ヒトハリザトウムシ

科名:カワザトウムシ科(クモガタ綱ザトウムシ目)
地方名:
学名:Psathyropus tenuipes L. Koch, 1878
松山市カテゴリー:準絶滅危惧 (NT)
環境省カテゴリー:準絶滅危惧 (NT)
レッドデータブックまつやま2012掲載ページ:ページ
執筆者:鶴崎 展巨
撮影者:
種の特徴
体長5㎜内外。腹部第2背板上に1本の短いとげがある。ザトウムシでは唯一の海岸性の種。道路から離れ、砂浜と海食崖のそろった自然海岸に多い。卵越冬で成体は7月上旬頃から出現、たいていは年内に死亡。集合性が非常に強く、昼間は海岸の岩陰などに多数の個体が歩脚を重ねあわせて群棲する。暗くなってから浜辺でフナムシなどを食べる。似た環境に出現するフナムシ(甲殻綱等脚目)と比べ自然海岸への結びつきがはるかに強い。
分布市内
興居島(御手鼻〜琴引浜など4カ所)・中島(大串)・高島・横島・重信川河口付近。
分布市外
日本各地(海岸に限るが、東北以北では内陸にも出現)、北部千島列島、ロシア沿海州。
生息状況
興居島の生息地は現在のところ良好。対岸の四国本土側の松山市の海岸(湊山、梅津寺、高浜、白石ノ鼻など)にもかつては多数生息していたが、現在はまったく確認できない(1970年頃以前に絶滅したとみられる)。重信川河口には小規模な生息がみられる。海岸から遠く離れた福見山福見寺で1970年に2幼体が採集されているが、その後は発見できない。
減少の要因
自然海岸の消失。
特記事項