平成30年1月4日 松山市年賀交歓会

更新日:2018年1月29日

 皆さま、改めまして、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 今年も、関係団体の皆さま方と、中村知事をはじめ多くの御来賓の方々をお迎えして、松山市年賀交歓会ができますことを大変うれしく思います。

 それでは、例年のように、松山市のこれからの取組を御紹介させていただきます。

 私は、ご存知のように一市民出身です。市民と行政の距離ができるのは良くないこと、市民と政治の距離ができるのは良くないこと、できるだけ行政を身近に、政治を身近にという思いでさせていただいておりますので、スライドを交えながら分かりやすく取組を述べさせていただいたらと思います。

 おかげ様で昨年は、これまで市民の皆さんと一緒に考え、そして動いてきた案件が、多く花開き実を結んだ一年でした。

 まず、64年ぶり初の単独開催の愛顔つなぐえひめ国体・えひめ大会では、合わせて大会史上最多の32競技36種目が松山市で行われました。24年ぶりに天皇皇后両陛下がお越しになり、市民の皆さんと一緒に各所で盛大にお出迎えができたこと、また、愛媛県と連携し、国体史上初の屋外特設プールで実施された水泳で日本新記録が生まれたことなどは、特に印象に残っています。ボランティアをはじめ、多くの方々の御支援と御協力で、無事に開催できたことを心から感謝しています。
 来年は、ラグビーワールドカップ、そして、再来年、2020年は東京オリンピック・パラリンピックです。海外から多くの方々が日本を訪れます。愛媛県と連携し、国体で充実させたスポーツ施設を有効に活用して、海外チームのキャンプや事前合宿を積極的に誘致し、スポーツの振興や地域の活性化につなげていきます。

 また、正岡子規・夏目漱石・柳原極堂の生誕150年では、「松山から世界へ そして未来へ」をテーマに3人の功績を顕彰し、俳都松山の新たな一歩を踏み出しました。
 4月には、子規記念博物館の常設展示をリニューアルしました。新たな映像機器の導入などで、分かりやすい展示になりました。9月までの半年間の実績ですが、来館者数は前の年と比べ約50%アップしました。
 2月3日(土曜日)には、締めくくりとして『International Photo-Haiku Festival』が開催されます。夏井いつきさんの句会ライブや、世界に高い情報発信力を持つ元EUの大統領で、松山市特別名誉市民のヘルマン・ファン・ロンパイさんが松山市にお越しになります。また、元東京大学の総長で、第122代・文部大臣などを歴任された、国際俳句交流協会会長の有馬朗人さんを迎え、シンポジウムや「瀬戸内・松山国際写真俳句コンテスト」の表彰式を開催します。世界の各国からも応募がある写真俳句コンテストです。

 また、前中村時広市長時代から進めている、司馬遼太郎さんの小説『坂の上の雲』を活かしたまちづくりの中核施設、坂の上の雲ミュージアムは開館10周年を迎え、現在、10周年にふさわしく、初めて主人公の3人をとりあげた企画展「好古・真之・子規-明治20年代初頭」を今年の2月18日まで開催しています。
 今年は、明治元年から150年目の「明治150年」にあたります。松山市では、明治の時代に生きた子規・漱石など、先人たちが育んできた「ことば」文化を生かし、今年も国の内外に松山の魅力を発信します。
 小説『坂の上の雲』の主人公の一人、「智謀湧くが如し」といわれた秋山真之さんの生誕150年の年でもあります。この記念も予定しています。
 これからも、「ことば」と「文学」のまち松山への市民の皆さんの愛着や誇りを、さらに高めていきたいと考えています。

 そして、国体前の9月、道後に、松山市営では33年ぶりに新たな温泉施設「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」が誕生しました。道後の持つ歴史の力を発信する拠点です。
 外観は、西暦596年に聖徳太子が道後にお越しになった歴史から、飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋がコンセプトです。館内のテーマは太古の道後。愛媛を代表する伝統工芸士や匠の皆さんが、道後温泉にまつわる伝説や物語を、「愛媛の伝統工芸」と「最先端のアート」をコラボレーションさせた作品で演出し、「温泉の癒し」と「感性の刺激」をお楽しみいただけます。
 中には、男性、女性それぞれ50人程度が入浴できる開放的な大浴場。砥部焼の陶板壁画の図柄は、道後温泉にまつわる和歌の風景です。男性の浴室には、山部赤人が詠んだ、伊予の高峰・霊峰石鎚山。女性の浴室には、額田王の歌から、熟田津の海(瀬戸内)がテーマです。浴槽を囲むように3面に飾り、プロジェクションマッピングで小鳥や木々をはじめ、季節の移り変わりなどを投影します。露天風呂も備えています。
 そして、9日前の12月26日には、回廊と中庭と街路を一体的に整備し、グランドオープンを迎えました。憩いの場で湯上がりにゆっくりと過ごしていただけます。
 新しくできた中庭は、聖徳太子が道後温泉に来浴された際に残したとされる「湯岡の碑文」に描かれた明媚な風光をイメージし、「椿の森」、「湯の川」、「温泉碑」を再現しています。
 地元の方がよく入って下さっている椿の湯もリニューアルオープンしました。高齢化や、また子どもさんが危なくないように、少し深いと言われていた浴槽の改修や、浴室内に外気に触れて寛いでいただける休憩スペースを設けました。
 地元の皆さんと一緒に汗をかいて新しく生まれた施設です。大切に市民の皆さんと育て、100年先まで輝き続ける松山の宝にしたいと思っています。

 道後温泉本館も元気に営業中です。保存修理工事は早くても今年の秋以降で、工事しながら営業し、営業しながら工事をします。ピンチをチャンスと捉え、この時にしか体験できない誘客策も考えています。
 工事中の本館の全景を眺められる眺望スポットとして、冠山の「空の散歩道」があります。こちらに、足湯や休憩所を整備するほか、工事の見学会を開催するなど効果的に情報発信もしていきます。
 道後温泉本館、この宝を皆さんと未来に遺していくため、現在クラウドファンディングを実施しています。平成36年までの約7年間で、工事費用の約4分の1にあたる5億円を皆様からの御寄附でまかないたいと考えています。法人は一口10万円から、個人は一口1万円からで、1回目は今年3月31日まで募集しています。
 明治27年、今の道後温泉本館ができた際、多額の資金がいるので、町の人たちがお金を持ち寄った。これも、一種のクラウドファンディングだったと私は考えています。皆様御協力をお願いできたらと思います。
 そして現在、道後では4年振りに温泉とアートを融合させ、複数のアーティストが参加するアートの大祭、好評の「道後オンセナート」がプレオープン中です。今年4月14日に「道後オンセナート2018」がグランドオープンし、フィナーレは来年の2月末までです。会期は、全国に例のない18カ月間の長期開催。継続してやっている方が、旅行会社のパンフレットには載りやすいです。
 国の内外で活躍する約20名のアーティストが、「オマージュ(賛歌)」をキーワードにホテルプロジェクトをはじめ、多様なアート作品を道後のまち全体に展開します。中村時広市長さんの時に、本館周辺の景観整備ができていたので、このアートがまち全体に展開できます。前市長さんに感謝申し上げたいと思います。
 また、昨年10月からは、映画監督で写真家の蜷川実花さんが特別参加され、道後温泉本館を花火の写真で彩り、昼と夜で表情が変わる大規模なインスタレーションが行われています。

 市内中心部です。国体前にもう一つ、花園町通りのリニューアルも完了しました。松山市では、少子高齢化が進む中で、歩行者や自転車といったゆっくりの交通に配慮した「歩いて暮らせるまち松山」を目指しています。そのシンボルロードとして、堀之内と松山市駅を結んで、市内で最も幅の広い通りの花園町通りで、自動車の交通量の減少に伴い、両側の車線を1車線ずつに減らして、電線類も地中化しました。広くなった空間には、自転車道やウッドデッキの広場や駐輪場など快適な歩行空間を創りました。
 東側の商店街では、アーケードを撤去して、地元が中心になりファサード整備(景観整備)を行い、華やかな街並みへと大きく変わりました。
 リニューアル後、歩行者数は約2倍になっています。自転車道の利用で、通行もさらに安全で快適になりました。広くなった歩道では、毎月第3日曜日に、地元主催でマルシェイベントが開催され、新たな賑わいが生まれています。私の夢は、月1回から月2回に、そして毎週日曜日に開催されるようになれば、松山の宝である中心市街地にまたにぎわいが生まれると考えています。
 また、花園町は正岡子規の生誕地です。子規が俳句で詠んだ草花を植栽し、「俳句ポスト」も設置しました。市民の皆さんはもちろん、観光客にもお越しいただけるような通りにしていきたいと思っています。

 子どもたちの教育環境も充実します。最近の夏は、真夏日や猛暑日が珍しくありません。暑い日でも子どもたちが授業に集中できる環境が必要です。また、学校は、大きな災害の時に避難所になり、小さな子どもや高齢者が避難してこられる場所です。
 そこで、小学校・中学校のエアコン整備を進め、去年は、中学校29校全ての普通教室と、島しょ部の小学校3校で整備が完了しました。去年の2学期から使用を始めています。その他の小学校は、来年度中の使用開始を目指して整備を進めています。

 人手不足とよく言われます。かたや、元気な高齢者の方は多数いらっしゃいます。
 そこで、高齢者の活躍を支援しています。松山市のシルバー人材センターが、技術や経験を生かせる新たな企業の開拓に取り組んでおり、平成28年度の実績は、約1万8千件の受注と、11億円の契約です。平成26年度からは、いきいき仕事センターを開設して、職業紹介など相談を受けています。
 また、4年前に銀天街のゲットに開設した「まつやま経営交流プラザ」は、「未・来(みらくる)ジョブまつやま」としてリニューアルオープンし、昨年4月からは、高齢者の就労相談もできるようになりました。

 就任当初から続けてきたタウンミーティングは、100回を超えました。毎回、タウンミーティングの冒頭で申し上げていることは3つです。1つ目に「地域の皆さんができること」、2つ目に「行政ができること」、3つ目に「地域の皆さんと行政が一緒になってできること」を常に申し上げ、市民主体のまちづくりを呼びかけてきました。
 道後で、また中心商店街で、また三津で、様々な地域で、市民主体のまちづくりが、市民協働のまちづくりができていることを、大変うれしく思っています。

 これからも、市民の皆さんと一緒に、一人でも多くの人が笑顔になり、幸せを実感でき
る松山市の実現に向けて、公約の実現に徹底的にこだわってまいります。「現地・現場を大切に」、「市民目線を大切に」、全力で今年も取り組んでまいりますので、市民の皆様方の御理解と御協力を心からお願い申し上げ、私の新年の挨拶とします。
 今年もどうぞ皆様方、よろしくお願いします。

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