CONTACT
ABOUT
  • 地元クリエイターに迫る旅!
  • クリエイター×企業
  • PICK UP CREATOR
  • コンテンツ事業者リスト
  • NEWS×REPORT
Image
02 コピーライター / CMプランナー 矢野裕子
01 漫画家 和田ラヂヲ
広告企画室ネコノテ代表。大学卒業後、広告代理店で営業職、コピーライター・プランナーを経験したのち2007年に独立。広告のコピーからテレビCM、まつちかタウンの「まつちカッパ」キャラクター制作など幅広い分野で活躍。ACC CMフェスティバルラジオCM部門ファイナリスト、福岡コピーライターズクラブ賞、コピーライターズクラブ名古屋新人賞、大阪コピーライターズクラブ新人賞、愛媛広告賞など。
広告企画室 ネコノテ
□ MAIL nekonote@yanoyou.jp
□ URL http://yanoyou.jp
□ 業務内容 コピーライティング、CMプランニング、
パッケージデザイン企画など
Q 矢野さんのお仕事はライターではなくコピーライター?

これはわかりにくいですよね。松山で「コピーライター」って名刺を渡すと、ライターとして取材の仕事が来ることが多いんですよ。ライターはコンテンツを作る人だから、企業とかお店とか人について取材して伝えるというのが仕事。コピーライターはちょっと方向が違っていて、この店は「どういう時に来る店」で「誰と来たい店」で「これを食べたらこんな気持ちになって…」という、消費者が利用したその時の魅力を媒体を通してより短い「広告」という手段で伝える仕事なんです。
ひと言でいうと「コミュニケーションを作る仕事」かな。お客さんがそれを見てどう思うか?とか、どういう風に売れて行くのか?というのを考えて、たまたまその伝え方が言葉(コピー)なのか、パッケージなのか、ポスターなのかって事で手段が変わりますが、結局コンセプトを作るのが仕事なんじゃないかなと思っています。

Q 仕事内容を理解してもらうのが難しいんでしょうか。

本当にそうなんです。一部の人には「プロデューサーと思ってた」と言われたこともありましたね。そんな中で「まつちかタウン」のお仕事は、ある意味コピーライターらしい仕事でしたね。当初のご依頼はテレビCMのコンペだけだったのですが、キャラクターを作ることでポスターやチラシ、POPにもコミュニケーションの幅が広がりました。限られた予算の中で、その時だけでなく、今後その場所がどういうターゲットとコミュニケーションをとっていけば生き残れるか考えたときに出た答えが、まつちかタウンの場合キャラだっただけで、表現方法は広告をつくる目標によって変わります。たとえば和菓子などの商品の場合は、誰がどんなシーンで持って行きたいか、そもそも自分はどうだろう?と考えたとき、余計なコメントはいらないなと思えば、コピー削っちゃえ!ってこともあります。コピーライターなのに…。あと予算の関係上、タレントを起用したり撮影までできないことも多いので、結果的にアニメーションやイラストを起用することも多いですね。「アニメの人」って言われますが、アニメ以外の仕事のほうが多いんですけどね…。

Q コピーライターとはいえ、ディレクション的な要素も入っているんですね。

美味しい物をより美味しそうに見せたり、受け手にとっての「良さ」をプラスさせることがすごく大事だと思っています。今って見ている人の方がめざといから、小手先でごまかそうとするとすぐにバレちゃうし、結局その企業の価値を下げちゃうことも。コピーライターはいろんなタイプの人がいるけど、私は生活の中で人がポロッと言いそうなコピーを書くタイプ。字面のいいコピーを書くのが仕事ではなくって、「矢印」を作るのが仕事だと思っています。それは「どんなにカッコいいコピーを書いていても、それで商品が売れて(知られて)なかったら意味がない」という考え方に共感しているから。「これを見た時にどのくらいの人が話題にするんだろう?日常で思い出してくれるんだろう?」が私のテーマです。CMの仕事が、飲み会の場所で話題になったり、子どもが替え歌を作ってくれたりするのが、一番嬉しいですね。

Q 一般的なコピーライターは、ディレクションまではしないですよね?

あまりしませんね。東京では規模の大きなお仕事の場合は必ずクリエイティブディレクターがいますし、細かく分業されています。地方ではそういう方がいない仕事がほとんどなので、その大部分をデザイナーが兼ねていたりします。本来ならクリエイティブディレクション業務を広告会社がすべきなんですが、クリエイティブ機能を専門に設けているところが少ないんです。なので広告会社にいた時に、このディレクター業務というのを愛媛でフリーでやってる人がいたら絶対頼むのにな~って思ったほど。さらに愛媛でこの仕事をするなら、地場の感覚というか(この企業にとってはこの予算が精いっぱいだな~とか、このデザイナーさんならこのくらいの金額がかかるだろうとか)そういう勘があることは、独立する上ではとても役立ったし、これこそが愛媛にいながら、愛媛でこの仕事をするメリットだと思います。
愛媛でこうやってディレクターと呼ばれる仕事をすると、「すごい!」って言われがちですが、実際はもっともっとすごい人が沢山いるので(全国レベルでの)自分の立ち位置みたいなのは常に気にしていますね。その確認のために東京へコピーライターの講座に通ったりもしました。講座にはキャリアのある方もたくさんいたんですが、その中でもある程度自分のやっていることが一定のレベルにはいたものの「1番」ではなくて悔しい思いをしたことや、これはいい!と書いたコピーがただの自己満足だったと気付けたことも大きな収穫でした。また、県外へ出て行くことで新しい人との関わりができ、そこから仕事を頂くこともありました。

Q 矢野さんが地元を選んだワケは?

学生時代から本当は東京に行きたくて、どちらかと言うとアンチ松山、アンチ愛媛だったんです。でも、今思うと松山の方が広告の効果がすぐわかるし、ここでやってきて良かったと思っています。結局、愛媛で反響があるものを作れないのに東京に行っても結果を残すのは無理だと思うんです。地元の若い人たちは「東京に行ったらなんか仕事あるやろ」と思っているかもしれないけど、東京の人たちも「東京にかじりついていれば、いつかはなんかデカい仕事ができるんじゃないか」って思ってる人が本当にたくさんいて、そのせめぎ合う人数は想像を。超えます。私はむしろ東京で悩む若い人たちには「地元に帰ったら」って勧めています。地元ならなんでも自分でできちゃうよ、って。コツコツ環境を整えて、地道に実績を積み上げていける地方の方が、絶対にやりたいことができると私は思っています。
逆を言うと、地方で東京の仕事を受けるとすごく重宝されますよ。費用面だけでなく結局「全部やれちゃう」のが地方クリエイターの強みなんです。さらに愛媛でいることの利点は、企業のトップがすごく近くて、直接担当の人と話ができるってこと。東京ではヘタしたら打ち合わせなんか行かず、資料だけもらって、何百というコピーを作る。それがきっちりとセグメントされた都心の仕事のやり方なんでしょうけど、パッケージやデザインまでコピーライターが口を出すことはあまりないですね。あと、今は地元発信の声を拾いたいという流れもあり、地方にいた方が動きやすいという利点もあります。ただそういう時に声がかかるかどうかは、やっぱりどのくらい人と繋がってるか、目に見える実績があるかで判断される。賞をとったり世の中に出て話題になるものを作ってると「愛媛といえば誰」みたいにすぐ覚えてもらえますしね。賞なんかいらないって人もいるけど、フリーでやっていく上での信用のものさしとしては大切だと思っています。

Q 地方のクリエイティブをどう思っていますか?

非常に危機的な状況にあると思ってるんです。地元ですごく良いモノづくりをしている企業が、全国的に有名なクリエイティブディレクターを呼んでブランディングして商品を作るという例がありますが、それって地元のクリエイターにとっては、漁場を荒らされているようなものなんですよね。さらには地元のクリエイターも、自信をもって全国区の仕事を「できます」と言えないでいる。なぜ言えないかというと、県外や海外に出向いたり、色々な規模の仕事をしていないせいで、自分の立ち位置が測れないまま、どこまでできるかを主張できないからなのかも。どんな物を出せば世の中が反応するか、話題になるかというのが分かっていれば地方にいようが関係ないはず。行政や企業などの発注する側も「地産地消」なのであればクリエイターまで地元の人を使ってほしいなと思います。ブレーンを入れるとき、もっと地元のスタッフに注目してくれれば、また今とは違った結果があると思います。
YUKO YANO WORKS
Image   Image
まつちかタウン40周年記念ポスター / 2011   まつちかタウンロープウエー乗り場掲示ポスター / 2013
Image

Image

Image
  BGM~
阿蘇美:「阿蘇美泰三です」
阿蘇美:「晩ご飯、ある?」
阿蘇美妻:「あるわよ
…作ったら」
阿蘇美:♪わからない~ 自分の居場所が わからない~
SP:せめて遊びはシンプルに
CI:グランディール天国!
西部観光 グランディール天国
阿蘇美泰三シリーズTVCM / 2012