業の補助率がかさ上げされ、離島航路に対する国による配慮がなされます。また、平成25年度に創設される離島活性化交付金の対象となるメリットがあります。今後は国の動向を注視して、情報収集に努めていきたいと思っています。
 私の個人的な思いとしては、人間は自分が住みたい場所で最期を迎えることが理想的な形だと思います。
 これまで中島と興居島でタウンミーティングを開催するなかで、島を歩きましたが空き家が目立っていました。また、中島の病院にはすべての診療科がそろっていない現状もありますので、私が就任してから、人工透析が必要な人や妊婦さんに対する航路補助を実施しています。厳しい財政状況ではありますが、島で暮らしたい人にとって、暮らしやすい島になるよう対策を講じていきたいと思います。
 また、団塊の世代など定年退職された人や農業経験をしてみたい人、島暮らしに興味がある人、松山を気に入っている人にとって、市内中心部へ気軽に行くことができる興居島はぴったりだと思います。本格的な農業をしたい人にとっては、中島が良いと思います。こういった人が島に定住していただけるような対策も探っていきたいと思っています。

(質問)
 離島が抱えている課題は「過疎」であると考えているのか。
(市長)
 「過疎」だけでなく「高齢化」など、さまざまな課題があると思います。これは松山だけではなく、全国の自治体がそういった課題を抱えています。

(質問)
 今後の興居島について、イメージはあるのか。
(市長)
 今、「愛ランド里島構想」を策定している中で、島の人のお気持ちを聴かせていただいています。少しハードルが高いところはありますが、私としては、耕作放棄地の利用について何とかしたいと思っています。
 興居島は穏やかな自然に恵まれた非常に良いところです。街中が恋しくなっても船で10分で本土に着き、公共交通機関を利用すればすぐに中心部に行けますから、Iターンの人にとっても魅力的な場所ではないかと思います。また、興居島から見る本土の夜景も非常に美しいものです。

(質問)
 公共料金のコンビニ収納は市民から要望があったのか。
(市長)
 松山市は市長への直接のメール制度「わがまちメール」があり、複数のご要望が来ています。
 昼間に金融機関へ行き公共料金を納付することができない人も当然いますから、就任以来、コンビニ収納を実施するよう検討していましたが、コンビニ収納のためだけにシステムの改修をするよりも、全体のシステム最適化に合わせて実施する方が費用面など、総合的に見て市民の皆さんにとってプラスになるため、このタイミングでの実施となりました。

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