産業経済委員会『持続可能な観光振興について』

更新日:2018年2月23日

調査期間

平成28・29年度

テーマ選定の経緯

 平成28年度の本市における観光客推定数は582万7,900人であり、また、外国人観光客数においても、過去最高の18万7,500人と、ともに4年連続で増加し続けています。
 地域密着型産業として、地域活性化の一翼を担うのが観光産業であります。地方に投資を呼び込み、新たな雇用を生み出すよう、観光産業の活性化を図ることは本市にとっても重要であります。
 本市の産業、まちづくりの柱となる観光産業について、国内外の旅行客をどう呼び込むのか、地域資源の活用と広域連携、行政と観光コンベンション協会、あるいは民間事業者との連携、観光関連産業の雇用創出の現状と課題、まちづくりに向けた人づくりなど、将来の観光振興に向けた課題研究として「持続可能な観光振興について」を閉会中の調査研究テーマとし、以下の2点を具体的な研究項目とすることにしました。

1点目は、「外国人観光客の誘致について」とし、
1. 情報発信力の強化
2. 広域観光周遊ルートの形成と広域官民連携
3. 受入環境の整備
について調査研究を行うこととしました。

2点目は、「地域の観光資源の磨き上げと活用について」とし、
1. 松山城及びその周辺
2. 体験型メニューなど
について調査研究を行うこととしました。

市への主な提言事項

外国人観光客の誘致について

1.情報発信力の強化
●パワーブロガーなどのキーパーソンとの連携強化に取り組むこと。
●観光客が自発的にSNSを使って発信してもらえるように、特に写真の撮影スポットなどの情報提供に取り組むこと。
●QRコード等を活用した、外国人観光客に分かりやすい案内や説明手法に取り組むこと。
●外国人旅行者に影響力の高い媒体で取り上げてもらう等、定期的な情報発信に取り組むこと。

2.広域観光周遊ルートの形成と広域官民連携
●回遊性を高める移動手段の情報提供に取り組むこと。

●城や温泉などをテーマにした観光メニューや体験メニューを構築し、同じ観光資源を有する他自治体との連携に取り組むこと。

●外国人観光客に人気の都市との連携を強化し、相互の情報発信に取り組むこと。

●西遊紀行「瀬戸内エリアパス」の更なるブラッシュアップに取り組むこと。

3.受入環境の整備
●外国人観光客向けコンテンツ内容の充実、機能強化、多言語対応の促進に取り組むこと。

●看板の外国語表記や、外国人にも分かりやすいピクトグラムの活用を積極的に取り組むこと。

●空港や駅、ホテルの受付、レストラン、観光スポットなどでの外国語が話せるスタッフの教育や支援に取り組むこと。

●観光案内所での接客データを分析し、訪問客のニーズを継続して行い、パンフレットやホームページ等への活用に取り組むこと。

地域の観光資源の磨き上げと活用について(松山城及びその周辺、体験型メニューなど)

●松山城や道後温泉、坂の上の雲ミュージアム、萬翠荘などのアーキテクチャーツーリズムコースの作成に取り組むこと。

●松山城の夜間の更なる活用について取り組むこと。

●松山城攻略を磨き、新たな体験メニューの開発に取り組むこと。

●周辺地域と連携した新たな体験メニューの開発に取り組むこと。

理事者からの進捗状況報告(要約)

外国人観光客の誘致について

1.情報発信力の強化
●パワーブロガーなどのキーパーソンとの連携強化に取り組むこと。
 『瀬戸内・松山構想』の推進母体である瀬戸内・松山ツーリズム推進会議や、本市が参画している瀬戸内4県都市長会(松山市・広島市・岡山市・高松市)などを通じて、外国人観光客の誘致につながるパワーブロガーの招聘や、各国の関係事業者との連携などの取り組みを行っており、今後も、引続き取り組んでいく。

●観光客が自発的にSNSを使って発信してもらえるように、特に写真の撮影スポットなどの情報提供に取り組むこと。
・本市が開設した「多言語観光ウェブサイト」(四国松山 瀬戸内松山)だけでなく、ウェブサイトと連動するFACEBOOKページも設けて、いわゆるインスタ映えする撮影スポットなども取り上げている。
・現在、瀬戸内・松山ツーリズム推進会議でも現在ウェブサイトのリニューアルに取り組んでいるが今後、インスタグラムを活用した写真を集約して掲載したり、撮影スポットなどを紹介する動画を掲載していく。

●QRコード等を活用した、外国人観光客に分かりやすい案内や説明手法に取り組むこと。
・QRコードは松山城天守の展示物や道後温泉本館の料金表などで整備しており、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に対応している。
・また、外国人向けの情報発信として平成28年2月に多言語観光ウェブサイトを開設し、英語、中国語(簡体字、繁体字、)韓国語で松山市の観光情報を発信している。
・さらに、外国語版観光パンフレットを英語、中国語(繁体字)、韓国語で作成しており、中国語(簡体字)も近々発行予定としている。

●外国人旅行者に影響力の高い媒体で取り上げてもらう等、定期的な情報発信に取り組むこと。
・本市が参画している瀬戸内・松山ツーリズム推進会議や西遊紀行プロジェクト、瀬戸内4県都市長会などを通じてSNS等による情報発信に取り組んでいる。
・今後は、平成30年4月に発行予定のミシュランレッドガイドと連携した情報発信を検討するほか、訪日外国人向けのフリーマガジン(紙媒体)『グッドラックトリップ』やウェブを活用した定期的な情報発信に取り組んで行く。

2.広域観光周遊ルートの形成と広域官民連携

●回遊性を高める移動手段の情報提供に取り組むこと。
 『瀬戸内・松山構想』の推進母体である瀬戸内・松山ツーリズム推進会議や、本市が参画している西遊紀行プロジェクトを通じ、また、瀬戸内7県を中心に設立されたせとうちDMOと連携しながら、ホームページ「多言語観光ウェブサイト」(四国松山 瀬戸内松山)等を通じて、地域を周遊できる新たなルート(特にJRや船舶)の発信を行っている。

●城や温泉などをテーマにした観光メニューや体験メニューを構築し、同じ観光資源を有する他自治体との連携に取り組むこと。
・今年度は、丸亀城・丸岡城へのイベント参加や本市で開催した全国城サミットなどを通して、他自治体との連携を行ったが、来年度は姫路城、小倉城とも連携を強化していく。
・さらに、瀬戸内・松山ツーリズム推進会議の事業や、せとうちDMOとの連携を通じて、外国人誘客につながる体験メニューの開発に向けた検討を行っている。
・現在、大分県主催の「世界温泉地サミット」に道後温泉旅館協同組合が参加しており、組合と情報交換をする中で、市としても支援を行っていく。

●外国人観光客に人気の都市との連携を強化し、相互の情報発信に取り組むこと。
・広島市や廿日市市も参画している瀬戸内・松山ツーリズム推進会議や、せとうちDMOを通じて、広島地域との連携を強化しながら、広域の情報発信に取り組んでいる。
・また、訪日旅行先として人気が高い新宿区や横須賀市の関東方面や斑鳩町などの関西方面の交流自治体との連携をさらに深め、相互のネットワークを活用しながら、引き続き観光地の食や文化などの魅力発信を行い、観光客誘致に繋げていく。

●西遊紀行「瀬戸内エリアパス」の更なるブラッシュアップに取り組むこと。
・本市が参画している西遊紀行プロジェクトで作成協議された「瀬戸内エリアパス」については、松山市の観光施設の割引や、販路拡大を目指した情報発信に取り組んでいる。
・今後は、西遊紀行プロジェクト会議で魅力ある商品の設定や海外プロモーションなどについて提言していく。

3.受入環境の整備

●外国人観光客向けコンテンツ内容の充実、機能強化、多言語対応の促進に取り組むこと。
 ウェブサイトやパンフレットの多言語化により、外国人観光客によりわかりやすい観光情報の提供を行っている。

●看板の外国語表記や、外国人にも分かりやすいピクトグラムの活用を積極的に取り組むこと。
・松山城、ロープウェイ駅舎、松山城駐車場の看板や道後温泉の料金表など外国語表記は実施している。
・また、ピクトグラムについては、外国人観光客にもわかりやすいものとするため、国が東京オリンピック・パラリンピックに向け変更や追加を行っている。本市でも活用を進めるための検討を行う。

●空港や駅、ホテルの受付、レストラン、観光スポットなどでの外国語が話せるスタッフの教育や支援に取り組むこと。
・市内4か所の観光案内所については、松山観光コンベンション協会を通じてスタッフの教育・支援等を行っている。
・また、飲食店などの訪日外国人受入れ環境整備を目的に協定を締結している「株式会社ぐるなび」の高いノウハウを活用しながら、メニューの統一表示や多言語化及び接客などの支援を観光客が多い道後を中心に行っていく。
・毎年、観光関係者を対象とした観光国際化研修を県、商工会議所と連携して、英語、韓国語、中国語について実施している。会話だけでなく文化や習慣の違いなどについても学び、外国人に接することへの苦手意識を払しょくする一助となっている。今後も内容を充実させ受講者の業務に役立てるようにしていく。

●観光案内所での接客データを分析し、訪問客のニーズを継続して行い、パンフレットやホームページ等への活用に取り組むこと。
 市内4か所の観光案内所については、松山観光コンベンション協会により情報収集を行っているが、今後は接客データを分析し、関係団体の協力を得ながらパンフレットやホームページ等への活用などを検討していく。

地域の観光資源の磨き上げと活用について(松山城及びその周辺、体験型メニューなど)

●松山城や道後温泉、坂の上の雲ミュージアム、萬翠荘などのアーキテクチャーツーリズムコースの作成に取り組むこと。
 松山ボランティアガイドや有料ガイドである松山はいくが実施しているまち歩きコースでは市内の貴重な建築物等をめぐるコースもあることから、これらをベースとして歴史的建藏物や現代建築などの美しい建造物をめぐる新しいメニューを検討する。

●松山城の夜間の更なる活用について取り組むこと。
・松山城×ひろしまドリミネーションの特別企画として開催した「光のおもてなしin松山城」では、土曜・日曜・祝日等に夜間ロープウェイの特別運行を実施しているほか、本丸広場での地元と連携したイベントや松山城天守の夜間営業など、夜間の活性化にも取り組んでいる。
・今後も、従業員の負担など指定管理者とも協議をしながら夜間イベントの充実や天守夜間営業など、実施していきたい。

●松山城攻略を磨き、新たな体験メニューの開発に取り組むこと。
 城本来の魅力である「戦国時代」や「武将」といった人気キーワードを活かした新たな体験メニューを研究し、松山城攻略に磨きをかけた体験メニューの実施に取り組んでいく。

●周辺地域と連携した新たな体験メニューの開発に取り組むこと。
 松山市・東温市・砥部町で構成する広域観光連携推進協議会や、県内のお城を持つ市町と新たな体験メニューの開発に向けた検討を行っていく。

お問い合わせ

市議会事務局

〒790-8571 愛媛県松山市二番町四丁目7-2 別館5階

電話:089-948-6652

E-mail:gikai@city.matsuyama.ehime.jp

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