平成23年1月11日 新年のあいさつ

更新日:2012年3月1日

  • 日時  平成23年1月11日(火曜日)午前11時から
  • 場所  本館3階第1会議室
  • 記者数  11人

議題 

  • 「新年のあいさつ」について

会見内容

(市長)
 皆様、新年明けましておめでとうございます。本日は、今年最初の定例記者会見ということで、まず、新年のごあいさつをさせていただきます。

 昨年もおととしに続きまして、厳しい1年であったように思います。経済面におきましては、リーマン・ショック以降、国内経済は冷え込み、おととし後半はデフレ・スパイラルが懸念される状況でありました。年が明けると徐々にではありますが、エコカー減税やエコポイント制度などの効果もありまして、製造業を中心に景気回復の兆しが一部には見えまして、増収増益が発表される時期もありました。
 しかし、急激な円高などの影響もありまして、12月の日本銀行の企業短期経済観測調査、いわゆる短観では景況感が7期ぶりに悪化、また、政府の月例経済報告では景気は足踏み状態で、失業率が高水準にあるという発表がありました。今年に入りまして、世界の主要市場の株式相場はそろって上昇しまして、東京市場では、日経平均がおよそ7カ月ぶりの高値をつけましたが、報道機関などが主要企業に実施したアンケートでは、景気は横ばいとの回答が多数占めておりまして、景気回復までは依然厳しい道のりのようであります。

 政治面におきましては、おととしの衆議院総選挙の結果、新政権が誕生いたしましたが、昨年夏に実施された参議院選挙では政権与党が敗れ、前政権下と同様、「ねじれ現象」が生じました。その結果、先の臨時国会におきましては、法案の成立率が37.8パーセントと過去10年間では最低になるなど政治の停滞が生じておりまして、昨年3月に前鳩山政権が提出した「国と地方の協議の場に関する法律案」など、地域主権関連3法案もその一つでありまして、いまだに成立しておりません。地方においては、個性を生かしたまちづくりを進めることが必要でありますので、地域主権の確立のためにも速やかな成立を望みたいと思っております。
 そうした中、子ども手当につきましては、全国一律の現金給付であり、全額国費で開始されることを期待しておりましたが、政府案においては23年度も地方負担が継続されるとのことです。保育料や学校給食費については、子ども手当から徴収する仕組みが導入される方向となったことは、われわれ地方が要請していたもので一定評価はできますが、地方負担については地域主権の理念からも残念な結果でありまして、今後も国の動向を注視するとともに、全国市長会などを通じて全額国費負担を要望してまいりたいと思っております。また、長期化する経済不況に対する対策や社会保障制度の改革など、国と地方が直面している国民生活に直結するような重要課題に対しては、与野党が一致して協力して取り組んでいただきたいと思っております。

 ところで、皆さんもご覧になったと思いますが、昨年末には、スペシャルドラマ「坂の上の雲」第2部の放送がありました。おととし、昨年に引き続き、主人公3人の出身地であります松山市に大いに注目が集っておりますので、今年も全国から多くの方が観光に訪れることを期待したいと思っております。ある旅行誌が昨年末に発表いたしました人気温泉地ランキングというのがありまして、この中で、道後温泉は「もう一度行ってみたい温泉地」でおととしの6位から5位へと順位を上げたとの報道がありました。このことは、関係者のご協力の下、これまでに道後温泉本館周辺などを整備してきた松山市の取り組みやドラマ効果などが、このランキングにつながったのではないかと思っております。こうした効果をドラマ放送終了後も継続していくには新たな資源を発掘するとともに、愛媛県ならびに県内外の自治体とも連携しまして、私たちのまちを全国に情報発信し、観光交流人口の拡大につなげ、地域の活性化を図ってまいりたいと思っております。

 また、先ほど申し上げましたように厳しい経済情勢ではありますが、毎年松山を盛り上げてくれるのがスポーツや文化などのイベントであります。今年は、まず2月6日に第49回の愛媛マラソンが開催されます。今年のエントリー数は5,574人と昨年のエントリー数3,788人を大きく超えました。このことは、関係者をはじめ、コース沿線の方々や多くのボランティアの方々のご理解とご協力のたまものと感謝いたしております。今後も引き続き、市の内外の方々に親しまれる大会にしていきたいと思っております。
 また2月20日には、10年ぶりに募集をいたしました「だから、ことば大募集」の審査発表と表彰式が総合コミュニティセンターで行われます。今回は、どのようなことばが誕生するのか、また誕生したことばがどのような成長を遂げるのか、今から楽しみにしております。
 またゴールデンウイークの最後になります、5月7日の土曜日、8日の日曜日には、松山市で秋季キャンプを行う東京ヤクルトスワローズのご配慮をいただきまして、広島東洋カープとの2連戦が行われることになっておりますので、こちらも熱い戦いを期待したいと思っております。

 最後になりますが、私が公約に掲げております「タウンミーティング」については、前回の記者会見でお話したとおりで、あさって13日の木曜日に第1回が五明地区で開催されます。「タウンミーティング」では、市民の皆様から生の意見をお聞きし、私の考えもお話しさせていただきたいと思っております。地域でできること、行政ができること、そして住民と行政が力を合わせてできることは何かを話し合いまして、できる限り今後の市政に生かしていきたいと思っております。そのほかの公約につきましても、可能な限り平成23年度当初予算に反映しまして、できるものから着手していきたいと考えております。「一人でも多くの人を笑顔に 全国に誇れる、わがまち松山」の実現に向かって、市民の皆さんとともに前向きな精神と笑顔で本市のまちづくりに取り組んでいきたいと思っております。本年もどうぞよろしくお願いを申し上げます。

(質問)
 道後温泉本館改修の必要性に迫られていると思うが、いつのタイミングで改修を始めるか考えはあるか。スペシャルドラマ「坂の上の雲」放送終了後、他県との連携など、観光振興策について具体的な案はあるか。

(市長)
 きのう、道後の「初子(はつね)さん」というお祭りに行ってまいりまして、道後温泉本館を間近に見てまいりました。いつかのタイミングでは、改修工事の指示を出さなければなりませんが、観光客の減少が予想されることから、本当に難しい問題だと思っております。道後の魅力アップをどうしていくのかということも含めて、総合的に検討するなど改修時期をしっかりと考えていきたいと思っております。

 そして、ドラマ放送後の観光振興につきましては、2011年末にスペシャルドラマ「坂の上の雲」の第3部が放送されまして完結いたします。その後の2012年の大河ドラマが「平清盛」になります。これは瀬戸内海、広島が主な舞台になると聞いておりますけれども、今後は松山・愛媛と広島地域との連携で、新たな方向性が見出していけるのではないかと思っております。もちろん県内の各地区との連携も考えられます。そして、先ほど申し上げました広島圏域との連携につきましては、松山と広島の動線上に北条があります。仕事始め式でも申し上げましたけれども、北条の魅力をアップしたいと思っております。松山から広島に向かうとき、また広島から松山に来られるときに北条にも立ち寄っていただいて、北条で時間を過ごしていただきたい。北条地区にも経済効果が波及するように、北条のまちづくりをしっかりとやっていきたい、できるものから早くやっていきたいと思っております。

(質問)
 道後温泉の「第3の外湯」について地元の機運は盛り上がっていると思うが、道後温泉本館を改修するなら、「第3の外湯」も同時並行してやるのか。それとも「第3の外湯」は別物として考えているのか。

(市長)
 私といたしましては、改修工事に伴う観光客の減少というのはできるだけ食い止めたいと思っておりますので、「第3の外湯」に限らず道後全体の魅力アップを考えた上で、同時並行でやっていかなければならないと思っております。

(質問)
 「第3の外湯」を念頭に入れているということか。

(市長)
 これは地元の方や商店街の方など幅広い方々との協議、あるいは市役所内部の検討の中で、より具体的になっていくものだと思っておりますので、「第3の外湯」について、今のところそこまではっきりとしておりません。

(質問)
 公約は、当初予算のどのような分野で反映されるのか。

(市長)
 公約については、できるだけ早く実現したいので全般です。各部署において私の公約については、できるものから実現してくださいと指示しておりますので、全般だと思います。

(質問)
 これはどうしてもというような具体的な指示は出したか。

(市長)
 常日頃から申し上げているように、福祉に関する予算が膨らんでおりますので、厳しい財政運営というのは変わりありません。各担当から予算案が上がってきましたら、総合的に見て「これはもう少しこうしてください」とか「これはこれぐらいになりますか」とか、そういう協議をしていく予定です。

(質問)
 まちづくり協議会への権限委譲とは、具体的にどういうものを考えているのか。

(市長)
 地元でやれること、地元と行政が協働してやること、これは行政がやることと大きく三つに分けることができますので、地元でできることについては、公平・公正な組織ができているのなら、権限と財源を委譲しましょうという形になります。

(質問)
 市長自身が、当初予算にこれはぜひ入れたいという事業、または特に力を入れたいという分野は何か。

(市長)
 これまで私は、現地現場を大事にしたいと申し上げておりますけれども、以前、市坪西町の南クリーンセンターの近くに芝生の公園がありまして、そこの公園に行きました時に、人気があり予約がかなり殺到しているというお話を聞きました。実際、地区の方がその芝生の公園で生き生きとスポーツをやってらっしゃいました。私もその芝生の上を走らせていただいて、大変気持ちよかったです。そしてまた南予の2つの中学校だったかと思いますけれども、芝生化の良い事例があるというのを伺っておりますので、小学校、保育園、幼稚園、そうした施設の運動場の芝生化については、早速取り組んでいきたいなあというふうに思っております。また、小・中学校、公民館そうした所の耐震化です。やはり、子どもたちが長い時間を過ごす所であります。また、災害が起こった際の避難所になる施設でもあります。先ほど申し上げましたけれども、厳しい財政運営の中でまさに有効な公共工事だと思いますので、そうした所は耐震化を早急に進めるとか、そういうところも継続してやっていきたいと思っております。また、子育ては大変という声もこれまで数多く聞いておりますし、自分も実体験がありますので、子育てが大変だと思われないようにバックアップしていきたいと思っております。

(質問)
 北条地域の魅力アップについて、具体的に何か考えはあるのか。

(市長)
 先日の仕事始め式でより具体的にお話をさせていただいたのですが、風早レトロタウン構想と申します。これもまた財政厳しい時代でありますので、今あるものを生かそうというのが私の考えの根本にありまして、北条・鹿島は、映画「男はつらいよ」のフーテンの寅さん役でおなじみの渥美清さんが好きだった場所であるというのを伺いました。これは北条出身の脚本家・早坂暁さんが渥美清さんとお友達でありましたので、その関係で北条・鹿島に来られて、鹿島の料理屋さんにも渥美清さんの写真が残っておりますけれども、実際に来られたそうです。今、鹿島の現状を見ますと、まだまだその魅力を生かし切れてないのではないかと、そこでもっと鹿島の魅力をアップさせていきたいと思っております。渥美清さんが活躍されたのは、映画の世界であります。そして、レトロ、平成というよりもどちらかというとキーワードは昭和、昭和の娯楽といいますと映画です。例えば北条の中心地区に映画館を、仮設になるかと思いますけれども、映画館を復活させまして昭和の映画を立て続けに上映するとか、安い料金で見られるようにします。夏、北条の海は若い方が集うことで認知されておりますけれども、「風早レトロタウン構想」では、できましたら少しご年配の方に来ていただきたいと考えております。もちろん夏の海には、引き続き若い方に来ていただきたいです。県外にも昭和の町並みを再現したテーマパークがあります。そして、市内の介護施設でも昭和の町並みを施設の中に復元させまして、施設利用者の方にとって大変人気の場所になっているという事例も知ることができました。昭和レトロ、今あるものを生かす、これがいろいろな方向性で私の考えと合致いたしますので、この「風早レトロタウン構想」に取り組んでいきたいと思います。

 また私は、「前向きにとらえるとまちの魅力、人の魅力には気付きます」と、よく申し上げておりますけれども、JR北条駅が、鹿島渡船の乗り場近くにあります。ちょうど一直線上です。その一直線上にある所を魅力アップすることで商店街辺りを散策することにつながっていけば、公共交通機関の駅やバス停が近くにあるので、多少お酒を飲んでいただくこともでき、使うお金が少しアップします。そして北条は鯛めしで知られておりますけども、例えば南予の鯛めしを持ってきて、鯛めしの食べ比べすることもできると思います。そういう形で、今、北条の魅力は生かしきれてないと思っておりますので、先ほど申し上げた広島地域との観光連携も含めて、北条は大事な場所になるのではないかと思っております。ただ、間違っていただきたくないのは、私の実家が北条にあるから言うのではありません。同じように松山市に合併した中島は、「松山島博覧会(しまはく)」で脚光を浴びましたが、北条はまだ生かしきれていように思いますので、北条の魅力アップにつなげていきたいと思っております。せっかくの松山の財産であるあのきれいな海を見ていただきたい、海の幸を食べていただきたい、そういう思いがあります。

(質問)
 今言った構想について、北条のまちづくり協議会や北条商工会などの人と話は始めているのか。

(市長)
 地元の人との意見交換をやっています。

(質問)
 地元の方もやろうという気になっているのか。

(市長)
 動き始めていると聞いております。

(質問)
 新年度の予算編成を通して、各部署の政策とか組織の実態というのが見えてくる部分があると思うが、どう感じているか。

(市長)
 なかなか時間が空かなくてもどかしい思いはあるのですが、これまで現場・現地を大事にしたいと申し上げてまいりましたので、時間が空いた時には、本館や別館を回ったり、児童館、競輪場、青少年センターに行くなど市の施設に行き、そこで働いている職員の勤務状況を見るというのを続けてまいりました。少数精鋭で動いているなという認識は持っております。課によっては留守番の職員が1人いるだけであとは全員現場に出ているという課もありましたし、少数精鋭でやっているなと実感しました。報告事項もポイントを押さえて、踏み込んだ報告がされておりますので、しっかりやってくれているなという印象は持っております。でも、やはり市民の皆さんの見る目というのは厳しいと思いますので、この点については、しっかりと見極めていきたいと思っております。

(質問)
 当初予算編成で、どの程度、市長のリーダーシップが振るえていると思うか。

(市長)
 ここに並んでいる部長たちも感じていると思いますけれども、庁議では細かく指示を出しておりますので、かなり反映されているのではないかと思いますので、各課から上がってくる予算案を楽しみにしています。

(質問)
 指示というのは、公約をできるだけ反映するようにということか。

(市長)
 もちろんです。

(質問)
 水問題に関して、今月中に第2回の幹事会があるとのことだが、何か打開するような材料や新しい提案はあるのか。

(市長)
 幹事会が1月予定ということですけれども、県が事務局になっておりますので、県からご報告といいますか、連絡が来ると思います。その幹事会の中で、さまざまなデータに基づいてというお話になりますので、そこでいろいろなお話がされるものと思っております。

(質問)
 毎年、年始に慣例的に中村前市長は西条市を訪問していたが、野志市長はどう考えているか。

(市長)
 昨年12月に訪問し、ごあいさつをさせていただくことができましたので、たちまち1月となりますと日程的に少し近いなという印象がありますので、この1月の訪問は考えておりません。

(質問)
 今後はどういうタイミングで訪問するのか。

(市長)
 先ほどの質問にありましたように、幹事会が1月予定とのことでありますので、幹事会の推移を見守りながら、ということになると思います。

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