わがまちメール 保育園の定員減少と新園舎
意見の内容
私どもの住んでいる中島地域において唯一利用可能である保育園たる中島こども園は、令和5年度末から建て替えして頂きありがたいと思っています。
この件に関して、4点意見させて頂きますのでご回答ください。
1.中島こども園の定員減少について
建て替えたことにより、受け入れ定員は従前の41名(2、3号は31名)から半分以下の20名(2、3号は19名)となりました。
1歳児クラス〜5歳児クラスまで、5学年で単純計算すれば各学年4人以下です。
保育の定員は57%に、幼児教育の定員は10%にまで削減されたわけです。
松山市の規則では「定員の120%までの弾力運用が可能」とのことですが、それでもたったの+3人です。
現実に、年度開始時点でも在籍園児は19名であり、すでに定員ギリギリの運用です。
「予算が限られているから、需要に合わせて規模を縮小する」というのは、民間営利企業の理論であり、少なくとも"愛らんど里島構想"を掲げる松山市には相応しくない考え方ではないでしょうか。
令和5年度第3回松山市子ども・子育て会議 教育・保育部会 会議録によれば、「定員減少の施設もあるものの、全体としては保育定員は増加している。」として、(本土居住者のみの)委員全員満場一致で異議なく会議は終了しています。
この理屈は、陸続きであれば成立しますが、海を挟んだ島嶼部区域はどうでしょうか。
いかにマイカー全盛の時代といえど、市内の他の保育園に通うことが可能なのでしょうか。
有人離島9島(最低限、中島地域と興居島地域に分けても)は独立して定員設定すべきと考えます。
このまま保育園の定員だけで(乱暴に)考えると、各学年4人で平均寿命85歳とすれば、「中島には、今後340人の人口しか必要ない」と計算したことになります。
これは、地域切り捨てといっても過言ではない数字です。
需要(こども)が少ない地域だからこそ、子育てがしやすい環境整備を進めて、こども(需要)を生み出していくのが、自治体に求められる役割ではないでしょうか。
今からでも遅くありません。施設の拡充をお願いします。
2.中島こども園の新園舎に関して
新園舎はコスト低減のためか、保育室とホールが兼用となっている他、用具室は屋外に設置された既製品の物置となっています。
保育室とホールは、確かに同時使用するものでは無く、兼用するのは一見合理的に思えますが、実際に運用する場合、パーティーションやロッカーその他の移動を伴うため、事前準備の間に園児の居場所がなくなったり、保育士さんの残業につながるほか、保護者には早めのお迎えが求められるなどしています。
また、イベント時には園児の待機場所や着替え場所がなくなってしまい、こどもたちへの心理的な影響も心配です。
屋外倉庫も、保育園で想定される物品は工作に用いる紙類やリネン類など濡れてはいけないものの方が多いと想定されますので、不便かと思います。
市による建設コスト削減のしわ寄せが、現場とこどもたちに及んでいるのが現状です。
せめて、今のうちに増築でホールは最低限建設すべきと考えます。
3.外構の不具合に関して
現在、予算不足による入札の不調から外構整備が出来ておらず、仮に通用門から出入りしていますが、ここは浄化槽および土間コンクリートの施工不良により排水不良が見受けられます。
浄化槽やグリーストラップが近傍にあるところで冠水すると、衛生面やニオイの影響も心配です。
仮運用中はこどもたちや保護者が毎日通行する上、その後も給食などの食材の搬入口になるわけですから、この問題は早急に解決すべきと思います。
4.中島こども園の防災性に関して
新園舎は、旧中島東小学校跡地に建設されましたが、広大な敷地のうち、もっとも海側の海抜の低い区画に盛り土やピロティ方式での建築をすること無く建てられました。
跡地の山側に建設していればそもそも海抜も少し高く、指定避難場所である中島総合文化センターまでの距離は半分程度になるうえ、出入口も交差点や郵便局等の混雑する場所から離れるので、登降園時の交通安全上も望ましかったのではないかと思います。
新しく建設した場所は周囲に比べてかなり低い土地であり、排水が悪ければ周辺道路を含め、災害発生時以外でも頻繁に冠水するエリアです。
当然、ハザードマップ上でも高潮および津波の想定浸水区域内になっています。
避難経路の道路が冠水している状況でこどもたちを果たして安全に避難させることが可能なのでしょうか。
蓋や手すりのない側溝も近くにあり、普段の大雨でも事故リスクは高いと考えます。
新園舎は失敗プロジェクトであったと潔く諦めて地域交流施設としてなど、別の活用を図って再検討するのも一つの手では無いでしょうか。
せめてホールなど、建物の一部だけでもピロティ方式で建築すれば、園舎の下部は駐車場を含めた多目的利用が出来る上、大雨や高潮による冠水にあっても避難場所などとして利用できるのではありませんか。
離島では常備消防が無く、救助組織は本土ほど速やかな来園は望めません。
かけがえのないこどもたちのためにも、コストや予算とは関係なくよろしくご検討くださいますようお願いいたします。
性別:男性
年代:30代
公開日:24年05月21日
公開番号:3340
東中島 その他市政
意見に対する答え
まず、1点目の中島こども園の定員減少についてお答えします。
中島こども園は園舎の建替えに伴い、令和5年度に利用実態に応じて保育定員を見直したところです。保育の需要量の見込みと確保策は、市内を9つの区域に分けて設定しており、中島島しょ部は中島地域として個別に定員設定をしています。
今後も引き続き、出生数や移住による子育て世帯の増加などによる保育ニーズの現況を的確に把握しながら、状況に応じて見直しを行い、子育てしやすい環境整備に努めます。
次に、2点目の中島こども園の新園舎についてお答えします。
中島こども園の新園舎は、現在の利用実態を基に、余裕を持たせた施設規模の建物として整備を行いました。保育室をホールとして使用する際には、そのことで、園児や保護者に不便や不都合が生じたり、保育士の残業につながったりしないよう、実施体制や対応方法を現場でも工夫しながら取り組んでいます。また、園の収納スペースは、屋外倉庫のほか、屋内倉庫を整備していますので、濡れてはいけないものを屋外で保管する状況にはなく、十分に対応ができているものと考えています。
次に、3点目の外構の不具合に関してお答えします。
ご指摘いただいた箇所は、排水機能を向上させるための工事を行うなど、対応方法を検討していますので、方針が決まり次第、早急に対応します。
最後に、4点目の中島こども園の防災性に関してお答えします。
新園舎で保育する園児が避難を要する場合は、ご指摘のとおり中島総合文化センターに避難することにしています。その際、保育士は、園児を手押しの避難車に乗せ、新園舎敷地南側の市道大浦〜吉木線を通って、園児と一緒に避難することを想定していますが、山側に建てた場合、市道までの動線は傾斜がきつく、かえって円滑な避難動線の確保が困難になることや、民家が近隣にあった方が何かあった時に助けを求めることができ、安心して過ごせるといった観点から、海側に新園舎を整備することにしました。このほか、園では、毎月の避難訓練のほか、近隣施設である愛媛県立北高等学校分校と合同で避難訓練を行うなど、日頃から地域とも協力しながら園児が安心して過ごせる環境づくりに取り組んでいます。
今後も引き続き、こどもたちの安全確保に取り組んでいきたいと考えています。
松山市長 野 志 克 仁
(保育・幼稚園課 扱い)
受付番号 051
戻る
お問い合わせ
市民生活課
〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7-2 本館1階
電話:089-948-6447
