健康増進法改正に伴う、受動喫煙対策の強化

更新日:2023年11月2日

「望まない受動喫煙」をなくすため、健康増進法が改正され、令和2年4月1日から全面施行されています。
 平成30年7月25日に公布された法律では、たくさんの人が利用する施設等の種類に応じて、敷地内禁煙や屋内禁煙にすること、また、喫煙場所の案内を掲示することなどが段階的に義務付けられ、違反者には罰則が課されることがあります。
 各施設を管理する皆さまは、適切な受動喫煙対策を講じていただきますようお願いします。

改正健康増進法の施行スケジュール
年月日 主な内容

2019年1月24日

一部施行(1)。国と地方公共団体が、受動喫煙防止に必要な措置を総合的に推進
・喫煙をする際の配慮義務(喫煙者)
・喫煙場所を設置する際の配慮義務(施設管理者)

2019年7月1日

一部施行(2)。敷地内禁煙となる学校や病院、児童福祉施設等、行政機関などを規制開始

2020年4月1日

原則屋内禁煙となる飲食店や事務所などの規制を含め全面施行

改正の概要

基本的な考え方(1)「望まない受動喫煙」をなくす
 屋内で受動喫煙にさらされることを望まない人がそのような状況に置かれることがないように「望まない受動喫煙」をなくします。

基本的な考え方(2)受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮
 子どもなど20歳未満の人、患者等が主に利用する施設(学校、病院等)や屋外について、受動喫煙対策を一層徹底します。

基本的な考え方(3)施設の類型・場所ごとに対策を実施
 施設の種類・場所ごとに、敷地内禁煙・屋内禁煙にすることや喫煙場所の案内を掲示することなどが義務付けられます。
 その際、既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業所が運営するものについては、事業継続に配慮し、必要な措置を行います。

 詳細は、下記の厚生労働省ホームページをご覧ください。

配慮義務

 改正健康増進法は、2019年1月24日に一部施行され、喫煙者に対して「喫煙をする際の配慮義務」、多数の者が利用する施設の管理者に対して「喫煙場所を設置する際の配慮義務」が課せられています。配慮に関する具体的な定めはありませんが、以下のような例が考えられます。

喫煙をする際の配慮義務(喫煙者)

喫煙をする際は望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。

◆具体例
 ・ できるだけ周囲に人がいない場所で喫煙をするよう配慮すること
 ・ 子どもや病気の人など特に配慮が必要な人が集まる場所や近くにいる場所(学校や病院など)
   では、特に喫煙を控えること

喫煙場所を設置する際の配慮義務(施設管理者)

施設管理者は、喫煙場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。

◆具体例
 ・ 出入り口付近や利用者が多く集まる場所には設置しないこと
 ・ たばこの煙の排出先について周囲の通行量や周囲の状況に十分配慮すること

※上記はあくまで例であり、「こうしなければならない」というものではありません。

2019年7月1日施行の対象となる施設(第1種施設)

 受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が利用する施設として以下の施設は敷地内禁煙です。
 学校
 病院
 児童福祉施設等
 国及び地方公共団体の行政機関の庁舎

なお、松山市では市庁舎(本館、別館、第3別館、第4別館)及び各支所に設置している喫煙所を2019年6月30日をもって閉鎖し、2019年7月1日からは敷地内禁煙となっています。

2020年4月1日施行の対象となる施設(第2種施設)

 改正健康増進法では、2019年7月1日施行の対象となる施設(第1種施設)以外の多数の人が利用する施設は原則屋内禁煙です。
 多数の人が利用する施設とは、商店や飲食店、娯楽施設、百貨店、事務所、鉄道など複数の人が利用するあらゆる施設を指します。
 ただし、たばこの煙の流出防止にかかる措置をすることで、屋内でも喫煙をすることができます。たばこの煙の流出防止にかかる具体的な措置および技術的基準は以下のとおりです。

喫煙専用室

  • 喫煙専用室となる場所の出入口で、室外から室内への空気の気流が0.2m毎秒以上であること
  • 喫煙専用室となる場所が壁・天井によって区画されていること
  • たばこの煙が屋外に排気されていること
  • 喫煙できる場所であることを示す標識の掲示

※喫煙専用室を設置する場合、喫煙専用室内での飲食はできません。

指定たばこ専用喫煙室(加熱式たばこ専用喫煙室)

  • 指定たばこ専用喫煙室となる場所の出入口で、室外から室内への空気の気流が0.2m毎秒以上であること
  • 指定たばこ専用喫煙室となる場所が壁・天井によって区画されていること
  • たばこの煙が屋外に排気されていること
  • 喫煙できる場所であることを示す標識の掲示

※指定たばこ専用喫煙室(加熱式たばこ専用喫煙室)内での飲食は可能です。

喫煙可能室

 改正健康増進法の経過措置として、2020年4月1日時点で下記の要件に該当する既存の飲食店は、既存特定飲食提供施設として、喫煙可能室を設置することができます。

  • 資本金または出資の総額が5,000万円以下
  • 客席床面積が100平方メートル以下

 喫煙可能室では、店舗の全部または店舗内の区画された一部を喫煙可能とすることができ、飲食も可能です。
 なお、喫煙可能室を設置する場合は、松山市保健所への届出をお願いします。当該届出は、郵送、メールでも受け付けています。届出先は下記のとおりです。
※2020年4月1日以降に新規で開店する飲食店は、客席床面積等に関わらず喫煙可能室の設置はできません。

【届出先
・窓口、郵送で提出する場合
〒790-0813
愛媛県松山市萱町六丁目30-5 健康づくり推進課
・メールで提出する場合
health-up@city.matsuyama.ehime.jp

喫煙目的室

 多数の者が利用する施設のうち、喫煙をする場所を提供することを主目的とする施設は、喫煙目的室を設置することができます。喫煙目的室を設置することができる具体的な施設は次のとおりです。

(1)喫煙を主目的とするバー・スナック等

  • たばこの対面販売(出張販売も含む)※1をしており、施設内の場所で喫煙をする場所を提供することを主目的とし、併せて設備を設けて飲食をさせる営業(「通常主食と認められる食事※2」を主として提供するもの除く)を行うもの。

※1 たばこの対面販売及び出張販売とは、たばこ事業法第22条第1項の製造たばこ小売販売業の許可を得た者が営業を行う場所または第26条第1項の出張販売の許可を受けた場所でたばこを販売することをいい、自動販売機のみによる販売はこれに該当しません。
※2 「主食」とは、社会通念上主食と認められる食事をいい、米飯類、パン類(菓子パン類を除く)、麺類、ピザパイ、お好み焼き等が主に該当するものですが、主食の対象は各地域や文化により異なるものであるため、実情に応じて判断されます。

(2)店内で喫煙可能なたばこ販売店

  • たばこまたは喫煙器具の販売をしており、施設内の場所で喫煙をする場所を提供することを主目的とするもの。(設備を設けて客に飲食を提供する営業を行うものを除く)

 喫煙目的室では、店舗の全部または店舗内の区画された一部を喫煙可能とすることができ、飲食(「通常主食と認められる食事」を除く)も可能です。
 喫煙目的室を設置する場合は、松山市保健所へ届出をする必要はありません。

飲食店の喫煙室設置条件の早見表

 飲食店(喫煙目的室の設置が可能な店舗は除く)が設置可能な喫煙室は以下のとおりです。
 喫煙室を設置する際にはご参照ください。

標識の掲示義務

 各種喫煙室を設置する際には、標識の掲示が必要です。
 厚生労働省では、標識例を作成し、ホームページ上で公開しています。

 また、多言語対応の標識例と主な言語の対訳例です。
必要に応じてご活用ください。

受動喫煙対策に係る助成金制度

 事業者の方が、受動喫煙対策として一定の基準を満たす各種喫煙室を設置する際、その費用について助成を受けることができます。
 助成金制度の詳細は、下記の「受動喫煙防止対策助成金のご案内」または「生衛業受動喫煙防止対策助成金のご案内」をご参照ください。

労働者災害補償保険の適用となる事業主向け

【お問い合わせ先】
愛媛労働局 労働基準部 健康安全課
TEL:089-935-5204

労働者災害補償保険の適用対象外である事業者向け

【お問い合わせ先】
愛媛県生活衛生営業指導センター
TEL:089-924-3305

罰則

 施設管理者などに対して健康増進法に基づき必要な措置について義務が課されています。これに違反すると指導や勧告の対象となり、指導や勧告しても必要な義務を守らない場合は、過料処分の対象となります。

罰則一覧
対象者 違反の内容 過料
全ての人 喫煙禁止場所での喫煙 30万円以下
紛らわしい標識の掲示および標識の汚損 50万円以下

施設管理者

喫煙禁止場所での喫煙器具・設備等の設置 50万円以下

喫煙室の基準適合違反

50万円以下

施設要件の適合違反
(喫煙目的施設に限る)

50万円以下

標識の掲示違反 50万円以下
標識の除去違反

30万円以下

書類の保存義務違反
(既存特定飲食提供施設、喫煙目的室)

20万円以下
立入検査の拒否及び質問に対する虚偽 20万円以下
20歳未満の者の喫煙室への立入違反

受動喫煙対策に関するお問い合わせ先

愛媛県松山市萱町六丁目30-5 松山市保健所 1階 健康づくり推進課

電話番号:089-911-1855 (受付時間8:30~17:15(土日・祝日は除く))

 改正健康増進法に対応するため、受動喫煙対策に関する窓口相談および電話相談を実施しています。どうぞお気軽にお問い合わせください。

受動喫煙対策に係るコールセンター【厚生労働省】

電話番号:0120-251-262 (受付時間9:30~18:15(土日・祝日は除く))

  • 受動喫煙対策に関するご質問・ご意見等を承るコールセンターです。
  • 主に健康増進法の一部を改正する法律に関するご質問・ご意見等を受け付けています。
  • 特定の行政庁に判断が委ねられる個別事案等に関するお問い合わせについては、内容によりお答えできない場合もありますので、あらかじめご承知おきください。

受動喫煙防止対策に係る相談支援及び各種支援事業【厚生労働省】

 職場の受動喫煙防止対策に取り組む事業者の方を支援するため、労働衛生コンサルタント等の専門家が、現在の喫煙状況、事業の内容、建物の構造といった職場環境に応じた適切な対策ができるよう、個別に相談・助言を行っています。
 また、受動喫煙防止対策助成金の申請書類の記載方法等についても相談に応じています。費用は無料ですので、お気軽に御利用ください。
【相談窓口】
一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会
電話番号:050-3537-0777

支援の内容

  • 専門家による電話相談

(1)受動喫煙防止対策のための計画、実施体制、問題点等に関する相談(ソフト面)
 これから対策を検討する事業者の方や対策の進め方に悩んでいる事業者の方などを対象に、対策の進め方、対策実施に当たっての留意事項や問題点の解決方法等について御提案します。
(2)受動喫煙防止対策のための施設・設備等に関する相談(ハード面)
 建物内禁煙や喫煙専用室の設置による空間分煙等、ハード面での対策やその改善を検討している事業者の方からの相談を受け付けています。
(3)受動喫煙防止対策助成金の申請に関する相談
 助成対象となる措置の要件などの説明や、申請書や添付書類の記載方法についての相談に対応します。

  • 実地指導

 電話による相談のみでは十分な対応が困難と判断される場合やご希望の場合には、専門家を事業所へ派遣して実地での指導や助言を行います。

  • 説明会の実施

 事業所の経営者、人事・労務・安全衛生担当者等を対象として、職場での受動喫煙対策について多角的な情報提供を行い、受動喫煙対策の進め方を提案することで事業所での受動喫煙対策を推進するための説明会を実施します。

  • 団体の会合に対する講師派遣

 企業の研修や事業者団体の会合等で、専門家が職場の受動喫煙防止対策をテーマにした説明会を行います。また、説明する内容についてもご希望を承ります。

お知らせ

令和元年7月1日 職場における受動喫煙防止のためのガイドラインが策定されました

  • 職場における受動喫煙防止のためのガイドライン
  • 健康増進法に伴う受動喫煙対策の技術的基準等の概要
  • 技術的基準を満たすための効果的な手法等の例

平成31年2月22日 改正法の関係政省令告示が公布されました

  • 健康増進法施行令の一部を改正する政令(平成31年政令第27号)
  • 健康増進法施行令及び消費者庁組織令の一部を改正する政令(平成31年政令第28号)
  • 健康増進法施行規則等の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第17号)
  • 健康増進法の一部を改正する法律附則第3条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が指定するたばこ(平成31年厚生労働省告示第39号)

【参考】

平成31年1月24日 「健康増進法の一部を改正する法律」が一部施行されました

  • 国及び地方公共団体の責務に関する事項(第25条関係)
  • 関係者の協力に関する事項(第25条の2関係)
  • 喫煙をする際の配慮義務に関する事項(第25条の3第1項関係)
  • 喫煙場所を設置する際の配慮義務に関する事項(第25条の3第2項関係)

【参考】

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お問い合わせ

健康づくり推進課

〒790-0813 愛媛県松山市萱町六丁目30-5 松山市保健所 1階

電話:089-911-1855

E-mail:kenkou@city.matsuyama.ehime.jp

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