ドイツ・フライブルク市の紹介
更新日:2023年8月22日
フライブルク市位置図
概要
■市名/Freiburg im Breisgau
■位置/ドイツの南西部。フランス、スイスの国境に近い
■アクセス/成田空港・羽田空港・関西国際空港・中部国際空港からドイツ・フランクフルト空港まで飛行機直行便で約12時間。フランクフルトからフライブルク市まで鉄道で約2時間
新型コロナウイルス感染症の影響などで変更が生じている可能性があります。
■気候/平地は乾燥して暖かい。シュヴァルツヴァルト(黒い森)では風が強く寒い
■人口/約23万人
まちなみ ~森とワインとゴシックの街・フライブルク市~
フライブルク市は、中世文化の遺産を継承しようとする市民の熱意によって築かれた、中世初期の雰囲気が漂う素晴しいまちです。市内には博物館をはじめ、13世紀初頭から3世紀を要して建てられたミュンスター(大聖堂)などの歴史的文化遺産も多く、特に近年は環境重視のまちづくりを進め、エコポリス(環境都市)として世界から注目を集めています。
フライブルク市の観光名所
ミュンスター(大聖堂)
ミュンスター(大聖堂)
ミュンスターは中世末期に建てられた偉大なドイツ教会の1つで、建設には300年の月日が費やされています。
116mの主塔は、ヨーロッパでも最もすぐれたゴシック建築の一つとされており、「キリスト教界における最も美しい塔」として知られ、フライブルク市のシンボルとして、歴史ある古いまちの中心点であることを示しています。
マルティン門
マルティン門
13世紀初期の要塞都市門で高さ63m。この門は南側に向かってまちを保護しているように見えます。門の前の石畳の歩道は、100年前ライン川の石を半分にして埋めたものです。
フライブルク紀行
フライブルク市に在住の松山市出身者より
フランクフルト空港から、電車で2時間南下すると黒い森の玄関、そしてスイス、フランスの国境に近い松山市の姉妹都市フライブルク市に到着します。人口約23万人のフライブルク市は中世のまちなみが残る大学都市で、石畳のオープンカフェで休憩する学生の姿が至る所で見られます。
市のシンボルでもある大聖堂は、ゴシック様式の教会で美しいといわれています。高さ116mの教会の塔も素晴らしいですが、教会の中から見るステンドグラスは神秘的です。この教会を囲むようにあるのが朝市で、月曜日から土曜日の午前中、地元で採れた新鮮な野菜や果物を買うことができます。ソーセージの屋台も並んでいるので、そこで本場の焼きたてソーセージを試されることをお薦めします。
フライブルク市の特徴の一つが環境政策。旧市街地は自動車乗り入れを制限しているため、トラム(路面電車)や自転車が人々の交通手段です。市内を歩くとソーラーパネルや風車も見ることができ、環境保護がフライブルク市民の生活の一部になっていることが分かります。
大都市に比べ、時間の流れがゆっくり流れるように感じるのがこのフライブルク市。欧州の旅の途中、一休みするのには最高の場所です。
ミュンスター(大聖堂)広場前の朝市
フライブルク市役所のソーラーパネル
松山フライブルク会員より(2013年に姉妹都市提携25周年記念式典に出席)
2013年11月16日 ミュンスター寺院の隣に位置する「歴史的商館」で11時から2時間にわたり開催されました。約300人(内、松山市からは約30人)が出席した式典です。当日は土曜日でもあり、ミュンスター寺院の周りでは日曜市が開かれ、活気に満ちた空気も式典を盛り上げていました。
野志市長からの松山市観光俳句ポスト贈呈、プロジェクターを使って松山市の紹介、日本人ミュージシャン2人を含む演奏などで和やかに開催されました。
会場の窓には松山市とフライブルク市の旗がなびき、正午にはミュンスター寺院の鐘が、がらんごろん、がらんごろん、がらんごろん、と数分間にわたり鳴り響き、石造りの歴史ある建物とともにヨーロッパを深く感じる式典になりました。
記念式典の様子
記念式典の雰囲気に合った演奏
フライブルクでの出来事
フライブルク市に在住の松山市出身者より
「2014 FIFA ワールドカップ(W杯) ブラジル大会」 ドイツ優勝の瞬間
その瞬間は建国記念日、いやTVでしか見たことありませんがベルリンの壁が崩壊しドイツが統一した日のような雰囲気でした。人々がドイツの国旗を掲げて、まちを練り歩き「ドイチュランド!」と国名を叫び、花火や車のクラクションは明け方まで鳴り響いたのです。これはもうスポーツのイベントではなく、サッカーという文化であり、国民の誇りだと感じました。
W杯期間中、フライブルク市内の数カ所にパブリックビューイングが設置され、最大で1万3千人が集まり、スタジアムさながらの雰囲気でした。パブリックビューイング以外にも市内のカフェやレストランはスポーツバーと化して、フライブルク市民、ドイツ国民が一丸となって遠いブラジルまで声援を送っていました。
ドイツの優勝で幕を閉じたW杯ブラジル大会ですが、今回のドイツ代表とフライブルク市には深い関係があります。まず、優勝に導いたヨアヒム・レーヴ監督はフライブルク近郊在住で、選手時代にはフライブルク市のプロサッカーチーム「SCフライブルク」に所属していました。今でも時々市内ですれ違うこともあります。また、今回の優勝メンバーの中にフライブルク市出身のマティアス・ギンター選手がいます。残念ながら出場機会には恵まれませんでしたが、まだ20歳の選手なので、これからが期待される選手です。フライブルク市にはギンター選手も通ったサッカー育成学校Freiburger Fussball Schuleがあります。地域から才能のある選手をスカウトし、数年かけて一流の選手に育てる目的で作られた施設で、若い世代の選手がプロを目指して毎日練習をしています。実際、1部ブンデスリーガに所属するSCフライブルクのプロ選手の3分の1が、このサッカー育成学校出身の地元の選手です。姉妹都市交流の一環として、平成20年に愛媛FCとSCフライブルクがフレンドシップ協定を締結していることもあり、今後の交流にも注目したいです。
決勝戦前のパブリックビューイング
決勝戦観戦の様子
ドイツ優勝の瞬間
ドイツ優勝後、歓喜に包まれるフライブルク市
フライブルク市に在住の松山市出身者より
フライブルク市のクリスマスマーケット
ドイツの暗くて長い冬、それでも毎年フライブルク市民が楽しみにしているイベントがあります。それはWeihnachtsmarktというクリスマスマーケット。ドイツのクリスマスマーケットは世界的に有名ですが、フライブルク市にも市役所広場を中心に11月24日から12月23日までクリスマスマーケットが設けられ、毎年50万人以上の訪問客で賑わいます。クリスマスツリーのデコレーションからロウソク、ソーセージからクレープまでさまざまな屋台が所狭しと並んでいます。
その中でもお薦めなのがGluehweinというホットワイン。日中でも氷点下近い気温の中で飲むホットワインは、体の芯から温まるドイツの冬の風物詩ともいえます。このホットワイン、ワイン以外にオレンジジュースやシナモン、砂糖などが入っているので店によって味も違いますが、グラスのデザインも町やお店によって異なるため、旅先で集めるのも楽しいかもしれません。お酒の飲めない人や子ども向けには、アルコールの入っていないホットジュースなどもあります。
クリスマスマーケットの様子
ホットワイン
フライブルク市に在住の松山市出身者より
フライブルク市のお祭り
ドイツの冬は寒くて暗く、長いですが、そんな冬に終わりを告げるお祭りがあります。地域によって、その呼び名がKarneval(カーニバル)、Fastnacht(ファストナハト)、 Fasnacht(ファスナハト)、Fasnet(ファスネット)、 Fasching(ファシング)と変わりますが、カトリックの地域を中心に、ドイツ全土で毎年行われる行事です。日程は、イースター復活祭の日などとの関係により、年によって前後しますが、Aschenmittwoch (灰の水曜日)頃から始まり、Rosenmontag(薔薇の月曜日)をハイライトに1週間ほど続きます。
お祭りの終わりとなる薔薇の月曜日には、お店は半日で閉まり、仮装した人々が通りに集まってきます。日本の地方祭の法被のように、地域によって様々なコスチュームとマスクがあり、街中を音楽や掛け声と共に練り歩きます。その際、見物人に悪戯をしたり、大きな音を出して驚かせたり、また飴やお菓子を配ったりして歩くこともあります。この日の市内のレストランやバーは、仮装した人々がビール片手に大騒ぎするので、どこもいっぱいです。
長く暗い冬を追い出すかのように大騒ぎし、冬に溜まったストレスを発散させているようにも見えるこのお祭りは、フライブルク市民の大好きな年間行事の一つだといえます。
まちを練り歩く仮装した人々 その1
まちを練り歩く仮装した人々 その2
環境
トラム(路面電車)
フライブルク市は、環境政策の進んだまちとして知られていて、1992(平成4年)年にはドイツ国内で「環境首都」に選ばれました。市内中心部への自動車の乗り入れを制限し、公共交通機関のトラム(路面電車)や自転車を利用する政策を推進しています。
省エネルギーハウス
旧市街から南西方面に位置する「ヴォーバン地区」では、発電時の廃熱を暖房等に再利用する「コ・ジェネレーション」システムや、ソーラーエネルギー活用パネルや断熱材を多用した省エネルギーハウスなど、住民参加のもとに環境配慮型の住宅地を開発するなど、先進的な環境政策を進めています。
フライブルクからの環境・交通事情レポート
フライブルク市に在住の松山市出身者より(2014年)
フライブルク市といえば環境政策で世界的に有名です。Co2削減を市全体で取り組んでいるだけに、住んでいて思うことは交通政策の徹底ぶりです。市の幹線道路の車道を閉鎖して自転車専用にしたり、トラム(路面電車)の拡張工事も進んでいます。2012年のフライブルク市における自動車登録台数は、1000人に380台だそうで、自動車より徒歩、自転車や公共交通機関を使ったほうが便利なことも多々あります。
フライブルクの公共交通機関を運営しているのがFreiburger Verkehrs AG、略してVAG です。全長約36kmの路面電車と306kmの路線バスと、黒い森に入れるロープウェイの運営を手がけている株式会社です。2012年には7600万人の年間乗客数を数えましたが、人口約23万人のまちの数値からすると、いかに人々の足を担っているかが分かります。
そのトラムに1台だけ姉妹都市トラムが走っています。フライブルク市には9の姉妹都市がありますが、松山市のシンボルでもある道後温泉本館の写真が車体に貼られているトラムを時々、市内で見ることができます。毎日市民が利用したり、すれ違ったりするトラムの車体に姉妹都市の宣伝をしてくださっているのです。フライブルクでトラムとすれ違うときに是非探してみてください。
松山市トラム
姉妹都市交流のあゆみ
1989年(平成元年)4月4日 松山市制施行100周年を記念して、松山市で姉妹都市提携調印
1990年(平成2年) 姉妹都市提携を記念して、フライブルク市に日本庭園が開園
1994年(平成6年) 八坂児童公園内にフライブルク庭園が開園
2000年(平成12年) フライブルク友好ぶどう園(松山市野外活動センター内)植樹式
2013年(平成25年) 姉妹都市提携25周年記念代表団がフライブルク市を訪問。松山市観光俳句ポストを寄贈
2014年(平成26年) 姉妹都市提携25周年記念代表団が来松
4月4日 松山市長表敬訪問
4月4日 松山総合公園で記念植樹
4月6日 環境フォーラムに参加
2018年(平成30年) 姉妹都市提携30周年記念代表団が来松
9月7日 9月定例市議会でのスピーチ
9月8日 まつやまRe・再来館で記念植樹
2019年(令和元年) 姉妹都市提携30周年記念訪問団がフライブルク市を訪問
7月11日 エコフレンドシップ協定を再締結
7月11日 フライブルク市役所での歓迎式典
フライブルク市との交流のあゆみについて、詳細はこちらをご覧ください。(PDF:158KB)
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