蚊媒介感染症に注意しましょう
更新日:2019年10月23日
蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症のことです。
主な蚊媒介感染症には、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、マラリアなどがあり、これらの感染症は主に熱帯、亜熱帯地域で流行しています。
これらの蚊媒介感染症の報告は海外からの輸入感染事例がほとんどですが、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症は国内に生息するヒトスジシマカが媒介するため、蚊の活動が活発な時期は輸入感染事例からの感染の拡がりに注意が必要です。
日頃から以下のことに注意して、蚊媒介感染症の予防に努めましょう。
主な蚊媒介感染症について
デング熱・チクングニア熱
・ウイルスを保有する蚊(主にヒトスジシマカ)に刺されることで感染します。ヒトからヒトに直接感染はしません。
・潜伏期間は、2~14日間(通常は3~7日間)です。
・主な症状は、急激な発熱、関節痛、発疹、頭痛、倦怠感などです。
・デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やショック症候群発症することがあり、治療が遅れると死に至ることがあります。
・有効なワクチンはありません。治療は対症療法が中心です。
ジカウイルス感染症
・ウイルスを保有する蚊(主にヒトスジシマカ)に刺されることで感染します。その他、感染者との性行為でも感染します。
・潜伏期間は2~12日間(通常は2~7日間)です。
・主な症状は、軽度の発熱、発疹、結膜炎、頭痛、倦怠感などです。
・ジカウイルス感染症は感染しても症状がないか、症状が軽いため気づきにくいこともあります。
・妊娠中にジカウイルスに感染すると、胎児に小頭症の先天性障害を来すことがあります。
・有効なワクチンはありません。治療は対症療法が中心です。
関連リンク
蚊が媒介する感染症(蚊媒介感染症)対策について(愛媛県)(外部リンク)
日本脳炎にも注意しましょう
日本脳炎はヒトから直接ではなくブタなどの体内で増えたウイルスが蚊(国内ではコガタアカイエカ)によって媒介され感染します。感染者の100~1000人に1人が脳炎を発症しますが、脳炎にかかった時の死亡率は約20~40%と高く、神経の後遺症を残す人が多くいます。感染予防には予防接種が有効です。
蚊の対策について(市民の皆様へ)
蚊をできるだけ増やさないようにしましょう
(幼虫対策)
ヒトスジシマカは少量の水がたまった場所に産卵します。蚊の幼虫であるボウフラや蛹は水がないと生きられません。
・一週間に一度は周辺に水溜りの箇所がないか確認しましょう。
・水が溜まりやすい物は屋外に放置せず、撤去するか裏返しにしておきましょう。
・雨水マスや側溝など水の溜まる場所は、成長制御剤を使って幼虫を駆除しましょう。
(成虫対策)
ヒトスジシマカは吸血のために草むらなどでヒトが通るのを待ち伏せします。
・藪や下草などは刈り、日当たりを良くして蚊が潜みにくい環境を保ちましょう。
・外国からの観光客がよく立ち寄る場所や屋外に人がよく集まる場所は感染症が拡がりやすいリスク地点になります。
管理者は定期的に蚊の発生状況を確認しましょう。
蚊に刺されないようにしましょう
(服装)
・蚊が潜む場所に立ち入る場合は、肌の露出を避け、長袖長ズボン等を着用しましょう。
(薬剤)
・外出する時は、肌の露出する部分を中心に虫よけスプレー(有効成分であるディート、イカリジンを含有するもの)を使用して蚊を寄せつけないようにしましょう。
・蚊帳や蚊取り線香等を使用して、屋内でも蚊に刺されないようにしましょう。
海外旅行の注意点
(旅行前の確認と準備)
・海外では様々な蚊媒介感染症が発生しています。旅行先で蚊媒介感染症が発生していないか事前に確認しましょう。海外感染症発生情報(厚生労働省検疫所)(外部サイト)
・蚊媒介感染症の種類によっては、有効なワクチンや予防薬があります。旅行先の流行状況を考慮して必要性を検討しましょう。
・妊娠している人は流行地への渡航は避けましょう。
(旅行中)
・現地で蚊媒介感染症が流行しているエリアには立ち寄らないようにしましょう。
・旅行中は虫よけスプレーを使用して、蚊に刺されないようにしましょう。
(帰国後)
・流行地から帰ってきたら、2週間は発熱、発疹、関節痛、頭痛などの症状がないか、健康観察に努めましょう。
・帰国後2週間は特に蚊に刺されないように注意しましょう。
・ジカウイルス感染症は性行為で感染します。流行地からの帰国後6カ月間は性行為を控えるか、コンドームを使用するなど避妊に努めましょう。
蚊媒介感染症を疑う時は
・症状から蚊媒介感染症を疑う時は、速やかに医療機関を受診してください。
・受診時に症状と併せて蚊に刺された日時や場所などを医師に伝えましょう。
医療機関の皆様へ
・蚊媒介感染症は四類感染症です。診断後、直ちに発生届の提出をお願いします。
・患者さんからの聞き取りで、海外への渡航歴がなく国内での感染が疑われる場合には、直ちに保健所に情報提供をお願いします。
厚生労働省からの関連通知
R1.08.26 チクングニア熱やデング熱等の蚊媒介感染症に関する注意喚起等について(厚生労働省)(PDF:63KB)
R1.09.20 デング熱の国内感染が疑われる症例の発生について(厚生労働省)(PDF:413KB)
R1.10.16 デング熱の国内感染症例の発生について(厚生労働省)(PDF:327KB)
感染症発生届様式及びガイドライン
感染症法に基づく医師の届出のお願い(厚生労働省)(外部リンク)
蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第5版)(国立感染症研究所)(外部リンク)
啓発資料(リーフレット等)
発生源編:ジカ熱・デング熱の運び屋 ヒトスジシマカの発生源を叩け!(厚生労働省)(外部リンク)
用心編:感染症の運び屋 蚊からバリアーで身を守れ!(厚生労働省)(外部リンク)
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お問い合わせ
保健予防課
〒790-0813 愛媛県松山市萱町六丁目30-5 松山市保健所 1階
電話:089-911-1815 FAX:089-923-6062
