令和8年新春特別展「子規の友人・俳味画家 下村為山」を開催します
更新日:2025年12月10日
発表内容
下村為山画「老梅」
目的
下村為山(しもむらいざん)は、明治から昭和にかけて活躍した松山市出身の画家です。為山は子規より2歳年上の友人で、二人は絵画と俳句の分野を超えて互いに刺激し合います。子規が病の中で俳句革新に挑み続けたように、為山は生涯をかけて新しい画境「俳味画」(はいみが)に挑戦しました。
為山は、1865(慶応元)年、松山市三番町で松山藩士下村家に生まれました。17歳で上京、洋画家を目指して画塾で学びます。第3回内国勧業博覧会に出品した「慈悲者殺生」(じひしゃせっしょう)が褒賞を受け、新進気鋭の洋画家として注目されました。
1890(明治23)年、為山は子規と知り合い大きな転機を迎えます。俳句に心惹かれ、洋画と並行して俳画の研究に没頭しました。また、為山も子規に大きな影響を与えています。子規は、為山ら洋画家の友人から洋画の「写生」を学び、俳句革新に応用しました。
子規の没後、為山は帰郷して「写生」を生かした新しい俳画の創造に苦心しました。為山はこれを「俳画」ではなく「俳味画」であるとし、独自の画境を拓きます。1915(大正4)年頃からは東京に移り、数々の俳画を描き名声を高めました。一方で、為山は子規の没後も子規派の俳人たちとつながりを持ち続け、彼らの雑誌や句集の装丁を手掛けています。
特別展で、為山の絵に子規が句を添えた「一画一句帖」や、明治から昭和にかけて描かれた為山の俳味画のほか、為山がデザインを手掛けた雑誌や句集を展示します。洋画家としてはじまり、子規と俳句との出会いを機に、独自の「俳味画」を打ち立てた松山の画家・下村為山の魅力に迫ります。
会期
令和7年12月20日(土曜日)から 令和8年2月2日(月曜日)まで
【開館時間】午前9時から 午後5時まで 展示室入場は午後4時30分まで
【休館日】 火曜日、 12月30日は営業
会場
松山市立子規記念博物館 3階 特別展示室
観覧料
個人250円、団体200円、65歳以上125円、高校生以下無料
関連イベント
●学芸員の関連講座
【演題】書簡から見る下村為山
【日時】令和8年1月18日(日曜日) 午後2時から 午後3時30分まで
【場所】1階 視聴覚室 ※入場無料です
●学芸員のギャラリートーク
【日時】令和7年12月27日(土曜日)、令和8年1月31日(土曜日) 午前10時から 50分程度
【場所】3階 特別展示室 ※聴講に特別展の観覧券が必要です
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お問い合わせ
子規記念博物館
松山市道後公園1-30
館長:大石 和可子
担当執行リーダー:平岡 瑛二
電話:089-931-5566
E-mail:sikihaku@city.matsuyama.ehime.jp

