こども本の森 松山
更新日:2025年6月26日
坂の上の雲ミュージアムの設計者である建築家の安藤忠雄氏は「未来を担うこどもたちに本に親しんでもらいたい」という強い思いから、子ども向けの図書室「こども本の森」を建設し、大阪市、神戸市、遠野市など各地に寄付されています。
そのような中、松山市にも安藤氏から坂の上の雲ミュージアムに「『こども本の森』を整備し、寄付をしたい」という提案があり、安藤忠雄建築研究所と協定を締結し、令和7年7月28日のオープンに向けて準備を行っています。
イメージ図(提供:安藤忠雄建築研究所)
イメージ図(提供:安藤忠雄建築研究所)
イメージ図(提供:安藤忠雄建築研究所)
概要
- 「図書室」としてミュージアム2階部分に増築。
- ミュージアムの前庭に建設し、本館とブリッジでつなぐ構造。
- 鉄筋コンクリート造 地上2階(1階部分は支柱のみ)。延床面積は131.97平方メートル。
- 本の貸出は行わず、「創造力あふれる建築空間の中で本に親しむ」ことを目的とする。
- 小中学生を中心に全世代が対象。
- 入室無料。定員は30名で90分完全入替制(午前2回・午後2回)。
- 事前予約枠(20名)と当日枠(10名)。
- 書籍数はおよそ4,500冊。
- 「こども本の森 松山」専用サイトは2025年7月中旬開設予定。
建築コンセプト
「こども本の森」の基本コンセプトは「こどもが自由に本と出会い、本を楽しみ、本に学べる場所」というものです。そのイメージを、坂の上の雲ミュージアムの敷地内というユニークな立地特性を生かし、空間として表現することを目標に設計しました。
つくる場所は西側の水と緑の庭の上空。外装は上広がりに傾斜するガラス壁で、ミュージアムのデザインコードを踏襲しつつ、その外形はミュージアムの三角形に対し、楕円型となっています。この形のコントラストが、「坂の上の雲のまちづくり」の新たなランドマークを形成します。
ピロティ形式として建物を宙に浮かせているのは、「ことも本の森」の主階レベルを、ミュージアム2階のライブラリーラウンジに合わせているためです。 楕円形のワンルーム閲覧室は、 それ自体、こどもたちがどこでどのように本を読んでもいい、自由な空間ですが、それをミュージアムのパブリックスペースと接続させることで、「自由」はさらに広がります。
地域の文化の中心となるべき施設のまんなかでこどものための「こども本の森」が胎動する。その情景はきっと、坂の上の雲フィールドミュージアム構想の精神を象徴する、新たなまちの力となることでしょう。
(安藤忠雄建築研究所)
お問い合わせ
坂の上の雲ミュージアム
〒790-0001 愛媛県松山市一番町三丁目20番地
電話:089-915-2600
