ケアプラン点検支援マニュアル(平成20年7月18日厚生労働省)

更新日:2014年2月12日

あらまし

  • ケアプラン点検支援マニュアルは、「介護給付費適正化事業」の主要事業である「ケアプラン点検」を支援するため、平成20年7月に同省老健局振興課により作成されたものです。
  • 本マニュアルを通じて点検者(保険者)の視点を理解することにより、ケアプラン作成や自己点検の際の参考としていただき、より質の高いケアマネジメントにつなげていただくようお願いします。

ケアプラン点検支援マニュアル(平成20年7月18日厚生労働省)

「ケアプラン点検支援マニュアルの指標」の抜粋

居宅サービス計画書(1)

●第1表とは
 利用者及び家族の「望む生活」を含め、居宅サービス計画全体の方向性を示す帳票です。居宅サービス計画書の中で、利用者及び家族の生活に対する意向が、はっきりと示されている1番重要な帳票ともいえます。
 第1表は、利用者・家族・ケアする人々の気持ちを1つにするための大切な計画書であり、できるだけわかりやすく、利用者の言葉で具体的に記載することが重要です。また、利用者の生活を支援するケアチームの気持ちを一つにし、利用者と共に同じ方向に歩んでいくための大切な帳票であると言えます。

居宅サービス計画書(1)

確認事項《1》必要な記載事項の確認について

目的

居宅サービス計画書(1)がもれなく記載できており、利用者のサイン(印)があることを確認

解説:留意事項

  • 最低限必要な記載事項が書かれていることを把握したうえで、記載すべき内容を理解しているか確認する。
  • 生活援助中心型の算定理由について、「その他」に当てはまる根拠について判断に迷う場合、介護支援専門員が事業所内で検討したり保険者や地域包括支援センターに相談しているか確認する。

確認のポイント

  • 利用者及び家族の意向が記載されている
  • 介護認定審査会からの意見及びサービスの種類が記載されている
  • 総合的な援助の方針が記載されている
  • 生活援助中心型の算定理由が記載されている

確認事項《2》利用者及び家族の生活に対する意向の妥当性

目的

利用者及び家族の生活に対する意向を適切に捉えているかを確認

解説:留意事項

  • アセスメントの結果、「自立支援」に資するために、解決しなければならない課題がきちんと把握できているか確認します。そのためには、利用者の主訴や相談内容等をもとに利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくことが重要です。また、利用者及び家族が介護保険のサービス(インフォーマルサービス含)を利用することにより改善される生活のイメージを持つことができるように働きかけたかも重要になります。
  • 利用者と家族の意向が異なる場合には各々の意向を区別し記載するとともに、様々な事情(高齢者虐待やそれに類似するもの)がある場合には居宅介護支援経過表(第5表)を活用し、記載しておくことが必要です。

確認のポイント

  • 利用者及び家族の生活に対する意向とアセスメントの結果が合致している
  • 利用者・家族が改善可能であろうと思う生活を具体的にイメージできている

確認事項《3》総合的な援助の妥当性

目的

アセスメントにより抽出された課題に対応しており、利用者の生活に対する意向の実現に向けて、ケアチームとして最終的に到達すべき方向性や状況が示されているかを確認します。

解説:留意事項

  • 総合的な援助の方針は、介護に対する利用者及び家族の意向を援助者側の立場から捉えなおしたもので、居宅サービス事業者の共通する支援目標となっています。
  • 緊急事態が予測される場合(認知症や医療依存度の高い方など)には、利用者及び家族と相談したうえで、緊急時の対応機関やその連絡先等についても把握しておきます。あらかじめ支援者の中でも、どのような場合を緊急事態と考えているかや、緊急時を想定した対応について、利用者・家族・関係者といったケアチームの中での共通認識を図っておくことで、スムーズな対応が図れます。

確認のポイント

  • 利用者及び家族を含むケアチームが、目指すべき方向性を確認し合える内容が記載されている

居宅サービス計画書(2)

●第2表とは
 第1表で示された「利用者の望む生活」を実現していくために、アセスメントから導き出された一つ一つの生活課題を、具体的な手段を示しながら一歩づつ解決していくための手順を表したものです。居宅サービス計画全体の中核となる帳票です。
 第2表は、利用者の生活課題(生活全般の解決すべき課題「ニーズ」)の中で、解決していかなければならない課題の優先順位を見立て、そこから目標を立て、  

  1. 利用者自身の力で取り組めること
  2. 家族や地域の協力でできること
  3. ケアチームがお手伝いをすること

で、できるようになることなどを整理し、具体的な方法や手段をわかりやすく示した帳票です。
 目標に対する援助内容では、「いつまでに、誰が、何を行い、どのようになるのか」という目標達成に向けた取り組みの内容やサービスの種別・頻度や期間を設定します。これはケアチームの目標達成期間であり、モニタリングやケアプランの見直しの指標となるものです。

居宅サービス計画書(2)

確認事項《4》生活全般の解決すべき課題(ニーズ)の妥当性

目的

アセスメントの結果をもとに問題や課題をその根拠とともに利用者の課題として導き出せているかを確認

解説:留意事項

  • 介護支援専門員の業務の柱は、利用者の「自立」を支援することです。課題の設定に関しては、自立支援の観点からも「現状の維持・悪化を少しでも緩やかにする・状態の改善を図る」等の視点は欠かせないものです。目の前の利用者がどのようなことに取り組めば、現状を維持もしくは改善できるのか、また病状の悪化等により、どうしても状態の維持が困難な場合、悪化を少しでも緩やかにする方法はないかと考え、仮説(目標)をたてることが重要になります。
  • 利用者や家族の「要望」だけに合わせているケアプランを作成するのではなく、専門家として「自立支援」に資する内容かを常に考えながら、根拠のある課題の設定を意識する必要があります。
  • 生活全般の解決すべき課題を、利用者及び家族が、「自分達の課題(ニーズ)」として捉えられていることが重要です。利用者及び家族が理解しやすいように、難しい専門用語を避けるようにします。利用者自身が表現した「言葉」を引用することで、意欲が高まり、自分のニーズとして捉えることができるようになることもあります。

確認のポイント

  • それぞれの課題(ニーズ)が導き出された原因や背景を押さえている
  • 優先すべき課題の項目に応じた課題の整理が行える
  • 生活に対する意向と生活全般の解決すべき課題(ニーズ)の関連付けが図られている

確認事項《5》課題に対応した援助目標(長期目標・短期目標)と援助内容(サービス内容・サービス種別・頻度・期間)の妥当性

目的

  • 長期目標が、それぞれの課題を達成するために、適正な目標と期間の設定になっているかを確認する。
  • 短期目標が、長期目標を達成するための段階的な目標・期間になっているかを確認する。
  • 目標を達成するために必要な援助内容(サービス内容・サービス種別・頻度・期間)となっているかを確認する。

解説:留意事項

  • 援助目標(長期・短期目標)は、利用者支援の中核をなすものです。利用者及び家族とともに現状分析(アセスメント)から導きだした「自立支援」に資する課題(ニーズ)に対応し、一定期間後に達成できる実現可能な仮説(目標)を立てることが重要になります。
  • 目標達成のために具体的に何を行うのかが明確であり、利用者の意欲が湧くような内容にすることが大切です。「サービス内容」の記載には、利用するサービスの内容を単に記載するというより、目標を達成するために必要な支援のポイントやセルフケア・家族の役割等を記載するという視点を持つことが大切になります。

確認のポイント

 【長期目標】

  • 解決すべき課題を目指した達成可能な目標設定になっている
  • 認定期間も考慮しながら達成可能となる目標と期間の設定になっている
  • 誤った目標設定になっていない。 (例)支援者側の目標設定、サービス内容を目標に設定等

確認のポイント

 【短期目標】

  • 長期目標を達成するための段階的な目標と期間になっている
  • サービス提供事業所が作成する担当者の個別サービス計画を立てる際の指標になっている
  • 抽象的な目標設定になっていない

【サービス内容・サービス種別・頻度・期間】

  • 短期目標達成に必要なサービス内容となっている
  • 医療ニーズの高い利用者には、医療系サービスも盛り込まれている
  • 主治医意見書・サービス担当者会議の意見を反映している
  • 特定のサービスによる偏りがない
  • 家族支援やインフォーマルサービスなども必要に応じて記載されている

週間サービス計画表

●第3表とは
 第2表で計画した具体的な支援の内容を、週単位で示した帳票です。
 利用者の本来の日常生活リズムを把握した上で、介護保険サービス等を含めた支援内容が組み込まれたことにより、利用者の生活リズムがどのように変化しているかがわかります。週単位で行われる支援内容を、曜日・時間帯で示すことで、利用者及び家族が自分たちの生活リズムを管理することができます。
 さらに、週単位、24時間の時間管理を示すことで、ケアチームとしても、他のサービスが週単位でどのように組み込まれているかを把握することができ、連携を図る上で役立ちます。
 また、短期入所や住宅改修、通院状況など、週単位以外のサービスを記載することにより、サービスの全体像、中長期的なサービス計画を把握することができます。

週間サービス計画表

確認事項《6》週間サービス計画表の確認

目的

  • 週間サービス計画表が単なるスケジュール表でなく、その意義を理解しているか確認する。

解説:留意事項

  • 第2表のサービスや内容が第3表を通して、視覚により把握することができ、それぞれのサービスと利用者の生活における関連性が見えるものとなり、見落としや見誤りなどないか確認できるものとなります。
  • 利用者自身も生活全般の過ごし方を具体的にイメージすることができ、自立に向けた主体的な取り組みが期待できます。また週単位の生活を把握することで、それぞれの役割(利用者・家族・サービス担当者・介護支援専門員・その他)を認識することができ、円滑なチームケアを深めることができるものとなります。

確認のポイント

  • 介護給付以外の取り組みについても記載ができており、家族の支援や利用者のセルフケアなどを含む生活全体の流れが見える記載となっている
  • 円滑なチームケアが実践できるような、わかりやすい記載がなされている
  • 「週単位以外のサービス」欄の目的を理解し、記載している

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お問い合わせ

介護保険課 介護給付担当
〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7-2 別館2階
電話:089-948-6885・6924  FAX:089-934-0815
E-mail:kaigo@city.matsuyama.ehime.jp

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