平成29年7月25日「平成28年度 松山市財政事情の公表」についてほか

更新日:2017年8月24日

※この動画は、松山市長 記者会見の冒頭(市長説明)のみを記載しています。

  • 日時:平成29年7月25日(火曜日)午前11時00分から
  • 場所:本館3階第1会議室
  • 記者数:14人

議題

  • 「平成28年度 松山市財政事情の公表」について
  • 「平成28年度 松山市公営企業の業務状況の公表」について

会見要旨

それでは、本日の議題について説明します。
まず、「平成28年度 松山市財政事情の公表について」です。
一般会計の平成28年度の決算収支を前の年度と比較しますと、歳入は、総額で18億4,235万円、率にして1.0%減の1,882億5,997万円で、過去最大であった平成27年度に次ぐ規模になりました。
その概要は、収入減の主なものとして、地方交付税が、市税などの増加に伴う基準財政収入額の増加などで、11億8,494万円、5.2%の減、また、地方消費税交付金が、前の年度に輸入に係る消費税が多かった反動などで、9億2,286万円、9.5%の減と、この2つの経常一般財源で、合わせて約21億円、6.5%の減になりました。
このほか、繰入金が、余土中学校や東中校区小中連携校の整備が完了し、のびのび教育推進基金の充当が減少するなどで、14億7,878万円、25.2%の減になりました。
一方、収入増の主なものは、市税が、給与所得の納税義務者の増加で個人市民税や新築家屋の増加で固定資産税が増加するなどで、7億4,248万円、1.1%増の683億704万円と、過去最高であった平成26年度に次ぐ収入額になったほか、国庫支出金が、低所得の高齢者などに国が措置した臨時福祉給付金や子ども・子育て支援新制度の保育施設運営費の給付が増加し、4億6,095万円、1.2%の増になりました。
県支出金も 保育施設運営費の給付が増加したり、北条選果場の果樹流通設備を更新したりし、4億4,808万円、3.7%の増になりました。

次に、歳出は、総額で5億4,108万円、率にして0.3%減の1,840億2,916万円で、こちらも過去最大であった平成27年度に次ぐ規模になりました。
歳出の概要は、まず、平成27年度に始まった子ども・子育て支援新制度に基づく保育施設運営費の給付をはじめ、認定こども園への移行を希望する施設への補助などで、保育施設が10施設増加し、362人分の保育定員を増員しました。
また、平成26年度からスピード感を持って整備を進めてきた児童クラブは、平成28年度も4つのクラブを整備し、今年の4月には102のクラブで、5,000人を超える児童が利用できるようにしたほか、低所得者世帯の利用料も軽減しました。
さらに、余土地区と味生地区で、保育園や児童クラブ、また、子育て支援センターなどの子ども・子育て施設を複合施設として整備したほか、旧北条スポーツセンターの跡地を活用し、風光明媚な瀬戸内海を一望できる場所に、展望広場やアスレチック遊具、遊歩道などを備えた波妻レクリエーション広場、愛称は、波妻の鼻わくわくランドを整備し、夏休みに合わせ、先日、7月22日(土曜日)にオープンしました。
このほか、小学校・中学校のエアコン整備や妊娠・出産支援など、子育て・教育環境の充実や、少子化対策を推し進めました。
また、旧由良小学校の跡地を活用し、一定期間のお試し移住ができる体験滞在型交流施設「ハイムインゼルごごしま」の整備や地域おこし協力隊の導入、首都圏でのシティプロモーションなど、移住定住対策にも力を入れました。
次に、市立の小学校・中学校の校舎耐震化は、当初の計画から5年前倒して進めてきましたが、昨年9月にすべてを完了しました。
また、昨年4月の熊本地震で、申請が大幅に増加した木造住宅耐震診断の事業費を拡充したほか、避難所生活で使用する、衛生面に配慮した新たな物資を配備し、すべての公民館本館にも備蓄物資を配備しました。
さらに、愛媛大学と連携し、卒業後も防災の知識と実践力を兼ね備え、地域防災の牽引役として活躍する人材を育成したほか、昨年8月には、全国から選抜された約1,000名の救助隊員が日頃、鍛え抜いた技術を披露する「全国消防救助技術大会」を四国で初めて松山市で開催するなど、本市の強みである地域防災力をさらに高めました。
加えて、新たに、小児救急医療では、愛媛大学医学部と連携するほか松山圏域の2次救急医療では、東温市の愛媛医療センターが救急病院に参加するなど、関係者の皆さんに多大な協力をいただき、365日24時間の救急医療体制を強化するなど、市民の安全・安心をさらに確保しました。
また、JR松山駅周辺の着実な整備や松山外環状道路の整備では、井門町の松山インターチェンジと余戸南二丁目の国道56号を結ぶインター線の自動車専用道路がすべて開通し、所要時間は、これまでの11分から4分に短縮されるなど、利便性が高まりました。
さらに、女性の在宅就労の支援や松山圏域で連携した商談会など、中小企業の支援を強化したほか、道後温泉の宿泊者数もしまなみ海道の開通でにぎわった平成11年の翌年以降では最高を記録し、また、修学旅行で誘致した学校数や外国人観光客をはじめ二之丸史跡庭園入場者数も過去最高を記録しました。
瀬戸内・松山構想を柱にした広域での観光戦略に加え、「温泉総選挙2016」の女子旅部門で全国第1位、「女性の一人旅に人気の温泉地ランキング」で3年連続全国第1位に輝くなど、女子旅の聖地として話題を集めた道後温泉での地域が一体になったおもてなしが実を結んだと考えています。
また、西日本で初めて開催され、2日間で5万人を超える人出でにぎわった「ゆるキャラグランプリ2016in愛顔のえひめ」やリハーサル大会の開催などえひめ国体に向けた準備のほか、子規・漱石・極堂の生誕150年を見据え、新たに映像や音声をはじめ、創作人形などを取り入れ子規記念博物館の常設展示をリニューアルしました。
さらに、「松山ひじき」が9品目として新たに認定された「まつやま農林水産物ブランド」のトップセールスや持続可能な農業の構築、果樹産地の生産力向上のほか、市民生活に関連が深い道路や交通安全施設、また、下水排水路や農道の整備で地域経済を活性化するなど、公約や地方創生の実現に向け、市政の重要課題に積極的に取り組みました。
これらの結果、歳入総額と歳出総額の差引額から翌年度へ繰り越すべき財源を控除した一般会計の実質収支は、22億8,388万円になり、59年連続で黒字を確保しました。
また、平成28年度と平成27年度の実質収支の差引額から、黒字要素や赤字要素を考慮し算出する実質単年度収支は、18億3,706万円の赤字になりました。
これは、地方交付税、臨時財政対策債のほか、地方消費税交付金などの交付金が、前の年度に比べ大幅に減収する中、えひめ国体の開催準備をはじめ、保育施設・児童クラブの運営費や余土地区の子ども・子育て複合施設の整備に、基金を活用するなど財源対策を行ったためです。
なお、市債残高は、将来負担を軽減するため、借り入れの抑制に努めてきたことなどで、平成28年度末には、特別会計と企業会計を合わせた市全体で前の年度から25億8,273万円、0.8%の減になり、11年連続で減少しています。
このうち、臨時財政対策債は、地方財政収支の不足額を本来、地方交付税として配分されるべきところ、国の財源不足のため、地方債に振り替えているものですが、残高は29億2,272万円の増で、この影響を除くと、55億545万円、2.2%の減になります。
今後も、市債残高の減少に努めていきたいと考えています。次に、「健全な財政運営へのガイドライン」に関する3つの指標について報告します。
まず、「財政調整基金比率」は、同基金の保留と復元に努めましたが、国体の開催準備や子育て環境の充実に財源対策を行い、前の年度から0.3ポイント減の16.8%になりました。
なお、この指標の目標値は、標準財政規模の10%以上としています。
次に、「経常収支比率」は、地方交付税や臨時財政対策債、地方消費税交付金などの経常一般財源が大幅に減少したことが大きく影響し、89.8%と、前の年度から2.1ポイント上昇し、目標値の「90%未満」をわずかに下回りました。
一方、「市税収入の収納率」は、徴収体制の強化やコンビニ納付の浸透などで、前の年度を0.6ポイント上回る97.1%でした。
このように、平成28年度決算でも、財政運営の健全性は一定確保できており、財政状況が直ちに悪化する懸念はないと考えています。
今後の本市の財政は、歳入面では、地方交付税のトップランナー方式の導入や制度の見直し、合併算定替えの終了のほか、消費税率引き上げの再延期での地方消費税交付金や地方交付税への影響など一般財源の確保がさらに厳しくなることが見込まれています。
一方、歳出面では、社会保障関係経費の自然増や公共施設の老朽更新などで財政需要が増加し、また、子育て・教育環境の充実や防災・減災対策のほか、地方創生の実現に向けた取り組みなど、重要事項への的確な対応が求められており、さらに厳しい財政運営になると考えています。
そこで、今後は、これまで以上に健全な財政運営に配慮することを念頭に置き、「知恵」と「工夫」を凝らしながら、市民がいきいきと笑顔で暮らせ、幸せが実感できる活力とにぎわいに満ちたまちづくりに全力で取り組んでいきたいと考えています。

次に、平成28年度 松山市公営企業の業務状況の公表についてです。
平成28年度は、春先から降雨に恵まれ、農業用水の取水時期を迎えても、石手川ダムの貯水率と地下水の水位がともに、大きく低下することなく3年連続して水運用の安定した年になりました。
年間給水量は、約5,000万立方メートルと前の年度に比べわずかですが増加し、1日当たりの平均給水量も前の年度から3リットル増加し、284リットルになりました。
これは、夏場の水需要期に、日照時間と平均気温がともに平年値を上回ったことや、観光客が増加したことが要因と考えています。
このような状況のもと、水道事業会計の経営成績ですが、前の年度と比べ、老朽化した水道施設の更新などで撤去費や減価償却費の負担が増加したものの、水道料金収入の増加などのプラス要因もあり、公営企業局独自の経営成績の判断基準である「単年度実質収支」は約3億6千万円と、11年連続で黒字を確保することができました。
次に、主要な事業ですが、防災対策などを進めるため、基幹管路を耐震化し、また、救急医療機関14カ所への給水ルートを確保するため、これまでに完了した8カ所に加え、新たに3カ所、南松山病院と愛媛生協病院、松山赤十字病院への耐震化工事を終え、水道事業全体では約18キロメートルの水道管を耐震化しました。
そのほかにも、将来の竹原浄水場のリニューアルに備えて用地を購入したほか、市之井手浄水場などの老朽設備を更新するなど、「水道ビジョンまつやま2009」に掲げる将来像「安らぎと潤い、豊かな暮らしを支える水道」の実現に向けて着実に取り組んでいます。

最後に、「公共下水道事業について」です。
単年度収支は、2年連続で黒字になり、平成27年度に引き続き、健全経営を維持することができました。
経営を大きく圧迫している企業債などの借入金残高は、新規借り入れを抑制したことに加え、これまでに借り入れた 企業債の償還が進み10年連続で減少し、平成28年度末で約1,313億円と、平成20年度末に比べ、164億円あまり減少しています。
平成28年度末に策定した「下水道事業経営戦略」では、中長期的な視点で収支バランスを図り、将来世代への負担を軽減するため、積極的に企業債残高の減少と、平成28年度末時点で、約60億円ある累積欠損金の早期解消に、努めることにしています。
次に、主要事業ですが、下水道普及率を高めるため、市内4処理区で汚水管渠の面整備を進めるほか、老朽化対策として、中央浄化センターの水処理施設などの機械・電気設備の更新工事を行いました。
また、重点事業として取り組んでいる浸水対策事業では、床上浸水被害を軽減するため重点的に実施していた「重点10地区」の整備を完了させるほか、堀江第1雨水排水ポンプ場の土木建築工事を進めるなど、浸水対策にも積極的に取り組みました。
最後に、本市が独自に定めた「経営健全化のためのガイドライン」の8つの指標のうち、2つの指標は、平成28年度の数値目標を若干下回ったものの、公営企業の収益力を示し、経営に大きな影響を与える「経費回収率」は、前の年度に引き続き100%を超え、財務面での安全性を示す「処理区域内人口1人当たりの借入金残高」や事業の効率性を示す「水洗化率」など、残りの指標は全て目標を達成しており、将来世代の負担軽減や経営の健全化は、着実に進んでいます。

説明は以上です。

質疑応答

【財政事情】
(記者)
実質収支は59年連続黒字、その他のガイドラインの目標値は悪化しているものもあるが所感は?
(市長)
これは全国どこの自治体も、地方自治体もそうなりますけども、やはり義務的経費の扶助費など、社会保障の関係経費が伸び続けているっていうところが、どこの地方公共団体にとっても頭が痛いところです。こういった社会保障関係経費の増大への対応というのは、松山市だけの話ではありません。全国どこでも同じ課題でありますので、第一義的には国の責任で抜本的な制度改革を行う必要があると考えています。いくつか手法を紹介しましたけども、松山市は全国の中核市の中でも財政運営が健全にできていると思いますので、引き続き、持続可能な財政運営に努めていきたいと考えています。

【渇水対応】
(記者)
ダムの貯水率が下がって70%台に入る状況をどう考えているか?
(市長)
はい、今日時点での貯水率が80%を割り込みました。79.8%となりました。これは5月の平年に比べると降水量が66%だった、また6月が平年に比べると降水量が78%だった、こういったところが大きく影響しています。また、もう1つの水源である地下水も平年値を少し下回っているという状況です。今後も、石手川ダムを管理しています国土交通省と連携を密にとりながら、現在行っている渇水対応を強化するなど適切に取り組んでいきたいと思っています。

(記者)
渇水対応を強化する具体的な内容は?
(公営企業局 管理部長)
現在、皆さんにお願いしている節水ですが、今は節水という5%の取水制限がございますので節水ということで、一人1日バケツ1杯10リットルの節水をしていただいております。その節水によりまして5%の取水カットというのは、対応するわけですけれども、取水制限がもっと厳しくなりますと、例えば減圧をするとかそういった形になっていきます。時間給水みたいなことも、それは厳しくなればしますけれども、現段階では5%カットの状況でございますので、今している節水のご協力をお願いするというかたちになろうかと思います。

※質疑応答は内容を要約しています。

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