ハネビロエゾトンボ

科名:エゾトンボ科
地方名: 
学名:Somatochlora clavata
松山市カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
レッドデータブックまつやま2012掲載ページ:ページ
執筆者:武智 礼央
撮影者:
種の特徴
腹長♂36 ~ 41㎜、♀42 ~ 46㎜。後翅長♂38 ~ 43㎜、♀41 ~ 45㎜。全身が金属光沢をもつ暗緑色をした中型のトンボ。♀は成熟しても黄色の条紋が残るが、♂では消失する。成虫は早朝と夕方に摂食飛翔をする。平地から低山地の、樹林に囲まれミゾソバなどの植生がある細流や、流れのある湿地、休耕田、泉などに生息する。
分布市内
小野川・石手・片地・中野町・平井町・南久米町・樽味。
分布市外
東予~南予、北海道~九州、朝鮮半島。
生息状況
かつては、林に囲まれた泉や伏流水による緩流などでよく見られた。石手川から取水する水路にもよく姿を現し、人家へ飛び込んでくることもあった。近年は、山際に位置する数ヵ所のため池に流入する細流で幼虫・成虫ともに見つかっているが、各地点での個体数は少なく、市内における確実な生息地は2ヵ所しかない。
減少の要因
農薬などの流入による水質汚濁、生息地の埋め立てや護岸工事、森林伐採などに伴う生息地の乾燥化、谷津田の放棄による植生遷移などが考えられる。
特記事項
同属のエゾトンボやタカネトンボが止水に生息するのに対し、本種は流水を好む。