生活保護の原理および原則

更新日:2021年4月1日

生活保護の基本原理

国家責任の原理

 生活保護法は、日本国憲法第25条の理念により、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度により、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長します。

無差別平等の原理

 すべて国民は、生活保護法に定める要件を満たす限り、この法律の保護を、無差別平等に受けることができます。

最低生活保障の原理

 生活保護法は、健康で文化的な生活水準を維持できる最低限度の生活を保障します。

補足性の原理

 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件とします。
 民法に定める扶養義務者の扶養および他の法律に定める扶助は、すべて生活保護法の保護に優先して行われます。
 急迫した事由がある場合は、必要な保護を行うことができます。

法律の解釈及び運用

 前4項目の規定は、生活保護法の基本原理であって、この法律の解釈および運用は、すべてこの原理に基いて行います。

生活保護の基本原則

申請保護の原則

 保護は、要保護者、その扶養義務者またはその他の同居の親族の申請により開始します。ただし、要保護者が急迫した状況の場合は、保護の申請がなくても、必要な保護を行います。

基準および程度の原則

 保護は、厚生労働大臣が定める基準で測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭または物品で満たすことのできない不足分を補う程度で行います。
 保護の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類により必要な事情を考えた最低限度の生活の需要を満たすに十分で、かつ、これを超えてはいけません。

必要即応の原則

 保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人または世帯の事情を考えて、有効かつ適切に行います。

世帯単位の原則

 保護は、世帯を単位にその要否および程度を定めます。ただし、これが適さないときは、個人を単位として定めることができます。

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