サツキハゼ

科名:オオメワラスボ科
地方名: 
学名:Parioglossus dotui Tomiyama
松山市カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
環境省カテゴリー: 
レッドデータブックまつやま2012掲載ページ:ページ
執筆者:清水孝昭・高橋弘明・渋谷雅紀・川西亮太
撮影者:
種の特徴
体は細長く、側扁する。体は淡黄色で、吻端から尾柄部にかけての体側中央に1本の暗色縦条が走り、尾鰭中央の基底付近に体軸方向に細長い三角形の暗色斑がある。全長5㎝。河口域から内湾、港などの岸近くの表層に群れて遊泳している。主に満潮時に活動し、潮が引くと巣穴に隠れている。
分布市内
重信川感潮域。
分布市外
本州中部以南~八重山諸島。
生息状況
松山市では、重信川河口付近で1991年にわずか3尾が採集されているのみ。愛媛県ではこれまでのところ本河川が分布の東限である。
減少の要因
河川改修。
特記事項
愛媛県瀬戸内海斜面では、他に肱川より報告がある。河口域で最も調査の行いやすい干潮時には活動しないため、波が穏やかで水がきれいな場所がないと発見が比較的困難である。1991年には潜水目視により発見したが、近年重信川河口域は透視度が低く、そうした調査ができる場所は少なくなっている。内湾状の地形を好み、宇和海斜面には比較的連続分布するが、開放的な松山市沿岸域には少ないと思われる。水際の垂直面に、産卵場およびふだんの生活場所として利用できる間隙が多くあることが重要であり、単調なコンクリ-ト護岸は本種の生活空間を減少させる。