平成26年1月6日 平成26年松山市年賀交歓会

更新日:2014年1月17日

 あけましておめでとうございます。今日はまさに新年スタートの日でございます。皆様何かとお忙しい方々ばかりでございますのに、このように多数お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 年始に見る夢を初夢と言いますけれども、私、初夢を見ました。今日は松山の夢のまちづくりについて、年頭にあたり、話をさせていただきたいと思います。松山は41地区に分かれますが、41地区すべてについて話すという訳にはまいりませんので、今日は、ちょっとポイント、ポイントになって恐縮ですが、私の描く松山の夢のまちづくりについて述べさせていただきます。

 まず、全国には約1800市区町村があるわけですが、その中でも松山は路面電車が走っているまちです。これからの環境に配慮したまちづくり、そして少子高齢化に対応したまちづくりには、私は公共交通が非常に大事な存在だと思っています。全国でわずか17都市にしか路面電車は走っておりません。約1800市区町村の中からすると100分の1ぐらいの割合です。今、伊予鉄道さんが運行されていて、郊外電車には、高浜線・横河原線・郡中線があります。そして、路面電車があります。これは、伊予鉄道さんとしっかりとお話をしながらということになりますけれど、私は、市駅のビルを改修させていただいて、郊外電車がそのまま路面電車に、路面電車がそのまま郊外電車に乗り入れることが将来できればと思っています。これからは高齢化の時代です。例えば、高浜沿線、横河原沿線、郡中沿線に住んでいる方々が、そのまま郊外電車で市内に乗り入れ、日赤病院へ行くことができれば、利便性は非常に高まると思います。そして、路面電車。従来の電車ですと低い床の低床電車がありますが、低床電車は乗りやすいのですが、定員数は少なくなるそうです。そうなると、低床電車の連結。広島市でよく見る風景になりますけど、低床電車を連結して路面電車、また郊外電車で走らせることができないかと考えています。こうすることによって直接乗り入れることができる。全国の例で言いますと、富山市さんがその形です。私、富山に視察に行かせていただいて、森市長さんとも仲良くさせていただいているので、様々なことを教えていただいています。これからの高齢化の時代を考えると、直接郊外電車が路面電車に乗り入れることで、郊外から市内中心部へ乗り入れることができる、また、市内中心部から郊外へ出て行けるように、伊予鉄道さんとしっかりお話をしながら、進めさせていただきたいと思っています。

 また、市駅のことを申し上げましたので、次の話は花園町に。花園町通り、大手町通り、平和通りは、松山市内でも幅の広い通りです。それはなぜかと言うと将来を見据えて戦後復興の区画整理でできた通りだからです。今年は昭和で言いますと89年です。戦争が終わってからもう70年近くが経っているわけですが、花園町通りも交通量調査をしますと、通行量はかつてのおよそ半分ぐらいになってきています。花園町通りは路面電車、2車線ずつの車道、そして銀杏並木で知られる緑地帯、副道、アーケード商店街と、非常に幅の広い通りです。これまで社会実験をさせていただきましたけれども、花園町通りの車道は1車線ずつでも大丈夫ではないか。もちろん右折レーンの配慮はいたしますが、この車道を縮めさせていただいて、歩行者、転車に配慮した道路空間配分にすることが、これからの少子高齢化社会に対応したまちづくりではないかと思いまして、かねてより進めさせていただいています。
 まず、少子化という観点で言いますと、子どもの数は少なくなってくる。子宝です。子どもは将来の松山を担う人材です。例えば、お父さんやお母さんに手を引かれて小さいお子さんが歩いている。子どもですからパッと手を離すこともあるでしょう。自転車と混在した通行状態だと、そこで自転車とぶつかって、大きな事故になる可能性があります。お子さんがそのような事故に巻き込まれてはいけない。もっと歩行者にも、自転車にも配慮した空間の配分にするべきということで、花園町の社会実験をさせていただきました。

 次に、高齢化の観点で言いますと、高齢になってくると血管も弱くなってきますから、脳梗塞なども考えられると思います。日頃から歩くことで健康になっていただく。そして、もし脳梗塞になったとして、身体が不自由になったとしても家でじっとしているよりも、できるだけ歩いていただいた方が健康にもつながり、回復も早いことから、もっと歩くことに配慮した、そして自転車に配慮したまちづくりをするのが、松山の夢のまちづくりとして相応しいのではないかなと思っています。これは、松山の特性を考えた時にうなずけることだと思います。例えば、松山が雨が多いまち、雪が積もるまちだったら、私は、歩いてください、自転車で走ってくださいとは言わなかったと思います。また、松山がだだっ広い平野であったならば、都市の機能が点在していて、そういうことにはならなかったと思います。しかし、松山は都市の機能が集約されているコンパクトシティですから、歩くこと、自転車での移動に適したまちです。また、全国に行きますと坂の多いまちがありますけど、松山がそういう坂の多いまちでしたら、歩いてください、自転車で走ってくださいとは、私は申し上げなかったと思います。そういったことから松山は歩くこと、自転車に適したまちです。環境に配慮したまちづくりをしていく面でも、歩いて健康なまちづくりを進めていきたいと思っています。
 花園町から、次の話はJR松山駅。JR松山駅は今、高架事業は愛媛県で、土地区画整理事業は松山市で進めさせていただいており、JR松山駅付近も整備されます。そして、前市長の時からおっしゃっていますけど、松山空港への電車の延伸化も視野に入れてしっかりとやっていきたい。これも伊予鉄道さんと話をしながらしっかりと進めていきたいと思っています。福岡空港、松山空港は、全国の中でも空港と中心部が近接しています。今、市内からバスで行くことができますが、電車でいくことができれば、もっと便利になると思います。私は車も大好きです。ドライブも大好きです。気分転換もできますし、自由に時間を使って遠くまでいくことができます。もちろん車社会を否定するものではありませんが、これからの少子高齢化、環境に配慮したまちづくりで言うと松山は、歩くこと、自転車に配慮したまちづくりが相応しいのではないかなと思います。

 そして、道後です。道後温泉本館の耐震工事。誰かがいつかは踏み切らなければならない耐震化工事が待っています。その耐震化工事に無策のまま入るわけにはまいりません。椿の湯は市営です。ちょうど30年が経っておりますので、もうだいぶん古くなってきている。改修することによって椿の湯をもっと魅力のあるものにして、そして、2017年のえひめ国体、2020年の東京オリンピックは、改修した椿の湯と道後温泉本館でお客様をお迎えする。道後については今、地元の方でよい動きが出てきて非常にありがたいと思っています。上人坂を賑わいのある場所にしようと地元の方が動いてくださるようになりました。行政主体で押し付けるのではなくて、地域が主体になって、そして行政がサポートする形で上人坂の賑わいづくりを共に進めていきたいと思います。そして、道後の滞在性をより高め、回遊性をより高めることで、1泊ではなくて2泊、3泊していただけるように、また、1回だけではなくて2回、3回と来ていただける道後・松山にしていきたいと思います。
 次に、三津浜。瀬戸内の海の幸、古い町並みのある所です。この宝を一緒に磨いていきたい。ありがたいことに三津浜も地元の方々の動きが出てまいりました。

 そして、北条です。北条の方々と一緒に「風早レトロタウン構想」を策定させていただきました。そして、北条にはもう一つ宝があります。北条スポーツセンターには広いサッカー場、フットサル場、新しい体育館もあります。北条スポーツセンターをスポーツの拠点としてもっと活かしていきたいと思っています。折しも、今年は北条のの隣の今治市で、愛媛県知事が頑張られて瀬戸内しまなみ海道を世界のサイクリングの聖地にしようという動きがあります。世界からの注目が集まってくる。2017年にはえひめ国体がある。日本全国からの注目がこの地に集まってくる。そして2020年には東京オリンピックがある。全世界からの注目が日本に集まってくる。ご存知のように日韓のワールドカップのサッカーの時に、お隣の大分県の中津江村がカメルーン代表のキャンプ地になりました。2020年の東京オリンピックは地方都市にとっては、何にもしなければ、ただ過ぎ去るのみです。でも松山には宝がある。心と身体のケアができる場所が松山だと私は信じています。まず身体のケア。道後温泉をはじめ、各種の温泉が松山には点在しています。身体のケアができる。そして、心のケア。四国八十八ヶ所霊場巡りのお遍路さんのお接待をしてきたのが松山です。四国八十八ヶ所霊場のうち、一番多くの八ヶ寺が集まっているまちが松山市。昔から松山の方はお接待ができる、おもてなしができるということから、昨年、おもてなし日本一のまち宣言をさせていただきましたが、心と身体のケアができるのが松山だと思っています。できれば北条のスポーツ施設を使って、2020年の東京オリンピックに向けても、動きが取れるように、とにかく松山で地域経済を活性化させて、そしてふるさとにお金が回る仕組みをしっかりと作っていきたいと思っています。

  最後に、中島などの島しょ部です。島しょ部の方々と一緒に「愛ランド里島構想」を策定させていただきました。普通、アイランドはカタカナですけど、愛する島、愛される島で、「愛ランド」としました。また、「里島構想」は、離れた島ではなく、ふるさとを感じる島で「里島」としました。今、自然の中で生活したいという若者、高齢者の方が増えてきています。島には素晴らしい海があります。釣りに行くこともできます。豊富な柑橘を育てたり、農業を体験したりすることもできます。そんな魅力があるのが、興居島・中島地域だと思っています。移住の方もお迎えしながら、人口減少に徹底的に対抗していこうと思っています。また、今、私はみかんの飾りを付けておりますけれど、頑張っている農業も応援したい。いよかん、温州みかん、紅まどんな、せとかなどの品種がありますけれど、柑橘の転換品種としてライムがあります。現在、松山市は全国の自治体別でライムの生産量トップレベルを誇っており、ライム日本一のまちづくりもしていきたい。そして、アボカドも森のバターと言いまして非常に女性に人気がありますが、アボカド日本一のまちづくりもしていきたいと思っています。
 結びに、ちょうど50年前、アメリカのマーティン・ルーサー・キングが演説で、人種差別の撤廃と人間の平等を唱える演説を行いました。有名な「I have a dream」です。私には夢があります。この松山を今の時代の人が頑張って、将来の世代が、あの時に先輩たちが頑張ってくれたから、東京や大阪ほど派手ではないけれども、災害も少なくて人も穏やかで魅力もたくさんあって、幸せを実感する松山だなと、笑顔でいてくれる、そんな松山を夢に描いています。そのためには、これから激しい地域間競争に巻き込まれていきますが、松山がチーム松山となって動いていかなければなりません。行政だけでできることは限られます。行政と民間の方がタッグを組んで、行政と地元の方がタッグを組んで、そして、この地域間競争を勝ち抜いていきたい、一人でも多くの方を笑顔にしていきたい、全国に誇れる松山を作っていきたいと思いますので、皆様方の今年のお力添えを心から切にお願いを申し上げながら、私の年頭の挨拶とさせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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