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05 絵本作家 / イラストレーター しらかたみお
「求められているもの」と「自分の作品」の二方向を目指す
絵本作家・イラストレーター・食ルポライター。 2003年、絵本『あかちゃんおばけまちにいく』で新風舎えほんコンテスト大賞受賞。そのほか絵本『あかちゃんおばけおつかいできるよ(日本版・韓国版)』、『まてまて!きつねのおめん』(新風舎)、『おむすびころりん』(小学館)などを出版。紙芝居やイラストの仕事多数。粘土イラストをはじめ、温かみのある画風が支持を得ている。
しらかたみお
□ TEL 090-9818-1276
□ MAIL shirakatamio@yahoo.co.jp
□ URL http://www.geocities.jp/cyadara/
□ 業務内容 絵本、紙芝居、イラスト、食ルポ、旅ルポ
Q 今の仕事をはじめたきっかけは?

武蔵野美術大学に入学して、在学中もずっとクレイアニメ(粘土が動くアニメーション)をやってたんです。「ロボットパルタ」の制作会社で勉強も兼ねてずっとアルバイトをしていました。撮影にも入っていましたし、小道具もたくさん作りましたね。でもアニメーションは制作にすごく時間がかかるし、今はYouTubeとか個人的に発信するものがたくさんあるけど、当時はそれがなかったから…。作品が完成しても映像を発表する場所が極端に少なかったんです。だから紙媒体に目が向いたんですね。とにかく粘土が好きだったので、作った作品を映像ではなくて写真撮影して絵本にしました。その1作目が運良く出版社のコンテストで大賞をとり、『あかちゃんおばけまちにいく』という絵本として出版されました。何気なく出してたまたまそれが当たったから、行き当たりばったりな感じはあるんですが、運命を感じて「じゃあ絵本作家になろう」って(笑)。それがきっかけで新風舎から絵本を3冊出させてもらいました。全てコンテストに応募して賞をいただいて出版…という流れでしたが、割と自由に作らせてもらいましたね。

Q デビューしてからいかがでしたか?

1冊絵本を出したので「これで絵本作家になれた!」と思って、次々そんなお話とか依頼が来るのかと思ってたんですよ。でも実際には全然そういうことはなくて、自分で作品を出版社に持ち込んだりもするんですが、門前払いでした。コンテストに出したくても募集要項に「今までに商業出版をしたことがない人」とあることが多く、なかなか次の作品をドンドン作るという感じにはなりませんでしたね。だから正直なところ今も「絵本作家です」と名乗っていいのか…(笑)。もちろんクリエイティブなお仕事全般に言えることかもしれませんが、明確な資格があるわけでもないですし、まだまだ夢半ばな感じです。自分のクレジットが入っている絵本は4冊と、紙芝居は5冊なので、絵本はライフワークとも言えるでしょうか。今は子育てもありますし、あまり一冊に集中してエネルギーを注げる…という環境にないので、仕事の割合としては圧倒的にイラストの方が多いですね。そもそも需要が全く違うというのもありますが。ただ、絵本は家に籠って1人で作るんですが、ルポ系の仕事は外に出かけていって人と話ができるので、そういう意味では今はバランスが取れていていいな~と思います。

Q 愛媛に帰ってきたのはなぜですか?

2005年くらいに帰ってきて、その時はまだ絵本を1冊出したくらいだったんです。やっぱり東京にいると忙しすぎて。物価も高いですし、生活のために稼ぐことに忙しいと作品を作る時間がないから、絵本に打ち込みたいと思って帰ってきました。ただ、その時はすでに東京でイラストの仕事をしていて、お付き合いもあったので、それをやりながら…という感じでしたね。仕事をする場所としては、東京でも愛媛でもあまり差はないかもしれませんね。作品はどこにいても作れます。ただ、それでもたまに編集者さんと会う機会は割と大切だと思っています。仕事って「この人の作品でなくちゃ」ということがない限り、頼みやすい人に頼むと思うので、お仕事関係の方々の脳内にノミネートされているというのは大切ですよね。だから、たまに会いに行ったりはしていました。

Q 仕事の依頼はどのように?

例えば紙芝居を出すようになったきっかけは、最初は作品を持ち込んで編集の方に見てもらったんです。で、そこから急にお仕事になったわけではなくて、別の絵本を出した時にその編集者さんが「本屋さんで見たよ」と連絡をくれて、それから少し経って「ちょっと紙芝居に挑戦してみない?」というお話をもらって、ストーリーを考えました。

Q お話のインスピレーションはどこから?

お話が最初にあってそこに絵をつけていく感じなんですが、私の場合は特にネタ帳を作っているわけではなく、漠然と「いいな~」と思うものだったりします。でも実は、そういうものが本になるかというとそうでもなくて、出版社側に出したいテーマがあったりしますね。「プールがテーマの絵本はあるけど、“プール開き”がないんだよね」とか。じゃあ、それでお話を作ってみるかなという感じで作ることが多いんです。だから依頼側が「どんなものが欲しいか」というのは結構気にして作りますね。すごくアーティスト性の強い作家さんなら別だと思うんですが、やっぱりニーズをうまくキャッチできたほうが仕事にはなりやすいなと思います。求められているものの斜め上をいくようなものが作れると、仕事としても次に繋がりやすくなりますからね。ただ長い目で見た時に作家としてどうか?というのはまた別の話ですから、「自分の作品」と呼べるものを作ることも大切だと思います。二方向あれば一番いいんだと思うんです。

Q 絵本以外の仕事はどんなものがありますか?

イラストや挿絵が多いです。あとは地元の雑誌でコラムのお仕事をいただいたり。もともと旅好きで趣味として自分の旅行ルポを描いたり、パンの冊子を作ったりしてたんですが、それを見た出版社の方から声をかけてもらって。「タウン情報まつやま」のコラムとか「るるぶ愛媛」の挿絵を描いたりもしていました。地元の仕事は最初はボランティアだったり趣味から始まって、それがお仕事に繋がっていくということが多いです。「知り合いに頼む」という流れが割と多いんだと思います。

Q それ以外に、東京と愛媛の仕事の差は感じますか?

東京で描いたものって、自分の周りの人から「あの仕事やってたね」って言われることがまずなかったんですよ。でも例えば「タウン情報まつやま」の「わくわくレトロ食堂」というコラムだと、みんなから「毎月読んでるよ」って言ってもらえるんです。それが一番嬉しかったですね。特に東京での絵本系の仕事は、大人の人はあまり目を通す機会がないですしね。

Q クレイアニメ、絵本、イラストとたくさんの種類がありますが、お仕事の魅力はどんなところでしょうか?

作ることが自体が好きでやっていますが、「見たよ」とか「面白かったよ」と言ってもらえたり、絵本だったら子どもからお手紙をもらったりすると嬉しいです。描いて一冊に仕上げていくという作業と、見てもらうことの反応、どちらも醍醐味と言えるでしょうね。

Q 今後やってみたいことは?

旅イラストルポライターになりたいんですよ。今は子育てルポライターなんですけど(笑)。海外のお店を日本に紹介したいという夢があって。だから旅ルポをやってみたいですね。逆に、愛媛の良さとか日本のいいものを外に伝えるのもいいな~と思います。
MIO SHIRAKATA WORKS
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絵本「あかちゃんおばけまちにいく」
(新風舎 2003年/第6回新風舎えほんコンテスト大賞作品)
  絵本「まてまて!きつねのおめん」
(新風舎 2006年/第11回新風舎えほん大賞金賞作品)
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紙芝居「みんなでひなんくんれん」(童心社 2010年)   粘土イラスト
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食ルポコラム「わくわく!レトロ食堂」(SPC出版・タウン情報まつやま)   食ルポ冊子「すてきなパン屋さん」